【翔んで埼玉】原作をネタバレ!地上波との違いは?
2019年に大ヒットをして数々の記録を打ち立てた映画【翔んで埼玉】が地上波、完全ノーカットで放送されます。
放送に先駆けて【翔んで埼玉】の原作の結末、映画との違いなどをご紹介いたします。
未完の名作と呼ばれた【翔んで埼玉】はなぜ打ち切りとなってしまったのでしょうか?その真の理由にも迫ります。
映画【翔んで埼玉】を視聴するには?
映画【翔んで埼玉】はまだ定額見放題の対象ではなく、以下のサービスでレンタルできます。
サービス名 | 配信状況と価格 | 見放題月額料金と無料期間 |
FODプレミアム | レンタル(500ポイント) | 888円/月(2週間無料) |
dTV | レンタル(標準400円、HD500円) | 550円/月(31日間無料) |
※ 全て2020年5月16日(土)現在の情報です。配信状況やレンタル期限、無料サービスの期間は各種動画配信サービスの公式サイトでご確認ください。
【翔んで埼玉】原作の結末をネタバレ
第1話
日本の僻地・埼玉と呼ばれる場所があった。埼玉はいまだに年貢を取りたたられている所で東京に行くには通行手形が必要だった。
もし通行手形を持たずに東京に来ようものなら100叩きの上に埼玉へ強制送還されてしまう。このように埼玉県民は軽視され迫害されていた。
一方で東京の名門高校・白鵬堂学院にアメリカからの帰国子女・麻美麗が転校してくる。白鵬堂学院は住んでいる所でランク付けがされ、特に埼玉県出身者は差別されていた。
特に理事長の息子で生徒会長の白鵬堂百美は横暴で麗は喧嘩を売ってしまう。
実は麗の正体は埼玉県人でその夜父、親から「アメリカに留学させたのは埼玉県人特有の臭いを消すため。白鵬堂学院を卒業したら政治家になって通行手形を無くして欲しい」と真意を聞かされる。
「埼玉県生まれでも堂々としていればいい」と麗は父親の考えに従うつもりは無かった。
翌日、白鵬堂学院でコケにされた百美が学業とスポーツで勝負を仕掛けてくる。麗はあっさりと返り討ちにして百美はいじけてしまう。
そんな百美に麗は優しくキスをする。そして、百美は麗に惹かれてしまうのだった。
その後、麗は百美とのデートの最中に家政婦が埼玉狩りにあっているのを目撃、助けに入ったことで百美に埼玉県人であることがばれてしまう。
埼玉県人への酷い迫害を目のあたりにした麗は父親のような周りくどいやり方ではなく、戦って自由を手にする決意を固める。
百美は麗の力になりたいと感じていた。が、麗が生まれ故郷の所沢に戻ることを知った途端躊躇してしまうのだった。
第2話
百美は麗について行かなかったことを激しく後悔していた。そんな折、自宅に大物政治家の階階堂がやってくる。
そして、百美の祖父に埼玉解放を唱えている危険人物の始末を依頼する。会話を盗み聞きしていた百美は麗のことであると察し、危険を知らせるために単身所沢に向かうのだった。
なれない僻地を移動する百美は埼玉県民が置かれている酷い現状を知る。そして、階階堂の手先から所沢民を助けた縁でついに麗と再会する。
麗からある伝説の埼玉県人について聞かされる。その人物は埼玉デュークという人物で埼玉県民でありながら気品あるオーラを纏い、埼玉解放の為に戦っていた。麗が埼玉解放を宣言すれば彼の方から接触してくると踏んでいたのだった。
そんな中、階階堂の手先が襲い掛かってくる。麗の敵では無く、あっさり返り討ちにした後2人は埼玉デュークに会うために東京へと向かうのだった。
第3話
埼玉デュークの情報を得るために百美が勉強の為に借りているマンションに身を潜めていた麗。ところがマンションの住民に「サイタマラリア」という埼玉特有の疫病患者が出てしまう。
「埼玉県民が紛れているのでは?」と警察がやってきて踏み絵が行われる。麗は行うことが出来ず埼玉県人であるとばれてしまった。
一先ず2人は埼玉県民居住地に逃げる。だが百美は「サイタマラリア」に侵されており倒れてしまう。父親に血清を求めるも所沢はすでに囲まれておりどうすることも出来なかった。
「百美の命には代えられない!」麗は自首することを決意する。ところがそれは卑劣な罠で麗は警察と階階堂の手先に囲まれてしまう。絶体絶命のピンチの中、麗は埼玉デュークの部下によって救われ、血清も受け取る。
麗は協力を求めるが「彼の邪魔をしたくなければ大人しくしていろ」と断られてしまう。それでも諦めきれない麗は百美と共に埼玉デュークを探す旅に出るのだった。
【翔んで埼玉】原作連載打ち切りの経緯
と原作は全3話で、「俺たちの戦いはこれからだ!!」のような打ち切られる形で突如終了してしまいました。
ー原作「翔んで埼玉」後書き等よりー
1982年の連載開始時、原作者の魔夜峰央は当時の編集長の勧めで新潟から埼玉県・所沢に住むことになります。ところが紹介されたのは編集長、さらに上の編集部長の自宅から10分も掛からない場所でした。魔夜は「もし原稿が遅れれば編集長が直々に催促に来るのではないか?」という強いプレッシャーに怯える事になってしまいます。
このストレスを埼玉全体をディスる形で昇華させたのが「翔んで埼玉」という作品になります。3本描いた後、魔夜は今度は所沢から横浜に住むことになりました。それにより
- 「横浜から埼玉をディスる漫画を描いたら本当に悪意があると捉えられる」
- 「プレッシャーも無くなったので漫画のネタを思いつかなくなった」
と考え、この2つが連載終了の大きな原因となりました。
打ち切りでは無く魔夜の意志で連載は辞めることになったのでした。
そして、映画【翔んで埼玉】で未完のままで終わった原作の続きを描く形となりました。
【翔んで埼玉】映画と原作の違い
大きな違い
続きを描くことになったので映画には以下の大きな設定の違いが加わりました。
- 伝説の埼玉県人・埼玉デュークが登場
- 埼玉県人のライバルとして千葉解放戦線を率いる阿久津翔が登場、埼玉VS千葉の抗争に発展
- 麗たちの戦いは都市伝説として語られ、埼玉県に住むある一家が聞いている
麗の行動
- 原作:麗は始めは父親に反発していたが差別を目のあたりにして武力による埼玉解放を目指す
- 映画:麗は始めから埼玉解放戦線の一員として父親に従っている
百美の家族構成
- 原作:百美の苗字は白鵬堂。祖父は学園の理事長という設定
- 映画:百美の苗字は壇ノ浦。祖父は東京都知事で原作の階階堂の役割も兼ねている
百美の行動
- 原作:麗が埼玉県民だと知った際に躊躇してしまい、麗と離れることになる。その後、祖父と階階堂の密談から麗に危険が迫っていることを知って単身所沢に向かう
- 映画:麗が埼玉県民だと知った際に付いていく決意をして以後は共に行動する。2人で所沢に向かおうとするも千葉県民に見つかってしまう
踏み絵のタイミング
- 原作:「サイタマラリア」の騒動が起きた時、埼玉県知事の写真が使われる
- 映画:デート中に麗の家政婦が見つかった時、草加せんべい(しらとばと付き)が使われる
「サイタマラリア」
- 原作:「サイタマラリア」の騒動後、所沢に逃げた際に百美が発症
- 映画:埼玉デュークと会った時に百美が発症、麗は埼玉デュークに百美に託す
実は原作に描かれている部分と映画の違いはほとんどありません。設定や物語の流れが簡略化されているくらいです。
「百美が二階堂さんに決まった時に女性にする案もあったがそれでは原作の世界観が活きない」
と監督が語っていたように原作が持つ雰囲気や世界観が重視されています。
原作部分が終わった後、映画は千葉との戦いなどオリジナルの展開を迎えます。詳しいネタバレは別記事にしているのでそちらをご覧ください。
【翔んで埼玉】原作「パタリロ」からのゲスト出演
原作の方で魔夜峰央の代表作「パタリロ」からゲストキャラが出ているので紹介します。
- 冒頭で魔夜「この漫画は実際の人物、特に地名とは関係ありません」と注意書きをするシーンで「逃げを打ったな」と突っ込んでいる人物→主人公のパタリロ殿下
- 百美の心情の変化を説明しているシーンで登場した美青年→パタリロに付き添っている?バンコランという青年。美少年であるが同性愛者である。
【翔んで埼玉】原作を読むには?
【翔んで埼玉】原作電子書籍
【DMMブックス】で全3話を購入することが出来ます。
※ 【翔んで埼玉】は同作者の短編集「やおい君の日常的でない生活」にも収録されています。重複購入にご注意ください。
※ 全て2020/1/29(水)現在の情報です。最新の価格などは公式サイトでご確認ください。
この記事で使用している画像の引用元:映画『翔んで埼玉』公式サイト
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