終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】のキャスト|妻夫木聡・蒼井優出演
終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】のキャスト
妻夫木聡・蒼井優出演の終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】が8月13日にNHKで放送!
本作は遠藤周作「海と毒薬」でも有名な「九州大学生体解剖事件」が題材。捕虜を人体実験にした事実をもとにした、狂気と正気を描き出すヒューマンサスペンスです。
今回は終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】のキャストなどを紹介!
終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】のキャスト
終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】のキャストを紹介!
キャスト:妻夫木聡(役:鳥居太一)
キャスト:妻夫木聡(つまぶき さとし)…1980年12月13日生まれ。福岡県出身。ホリプロ所属。主演ドラマは『ブラックジャックによろしく』『オレンジデイズ』『スローダンス』『天地人』『若者たち2014』『危険なビーナス』など多数。
登場人物:鳥居太一…西部帝国大学医学部助教授。捕虜の実験手術に関わる。教授に中止を進言したが、手術は続行され、終戦後に戦犯となる。
<妻夫木聡さんのコメント>
“自らの責めは自らが負わねばならない” 罪とは何か、生きるとは何か、ひたすらに自分と向き合い続ける日々です。人間は愚かな生き物であります。しかし、誰かを思いやる温かい心になれるのもまた人間です。人としてあるべき姿とは何か、今一度この時代に問いかけられているような気が致します。時代や環境が変われど、一つ一つの命の重みに変わりはありません。
作品を通じて、命の尊さを感じて頂ければ幸いです。
罪とは何か。太一が犯したこと自体は罪だが、何が本当の意味でいけなかったのか。死刑に処されるべきなのか。彼の心の内を想像し、その答えを探す日々でした。正直、太一の妻や子どもたちのことを考えると、死にたくないという思いにも至り、役を演じる上では、さまざまな葛藤がありました。
戦時下の出来事を“しかたなかった”のことばで片付けては、すべてが過去になってしまいます。しかし、本人たちにとっては死ぬまで変わらない現実だったのではないかと思います。だからこそ、私たちはその思いを受け継ぎ、この先も未来永劫、伝えていく必要があります。皆さんにも「一度きりの人生、もっと出来ることがあるのではないか」「私はこんな人間になりたい」など、このドラマから少しでも何かを感じていただけたらうれしいです。
キャスト:蒼井優 (役:鳥居房子)
キャスト:蒼井優 (あおい ゆう)…1985年8月17日生まれ。福岡県出身。イトーカンパニー所属。『フラガール』(2006)で日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞を、『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)で日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞を受賞している。主演した『スパイの妻』は第77回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門銀獅子賞(最優秀監督賞)の受賞作。名実ともに日本を代表する女優のひとり。
登場人物:鳥居房子…太一(妻夫木聡)の妻。実験手術に反対した夫が、首謀者とされて死刑判決を受けたことに納得せず、夫を救出するために奔走する。
<蒼井優さんのコメント>
胸が締め付けられるようなシーンがたくさんありますが、妻夫木さんが演じられる太一を信じ、最後の最後まで丁寧に演じて行けたらと思っています。 タイトルに見合う作品になることを期待しながら、精一杯頑張ります。
キャスト:永山絢斗(役:冬木克太)
登場人物:冬木克太… 死刑囚棟の同じ房で、太一(妻夫木聡)と生活することになる元軍人。捕虜処刑事件で死刑囚となった。明るく朗らかな性格で、太一のことをいつも気にかけている。
キャスト:鶴見辰吾 (役:石田幸三)
登場人物:石田幸三… 西部帝国大学医学部第一外科教授。優れた外科医としての能力をもち、野心に溢れた独裁的な性格で、捕虜の実験手術を実行する。
キャスト:山西惇(役:進藤直満)
登場人物:進藤直満 … 西部軍大佐。西部軍司令部に捕らわれていた米兵捕虜8名を大学での実験手術に提供した。BC級戦犯裁判の判決で、太一と同じく死刑囚となる。
キャスト:辻萬長(役:鳥居一郎)
登場人物:鳥居一郎 …太一の父。息子が帝国大学医学部の助教授になったことを誇りに思っていたが、生体解剖事件で戦犯となったことを深く悲しんでいる。
※辻萬長さんの辻は正しくは1点しんにょうです。
キャスト:中原丈雄(役:岡島孝輔)
登場人物:岡島孝輔 …死刑囚棟で太一が出会う元陸軍中将の死刑囚。1日1日を心穏やかに生きることができるよう、他の死刑囚たちとの対話を重ねている。
キャスト:若村麻由美(役:三浦清子)
登場人物:三浦清子 … 戦犯裁判の弁護側通訳として活動している。GHQ法務局との交渉も行っており、房子の心強い協力者となる。
終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】のあらすじ
<あらすじ>
1945年5月。西部帝国大学医学部・助教授の鳥居太一(妻夫木聡)は、教授の指示のもと、米兵捕虜の手術を手伝うが、それは人体実験手術であった。教授に恐ろしい手術の中止を進言するが、却下され、8名の捕虜が死亡。戦犯裁判で死刑判決を受けた太一は、凶行を止められなかった自分と向き合うことになる。
一方、妻・房子(蒼井優)は、裁判の中でゆがめられた真実を明らかにし、事件の首謀者にされた夫を死刑から救おうと奔走する。房子の必死の思いと、死刑囚たちとの新たな出会いによって、太一は目を背けていた本当の罪に気づいていく・・・
“何もしなかった罪というのもあるのではないか”
本作は、太平洋戦争末期に行われた「生体解剖」(= 生きている生物、ここでは人間を解剖すること)が題材。
命を救うはずの医師が犯した恐ろしい罪。その裏に隠された真相。
苦悩の果てにたどりついたありのままの真実とはいったい何なのか?
人間の狂気と正気を描き出す…ヒューマンサスペンスです。
終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】の原作
原作:熊野以素「九州大学生体解剖事件70年目の真実」
<原作の内容>
軍の命令か、医の倫理の逸脱か―。終戦直前の一九四五年春、名門大学医学部で行なわれたおぞましい「実験手術」により、米軍捕虜八人が殺された。当時、医学部第一外科の助教授であった鳥巣太郎は、この生体実験手術に抵抗し、四回あった手術のうち参加したのは最初の二回(正確には一回半)であった。
しかし、戦後に行なわれた「横浜裁判」で、首謀者の一人として死刑判決を受けた。鳥巣は苦悩の末、死を受容する心境に達したが、鳥巣の妻・蕗子は様々な妨害をはねのけ、再審査を請求し、減刑を勝ち取った。
本書は、鳥巣の姪である著者が、膨大な戦犯裁判記録のほか、知られざる再審査資料、親族の証言などを基に、語り得なかったその真実を明らかにするものである。
<熊野以素(くまのいそ)プロフィール>
1944年生まれ。1969年、大阪市立大学法学部法学科卒業。大阪府立高校社会科教諭を勤めたのち、2004年、大阪市立大学大学院修士課程修了。専門は社会保障法学、とくに介護保険制度。社会保障法学会会員。「九条の会・豊中いちばん星」呼びかけ人。
終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】と遠藤周作「海の毒薬」
遠藤周作の小説『海と毒薬』(1960年、新潮社刊)も同じく、太平洋戦争中に捕虜となった米兵が臨床実験の被験者として使用された事件(九州大学生体解剖事件)を題材とした小説です。
<『海と毒薬』の内容>
戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? どんな倫理的真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識”の不在の無気味さを描き、今なお背筋を凍らせる問題作。
https://www.shinchosha.co.jp/book/112302/
ただし、熊野以素「九州大学生体解剖事件70年目の真実」はノンフィクション本。遠藤周作「海と毒薬」は事実をもとにした小説であり、フィクションです。
しかも熊野氏の著書は2015年の出版。新しいのです。さらに医師側の首謀者として死刑判決(のち減刑)を受けた鳥巣太郎氏(当時、九大助教授)の姪(めい)が・・・つまり子孫が語り得なかった真実を明らかにするとのことなので、遠藤氏の小説よりもさらに真実に迫っています。
ただ、ドキュメンタリーではなくテレビドラマ化ではあるので、どう仕上げるのか注目です。
終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】のスタッフ
- 脚本:古川健
- 音楽:小林洋平
- 制作統括:三鬼一希(名古屋局)熊野律時(大阪局)
- 演出:田中正(大阪局)
終戦ドラマ【しかたなかったと言うてはいかんのです】の放送日
- 放送日:2021年8月13日(金)よる10時~
- 放送時間:よる10時~(75分間)
- 放送回数:単発
- 放送局:NHK総合
当記事画像出典:NHKドラマトピックス
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