【スティンガース】ネタバレあらすじ全話!おとり捜査の爽快コンゲームを最終回まで!

フジテレビ火9ドラマ【スティンガース 警視庁おとり捜査検証室】が7月22日にスタートします!
「スティンガース」とは、警視庁の新設チーム「囮捜査検証室」の通称。
異端チーム「スティンガース」の活躍を描く、完全オリジナルの“爽快コンゲーム(だまし合い)エンターテイメント”の始まりです。

森川葵さんがGP帯連ドラ初主演ね!おとり捜査のための様々な変装で楽しませてくれそう。ポップで軽快なドラマになるんじゃないかな。

森川葵さん、藤井流星さん、本郷奏多さん、志田彩良さん、井内悠陽さん、杉本哲太さん、そして玉山鉄二さんという魅力あるメンバーが揃ったね。

この記事では、【スティンガース】のネタバレあらすじを最終回まで毎週更新していきます。

◎この記事でわかること
ドラマ【スティンガース】
・全話のあらすじ・ネタバレ
・最終回の予想
・見どころ

【スティンガース】のあらすじ・ネタバレを最終回まで

1話「DECOYおとり」

放送日:7月22日(火)21:00~22:09(初回拡大SP)

1話のあらすじ

捜査一課の刑事・乾信吾(藤井流星)は強盗犯罪グループに身分を偽装し潜入捜査をしていたが実行犯しか捕まえられず上層部に迫ることができなかった。
その後、乾は囮(おとり)型偽装捜査検証室、通称・スティンガースに異動となる。
スティンガースは、警察庁審議官の西条巧(玉山鉄二)が中心となって創設された独立した捜査機関。
メンバーはFBI のスティング・オペレーション(囮捜査)チームで優秀な成績を残していたトップキャリアの二階堂民子(森川葵)を筆頭に、ゲームマニアで頭脳明晰な元公安部・水上涼介(本郷奏多)、美術学校で培った舞台用小道具の制作を得意とする元交通部・森園はな(志田彩良)、SNS で数万人のフォロワーを持つコスプレイヤーの元総務部・小山内誠(井内悠陽)、立てこもり事件で 16 時間もの間微動だにしなかった元警備部機動隊員の忍耐の男・関口欣二郎(杉本哲太)と、個性的な人物たち。
スティンガースの初めての仕事は、乾が上層部に迫れなかった、匿名・流動型犯罪グループいわゆる“トクリュウ”のトップを囮捜査で逮捕すること。
新宿の闇カジノに指示役が出入りしているとの情報が入り、二階堂たちは囮となって闇カジノに潜入する。

1話のネタバレ

囮(おとり)型偽装捜査検証室、通称・スティンガースが始動した。
スティンガースは警察庁審議官の西条巧玉山鉄二)が中心となって創設された独立した捜査機関。
室長は、FBI のスティング・オペレーション(囮捜査)チームで優秀な成績を残したトップキャリアの二階堂民子森川葵)。
二階堂自らスカウトして集めたメンバーは、ゲームマニアで頭脳明晰な元公安部・水上涼介本郷奏多)、美術学校で培った舞台用小道具の制作を得意とする元交通部・森園はな志田彩良)、SNS で数万人のフォロワーを持つコスプレイヤーの元総務部・小山内誠井内悠陽)、立てこもり事件で 16 時間もの間微動だにしなかった元警備部機動隊員の忍耐の男・関口欣二郎杉本哲太)。
そして、匿名・流動型犯罪グループいわゆる“トクリュウ”の潜入捜査に失敗して異動を命じられた捜査一課の刑事・乾信吾藤井流星)だ。

冒頭、犯罪グループに潜入した乾は被害者の老婦人を殴れという指示役の命令にそむいて実行犯を襲いました。
結局バイトの実行犯しか捕まえることしかできず、もっと泳がせて上層部に迫りたかった捜査一課の課長・石嶺誠太水橋研二)に叱責されます。
身勝手な正義感を持つ乾は捜査一課に不向きとされ、異動の内示を受けましたが乾は納得できません。
乾の異動先は、囮(おとり)型偽装捜査検証室、通称・スティンガース。
二階堂は、乾が潜入捜査に失敗した“トクリュウ”のメンバーの一人と同じ服装で自らおとりになり、乾に追いかけさせて首尾よくスティンガースルームへ連れてきます。
“おとり”の説明になっているとともに、二階堂と乾のこの先の関係性を象徴する導入になっていて見事でした。
スティンガースにメンバーが集合してそれぞれの人物紹介がテンポよく進むのも気持ちよかったですね。
異なる部署から集められた個性的なメンバーがこれからどんな能力を発揮していくのか、二階堂はチームをどうまとめていくのか、ワクワクする物語の始まりです。

スティンガースの初仕事は、乾がバイトの実行犯だけしか捕まえられなかった“トクリュウ”のトップにたどり着くこと。
早速二階堂はメンバーに作戦を授ける。
二階堂が「実行犯の一人が仲間の金を奪って逃走中」というダミーの記事をマスコミに流したことで集金係から接触がきた。
その実行犯の一人というのは、潜入していた乾のこと。
乾が(二階堂にアドバイスされながら)集金係を脅した結果、指示役が新宿の闇カジノに出入りしていることがわかった。
乾は二階堂たちとともに闇カジノに潜入する。
二階堂、小山内、関口は隠しカメラで乾を援護。
乾は無線で水上の指示を受けながら指示役と目星をつけた男たちとポーカーの勝負をして勝ち続けるが、最後は負けてしまい、ディーラーのD子(松井愛莉)が調整したのではないかと疑う。
その後D子と話す機会を得た乾は、彼女が“トクリュウ”側の人間だと気づき、指示役が誰かを教えてくれたらここから救ってやると約束した。
D子により指示役がE男落合モトキ)であることがわかり、乾は話を聞いてもらうためにポーカーで勝負。
隠しカメラと水上のおかげで勝ち続ける乾だったが、終盤小山内の隠しカメラが黒服スタッフにばれそうになり二階堂の機転で事なきを得たが、水上がカードを映像で確かめられなくなってしまった。
ゲームを降りるように指示する水上だったが、乾は勝負に出て見事勝利。
無事に指示役に昇格した。
E男は自分もトップの人間は知らないのだと言う。

おとり捜査に懐疑的な乾に対して、「乾さん、ぜひ一緒に見たことのない景色にたどり着きましょう」と殺し文句を言う室長・二階堂民子。
チャーミングでユーモアがあってどこかつかみ切れない魔力のある人物ですね。
スティンガースルームのテーブルは、角が丸い三角形でおにぎりみたいな形をしています。
6人が一辺に2人ずつ座り、顔を合わせてミーティングしやすいようになっていますね。
新宿の闇カジノについての情報が、交通部にいた森園や公安部にいた水上からもたらされたのがとても良かったです。
異なる部署にいたメンバーのそれぞれの経験やスキルがこうやって活かされていくわけですね。
いよいよ闇カジノに潜入するスティンガースのメンバーたち。
視野が広く臨機応変にメンバーたちを動かす二階堂が頼もしく、熱くて真っすぐで情にもろい乾が好もしいです。
頭脳明晰で冷静な水上は今後も頼りになりそうですね。
捜査費を全部ルーレットですってしまった関口はしおれていましたが。

乾はE男から、フィリピンで仕事してもらうがその前にトレーニングとして宝石店強盗をするように告げられる。
実行犯を自分で集めるように言われ、乾はE男のマンションから彼らに指示することに。
二階堂たちは念入りに偽の強盗事件を計画して段取りの練習を積み、当日は実行犯として宝石店で強盗のふりをしている映像を乾に送る。
乾の隣で中継を確認しているE男に見せるためだ。
強盗を実行する当日、乾は闇カジノのビルでD子と偶然出会い、喫茶店で少し話す。
ポーカーで勝たせてもらったお礼に、犯罪グループから本気で逃れたいと思っているのなら協力すると乾が言うが、D子は諦めている様子。
指示役からさらに上に行くにはどうしたら良いかを聞く乾。
喫茶店から出て乾とは違う方向に歩き出したD子を不審な男たちが取り囲んだ。
ダミーの強盗は、関口が誤ってショーケースを割り本物の警報が鳴り響いてしまったけれどもなんとか成功。
E男に早く集金係に持っていかせるように言われるが、乾は取り分が半分だと聞くと怒りを爆発させE男を殴り倒して監視カメラに向かって挑発する。
D子から、金を持ち逃げするなどで組織を裏切ったら上の人間が出てくると教えられていたからだった。
しかしビルを出た途端、乾は男たちに取り囲まれて殴られ気を失う。
二階堂は、乾にひそかにつけていたGPSを追って、乾が連れ去られた場所へメンバーと向かった。

ダミーの強盗の準備や練習をしているスティンガースの皆さん、楽しそうですね。
コスプレーヤーの小山内や元演劇部の森園が衣装やセットや小道具を完璧に用意しているのも良い感じです。
しかし関口は台詞も棒読みだし、「ショーケースを割ったら警報が鳴って警備員が来てしまうので割らないで」と二階堂から言われていたのに、本番でしっかりバールを振り下ろして割ってしまいます。
生真面目で一生懸命な関口は哀愁キャラなのでしょうか。
杉本哲太さんが全力で演じているからよけいにチャーミングな人物になっていますね。
乾はトップの人物をおびき出すために、強盗した宝石を持ち逃げしたふりをします。
しかし“トクリュウ”の部下たちによって連れ去られることに。
二階堂は先を読む力が優れていますね。
あらかじめ、乾にフィリピン語を「おまじない」として教えておいたり、偽造パスポートにGPSを仕込んでおいたり、メンバーに危機が訪れた時の準備を怠りません。

乾が意識を取り戻すと、見知らぬ部屋でZ男袴田吉彦)が見下ろしていた。
この男がトップなのかと考えた乾は、自分を幹部にしてほしいと言うが、仲間を裏切って逃げるような男は信用できないと言われる。
男たちのひとりに銃を向けられ、逃げ出した乾は廊下の先の部屋に入るが、そこにはおびただしい数の電話機やスマホ、特殊詐欺のマニュアルなどが置いてあった。
スマホの一つから二階堂に電話すると、今なら監禁の現行犯で家宅捜索できるのでそこにいるように告げられる。
するとその部屋にD子が入って来た。
捕まって逃げてきたのだと言う。
乾はD子を連れて外へ出て、自分は刑事で応援も来るから安心してひとりで逃げるように言うが、逃げられない、私はこういう生き方しかできないと逆らうD子。
乾はD子に、この先どう生きていくかは自分次第、君なら絶対やり直せると告げて、ひとり現場に戻っていった。
水上と関口がZ男を逮捕し、事件は解決したかと思われたが、二階堂は先ほどまで乾がいた部屋に入っていった。
そこには、資金の流れなどの証拠になるデータメディアが入ったアタッシュケースを持ち出そうとしているD子がいた。
組織のトップがD子であることを、二階堂は見抜いていたのだ。
素早く銃を取り出したD子に負けない速さで二階堂も銃を向ける。
乾を殺さなかったのは彼の言葉に心打たれたからでは?と言われ、D子は銃を捨てると部屋を出て運河に向かってアタッシュケースを放り投げた。
二階堂は、たまたま橋の上にたたずんでいた乾に向かって「トライ!」と叫ぶ。
元ラグビー部の乾は川に落ちていくアタッシュケースを欄干からジャンプして見事キャッチ、小船に落下した。

二階堂がD子に真剣に告げた言葉、カッコよかったですね。
乾を殺すチャンスはいくらでもあったのにそうしなかったのは、「この先どう生きていくかは自分次第だ」という言葉に心打たれたからでは?と二階堂。
「私だってグッときちゃいましたから」と言う二階堂と、犯罪グループのトップであるのにどこか純真な眼差しのD子。
銃を向け合う2人の女性の洗練された姿は、緊張感に満ちながらお互いの情感も感じられた名シーンでした。
連行されていくD子と、無言で見送る乾の場面も心に残りました。
乾はわざわざ見送るために待っていたんですよね。
視線を合わせながら何も言わない2人。
「いつから気づいてた?」と乾が二階堂に聞くと、「乾さんがディーラーを好きになったことに…ですか~?」と嬉しそうに言う二階堂。
「違え。いつから彼女がトップだって知ってた?」
二階堂は乾と喫茶店で別れたあと、D子がトクリュウの人間たちと話している様子を見てと答えました。
親の代から引き継いだというトップの座。
罪を償った後のD子が名前を取り戻して自分の人生を生きていけるといいですね。
二階堂が乾をスカウトした理由は、彼が優秀なデコイだから。
ラグビーのデコイは敵を引き付けるためにおとりとなって走りますが、乾は絶対に自分にパスが来ると信じトライを決めてやると思って走るから敵が引き寄せられる、その気迫がチームに必要だと思ったのだと話します。
二階堂はスティンガースのメンバー全員をひそかに観察して、それぞれの才能を見極めてスカウトしました。
その眼力と皆の才能を活かす戦術眼に大いに期待したいです。

1話のネタバレ感想記事はこちら↓

2話「TRUE LOVE 真実の愛」

放送日:7月29日(火)21:00~21:54

2話のあらすじ

二階堂(森川葵)は、ある事件の情報を得るため独断で身分を偽装し巧みな会話でおとり捜査を行っていた。
しかしそこに捜査一課がやってきて、せっかくのおとり捜査をぶち壊してしまう。
警視庁の会議室で二階堂は幹部らに尋問されるが、西条(玉山鉄二)がその場を収めた。
その後、西条は二階堂に『連続カップル拉致事件』に対するおとり捜査の指示を出して告げる。
「乾のこと、命をかけて愛せるか?」。
乾(藤井流星)は事件の詳細を探りに古巣の捜査一課に向かうが「今後一切、スティンガースには捜査情報を共有しない」と言われてしまう。
唯一得られた情報は、拉致された場所が「あおぞら記念公園」ということだけ。
二階堂を中心にスティンガースが調べると行方不明となった8件のうち、4組のカップルが「あおぞら記念公園」のある多摩地区に絡んでいることがわかった。
スティンガースのメンバーはカップルの変装をして事件の真相を追う。

2話のネタバレ

ミニスカートをはいた金髪の女が留置場に連れて行かれる。
放り込まれた雑居房には、桜木キンタロー。)が膝を抱えて座っていた。
桜木は病気の息子のために会社から金を盗んで捕まったのだ。
金髪の女が、金の隠し場所を教えてくれたら代わりに息子に届けてやるよと持ち掛けると、桜木は喜んで応じようとするが、その時突然警視庁捜査一課の雅楽代翔渋谷謙人)が入ってきて「何馬鹿なことやってんだ」と女を連れて行く。
金髪の女はスティンガースの室長・二階堂民子森川葵)がおとり捜査のために変装した姿だった。

一見、本筋とは無関係のエピソードです。
二階堂は病気の息子のために金を使い込んだ桜木に「しょうがねえよ、子ども守るためならたとえそれが犯罪であろうとなんだってする、母親ってのはそういうもんさ」と言いました。
実はこの言葉は、2話の事件の真相と表裏一体になっているんですね。
二階堂は雅楽代に連れて行かれた後、警視庁の幹部たちに、おとり捜査のために留置場に入るなんてと叱責されてしまいます。
冒頭、スティンガースが様々なおとり捜査を行っていること、幹部や捜査一課はスティンガースのやり方が気に入らないことがテンポ良く描かれ、その中で今回のテーマをしっかり提示して巧みな導入でした。

警察庁審議官・西条巧玉山鉄二)は幹部たちに謝りその場を収めた後、二階堂に「連続カップル拉致事件」についてスティンガースで捜査するよう指示する。
8組のカップルが次々と何者かに拉致監禁され、その中の一人、蓮田海斗山崎竜太郎)が逃げ出してきた先で衰弱して動けなくなっていたという。
乾信吾藤井流星)は古巣の捜査一課に情報を聞きに行くが、捜査一課長・石嶺誠太水橋研二)から「おとり捜査室には今後一切捜査情報を共有しないことになった」と告げられてしまう。
乾が後輩から得た唯一の情報は、拉致された場所が「あおぞら記念公園」だということ。
二階堂の指示で、スティンガースのメンバー6名は3組のカップルに偽装して捜査することに。
水上涼介本郷奏多)と森園はな志田彩良)、小山内誠井内悠陽)と関口欣二郎(杉本哲太)、そして二階堂と乾という組み合わせだ。
まずはあおぞら記念公園で3組それぞれが捜査を始めるが、コスプレイベント狙いで学園アニメのコスプレをした小山内と関口はでカメラをたくさん向けられ調子に乗ってポーズを取ったところで池に落ちてしまう。

3組のカップルはそれぞれ可愛くて見応えありましたが、このあおぞら記念公園の捜査では特に収穫は得られず、単に女子高生コスの小山内&男子高校生コスの関口ペアが水に落ちてしまったというだけで終わりました。
しかし、実はここにも伏線が。
関口が身に着けていたGPSが水に濡れて使えなくなってしまったというエピソードが、この後の展開のポイントになります。

スティンガースは入院中の被害者、蓮田から直接話を聞くことに。
病室の前で見張っている捜査一課の捜査を関口と水上が医師の恰好で呼び出して時間を稼いでいる間に、二階堂、乾、小山内が病室に入って拉致された状況を聞く。
あおぞら記念公園の駐車場で、蓮田と彼女はがたいの良い男にトラックに荷物を運ぶのを手伝ってほしいと声をかけられ荷台の中でスタンガンで襲われて拉致され山奥の古いホテルのようなところに監禁されたという。
他にもカップルがいて、犯人はその人たちのことも殺すと話していた。
隙を見て逃げ出して助けを呼ぼうと思ったが、いくら走っても民家が無くそのまま気を失って保護されたと話す蓮田。
小山内は蓮田が「ハッスル・ラブチャンネル」を配信しているカップルYouTuberであることに気づいた。
自分がYouTuberであることは捜査一課の刑事には話していないと言う。
蓮田がカップルが集まるイベントで配信することもあると聞いた二階堂は、その後の調べで被害に遭ったカップルの中でカップルYouTuberが3組もいることを知る。
二階堂たちは、月1回開催されているカップルYouTuberのパーティに潜入することに。

小山内が、蓮田がカップルYouTuberであることに気づいたことが事件の大きなカギになりましたね。
二階堂たちが蓮田の話を聞くために、関口と水上が医師のふりをして見張りの捜査員を病室前から移動させ時間稼ぎをしましたが、すぐに捜査一課の雅楽代がやって来てしまいました。
雅楽代が病室に入ると中には誰もいず、開いた窓のカーテンが揺れるばかり。
慌てた雅楽代が廊下に出ると隣の病室から医師の3人が出て行くのが見えました。
この3人の医師は二階堂、乾、小山内の変装。
でも、実は捜査員が病室前からいなくなった時に、事務員の恰好をした森園が「立入厳禁」の張り紙と捜査員のパイプ椅子を隣の病室に移していたんですね。
二階堂たちとすれ違う森園の後ろ姿が見えました。
つまり、雅楽代が入っていったのは352号室、蓮田の病室は353号室だったのです。
最後に森園が張り紙と椅子を353号室に元通りに移して、無事この場の任務は終了しました。

高尾山中で男女3人の遺体が発見された。
現場で乾が捜査一課の捜査員たちを引き付けているあいだに、鑑識に化けた二階堂が遺体を調べる。
他の鑑識官から3人とも首に圧迫痕はあるが、胸に刺し傷が3~4か所あり、死因は窒息ではなく出血性ショックだと思うと教えられた。
二階堂が胸の傷を確かめると、案外浅い傷であることがわかる。
あおぞら記念公園と同じペアでパーティ会場に乗り込む6人。
ペアの片方にだけGPSを付け、万が一に備えた。
華やかな二階堂&乾ペアは会場内でも目を引き、インタビューされる。
二階堂は「けんかチャンネル」を配信しているとアピールして乾に攻撃を仕掛けるが、乾が本気で腹を立てて二階堂にアイスペールの水を浴びせてしまった。
水上は会場の隅にいる清掃員・ヒロシ時任勇気)の様子に不審なものを感じ写真を撮る。
パウダールームで濡れた髪を整え身支度を終えた二階堂が外に出た時、不意にヒロシがやって来た。
「男に連絡しろ」と命令され、乾に裏口へ来るように電話した直後、二階堂はスタンガンで襲われてしまった。
乾が裏口に停められたトラックの荷台を調べていると、ヒロシにスタンガンを押し付けられ気を失う。
乾が意識を取り戻すと荷台には二階堂もいた。
二階堂は腰にゴムゴムパッドを巻いていたので無事だったが、気を失ったふりをしていただけだった。
しかし乾が水をかけたせいでGPSは故障してしまい、他のメンバーは二階堂と乾の居場所がわからない。
水上がヒロシの画像をもとに犯罪歴を調べると過去に傷害事件を起こしていることがわかり、彼の家に行くことに。
2人はヒロシに廃墟になったホテルへ連れて行かれ監禁される。
ヒロシは極限状態に置かれたカップルを見るのが好きで、監禁している部屋を動画で撮って編集し配信するのだと言う。
さらに、明日の日の出にどちらかを処刑するからどちらにするか自分たちで話し合って決めろと告げた。
二階堂は隠し持っていた道具で乾の手錠を外して、カメラから見えないように彼を高窓から逃がす。

おとりの乾と攻める二階堂のコンビ、遺体現場でもパーティ会場でも良い感じに機能していますね。
突然ビンタされたりキスされたり、乾は翻弄されっぱなしです。
二階堂の破天荒な行動に怒ったり驚いたりその都度ストレートに反応しますが、乾のその素直さがスティンガースのおとり捜査に必要なのでしょう。
でも二階堂のGPSを壊すのはいけません。
おかげで“ガチの拉致”になってしまいました。
猟奇的な犯人によって監禁され、翌朝にはどちらかが処刑されるという絶体絶命の危機。
二階堂はスタンガンに襲われることを想定して腰にFBI御用達のゴムゴムパッドを仕込んだり、手錠を外す道具を隠し持ったり、流石に用意周到ですね。
どちらが処刑されるかを話し合って決めろというヒロシ。
極限状態の中で“本当の愛”が試されるのだと言います。
“本当の愛”。
監禁場所からひとり抜け出した乾は果たして二階堂を助けることができるのでしょうか。

水上、森園、小山内、関口は扮装したままの恰好でヒロシの家へ。
母親(宮田早苗)は驚くがヒロシの部屋に通してくれた。
パソコンの画面に、全国廃墟探索のページが。
脱出に成功した乾は山の中を走り続けるが民家はどこにもない。
しかしさらに走り続けるとやがて商店が見えてきて、そこに公衆電話があった。
乾が関口に電話して商店の名前を告げると、水上は乾が説明した条件で検索して二階堂が監禁されている場所を特定する。
二階堂は乾と2人で会話している演技をずっとしていたが、やがてヒロシが部屋にやってきた。
一人芝居がバレた二階堂は、彼は私を愛しているから戻ってきますと告げるが、ヒロシは戻ってくるわけがないと否定した。
二階堂の首をヒロシが力をこめて締めていると、乾が飛び込んでタックルする。
乾が現行犯逮捕すると叫んだ時、後ろから何者かが乾の腰をナイフで刺した。
ヒロシの母親だった。

彼が戻ってくるわけがない、愛だって?笑わせるなと言うヒロシ。
「愛を信じられないなんてかわいそうな人ですね」と二階堂は言います。
さらに、「ペラペラしゃべって引き延ばしても無駄だ」とヒロシは言いますが、二階堂は「シンゴちゃんを待つために引き延ばしているのではなくて」と答えます。
では二階堂は何を待っていたのでしょうか。
彼女が待っていたのはヒロシの母親でした。
「連続カップル拉致事件」の被害者の遺体からわかったことが二つありました。
首を絞める力は軟骨が砕けるぐらい強い、しかし致命傷になった刺し傷は弱い力なので何回も刺している、つまり別々の人間の犯行なのでは、と二階堂は推理したのです。
ヒロシ以外にもう一人本当の殺人者がいることを見抜いていたんですね。
自分の夫への恨みとカップルへの妬みから、息子を巻き込んで殺人を繰り返していた犯人には同情できません。
冒頭の桜木とは全く異なる母親像でした。
今回もスティンガースのメンバーそれぞれの活躍が見られて見応えある話でしたが、一つ心に引っかかることがあります。
結果として乾が刺された傷の深さや凶器が真犯人の証拠になったわけですが、二階堂はまさか乾が刺されるのを待っていた…?
「そんなわけないじゃないですか」
底知れない人物ですね、二階堂民子。

2話のネタバレ感想記事はこちら

3話「STING ダマし合い」

放送日:8月5日(火)21:00~21:54

3話のあらすじ

おとり捜査の一環で二階堂(森川葵)たちスティンガースのメンバーがバーで飲んでいた時、屈強な体つきの店長に「一瞬で消してやるからな」とすごまれた。
スティンガースルームに集まったメンバーはその件で話し合う。
水上(本郷奏多)は、金さえ積めば誰でも一瞬で消すという殺し屋「シェンロウ」のことを言っていたのではないかと予想するが、乾(藤井流星)はくだらない都市伝説だと一蹴する。
そこに西条(玉山鉄二)がやって来て「何としてもこの騙し合いに勝ってもらいたい」、と次の指令を出した。
相手は投資詐欺グループ。
「仁井谷グループ巨額投資詐欺事件」は、架空の投資話を富裕層に持ちかけ大金を集めては蒸発し名前を変えて詐欺を繰り返している事件だ。
投資にはもともとリスクがあるので本当に騙す意図があったか立証するのが難しい。
しかし西条は相手の懐に入り込むおとり捜査なら核心に迫れると判断した。
ヴィンテージワインの投資セミナーに、関口(杉本哲太)が富裕層役、森園(志田彩良)が秘書役となり、二階堂とともに参加。
騙しのプロ、詐欺グループを相手に、おとりのプロ、スティンガースが立ち向かう!

3話のネタバレ

二階堂民子森川葵)、乾信吾藤井流星)、水上涼介本郷奏多)、森園はな志田彩良)、小山内誠井内悠陽)、関口欣二郎杉本哲太)がバーで飲んでいると、屈強な体つきのマスター・村本田中美央)が法外な額の会計を要求してきた。
「逃げたらお前ら皆殺し。一瞬で消してやるからな」とすごまれたが、二階堂たちはその様子を録画していて警察手帳を出す。
おとり捜査の一環だったのだ。
その後、スティンガースルームで元公安の水上は、マスターが言っていたのは金さえ積めばヤクザだろうが警察だろうが一瞬で消すという殺し屋、“早撃ちのシュンロウ”のことなのではと話す。
乾は都市伝説だと一蹴するが、二階堂は「シュンロウって蜃気楼のことでしょう」と何かを知っている様子。
そこへ警察庁審議官・西条巧玉山鉄二)がわざわざスティンガースルームへやって来た。
次の指令は、投資詐欺を繰り返し行っている仁井谷グループを検挙すること。
仁井谷グループは架空の投資話を富裕層に持ちかけ大金を集めては蒸発し名前を変えて詐欺を繰り返していた。
投資にはもともとリスクがあるので本当に騙す意図があったか立証するのが難しいのだが、西条は相手の懐に入り込むおとり捜査なら核心に迫れると判断したのだった。

3話はスティンガースのメンバーがバーで楽しく飲んでいるシーンから始まり、新鮮でした。
しかしこれはぼったくりをしている店へのおとり捜査だったんですね。
2話もそうでしたが、一見無関係のような導入部に実は重要なピースが含まれています。
今回のメインの事件はとりわけ難しい案件のようで、西条審議官自らスティンガースルームにやって来て説明しました。
投資にはリスクが付き物で運用に失敗したと言われたらそれ以上は追求できない、そこでスティンガースに詐欺グループの懐に入るおとり捜査をしてほしいということでした。
西条審議官の外連味たっぷりのユーモラスな話し方には頼もしさを感じますね。
指令を受けた室長の二階堂も余裕の笑みで、なんだか楽しそうです。
さあ、スティンガースはどんな作戦で仁井谷グループに迫っていくのでしょうか。

仁井谷グループが行っているヴィンテージワインの投資セミナーに、二階堂と関口が富裕層役で、関口の秘書役で森園が参加することに。
豪奢な会場に、仁井谷グループの代表・仁井谷駿介波岡一喜)が、資金管理を担当する阿南未玖大野いと)、戦略担当の磯部和輝凜大)を従えて登場した。
世界でも希少なヴィンテージワインであるクリムスキー・プラメンの説明、世界的なソムリエと中継を繋いでインタビュー、さらにはクリムスキー・プラメンの試飲と、次々繰り広げる仁井谷の仕掛けに投資家たちのボルテージが上がっていく。
仁井谷は1本3,500万円の値がついているワインが来年には5億円にもなると言い、1口100万円で投資を募ると、投資家たちは次々1口、2口と申し込んでいく。
二階堂は5口申し込んだ。
スティンガースルームで、二階堂は仁井谷のだましのテクニックを解説する。
DAPL(ダップル)
D→ディティール(詳細な設定)
A→オーソライズ(権威づけ)
P→プライド(自尊心をくすぐる)
L→リミット(時間に制限をかける)
リアリティのある設定で説得力を持たせているが鑑定書は偽物、世界的なソムリエへのインタビューは過去の映像を利用、貴重なワインを試飲させ価値がわかる自分だからこそ選ばれたという自尊心をくすぐり、そして期限が迫る中で周りの皆がどんどん手を挙げていくので自分もと焦る心理を利用。
手を挙げていた投資家たちはサクラだったし、二階堂がひそかにスポイトで採取したワインには香りや渋みを豊かにするためにフェノール化合物とコーヒーを加えられていたことがわかった。
これだけ証拠があっても、自分たちも仲介業者にだまされていたと言い逃れされる可能性があり逮捕できない。
二階堂は、仁井谷のオフィスの代表室に隠しカメラをしかけるがすぐにバレてしまう。

洗練された麗人といった風情の二階堂、ドレス姿が華やかでしたね。
盛装した関口も素敵でした。
関口のサポート役の森園は、何かと関口に対して厳しいですがいろいろと頼りになります。
しかし、今回の相手の仁井谷は強敵です。
これまで散々人をだましてきただけあって非常に疑り深いですし、勘も鋭いです。
二階堂がオフィスに乗り込んで仁井谷のIDケースからセキュリティカードを抜き取る手口は鮮やかでしたが、隙をみて代表室に入ろうとする寸前で仁井谷は戻って来てしまいました。
届けられた本田翼のポスターに仕込まれたピンホールカメラに即座に気づくところも流石で、あなどれません。
隠しカメラで証拠を押さえることに失敗してしまったスティンガースの、次なる手は?

西条は、スティンガースが仁井谷グループに投資詐欺を仕掛けるのはどうだろうと二階堂に持ち掛ける。
仁井谷たちが投資家たちから集めた金を使い込み運用する気がなかったことを証明できれば、詐欺罪の立証は難しくても金融商品取引法違反で逮捕できると考えたのだ。
二階堂たちは仁井谷にインド映画に投資させる作戦を立てる。
プロジェクトを統括する代理人役の乾、日本とインドを繋ぐ文化庁職員役の水上、製作プロダクションのマネージャー役の小山内。
3人は仁井谷のオフィスを訪れて「日印合作映画プロジェクト」という企画を持ち込み、2027年に公開される日本とインド合作映画を製作するインド映画会社を一緒に買収しようと話した。
20億円の出資をしてもらえば未公開株を渡す、上場後にその株は1,000億円の価値になる、なぜならこの作品は大ヒットが約束されているからと持ち掛けるが、仁井谷はなかなか乗り気にならない。
インドの文化大使役に二階堂がスカウトしたアリシュラジャ・サハニ)を仕込んだり、関口を映画監督役にして撮影現場を見せたりして、なんとか仁井谷をその気にさせようとする。
仁井谷がもう一度撮影現場を見たいというので仕方なく案内しようとすると、そこへ“もうひとりの投資者候補”財前を演じる二階堂が、自分のほうが先に話を聞いていたのにと乱入してきた。
ライバルの出現により、仁井谷は自分が契約すると告げる。
しかし、契約場所に指定されたのは廃墟のようなビルの中。
乾、水上、小山内が入るとシャッターが閉められた。
仁井谷は、ヴィンテージワインの契約に来た女性と財前が同一人物であることを見抜いていたのだ。
「あなたたち、仲間ですよね」
外に車を停めていた二階堂、森園、関口も部下たちによって中に連れてこられる。
正体を聞かれた乾たちは警察だと告げるが、そこへ突然シュンロウが現れた。
仁井谷に依頼されたシュンロウは、二階堂の胸を撃つ。
倒れる二階堂、広がる血だまり。
シュンロウは、他の人間たちも消せばよいのかと仁井谷に尋ね、その目的を問う。
仁井谷は投資詐欺の邪魔だからと答えた。
投資家たちに金を返す気はないと仁井谷が言った途端、会話を全て録音していた二階堂が立ち上がった。
シュンロウに扮した西条も警察手帳を見せる。
仁井谷たちは、暴行の現行犯並びに詐欺罪で逮捕された。

「当たり前の正義だけじゃ巨悪は討てな~い」
西条審議官は、時々おどけた言い方をして和ませてくれます。
彼は全責任を自分が負った上で、おとり捜査の可能性を広げていこうとしているんですよね。
二階堂たちの活躍に大いに期待しているのでしょう。
西条も二階堂もいつもにこやかでやわらかな印象ですが、被害者を増やさないために絶対に悪人たちを捕まえるという強い想いがあることを感じさせてくれます。
さて、次なる作戦はインド映画への投資で仁井谷たちを逆にだまそうとする作戦。
スティンガースのメンバー総動員どころか、インドの文化大使まで街でスカウトしてキャスティング。
文化大使と水上の会話が仁井谷たちに聞かれることを想定してちゃんとしたセリフを言わせていたのも流石でした。
最後は西条の特別出演で鮮やかな幕切れでしたね。
西条に殺し屋役を頼んだのは二階堂ですが、それを他のメンバーに知らせてなかったことでリアルな緊張感あふれる場面になりました。
シュンロウの電話番号(実は西条の電話番号)を仁井谷が知ることになったのも二階堂の仕掛けでしたね。
仁井谷たちがインドの文化大使に連れて行かれたバーは、冒頭のぼったくりの店で、シュンロウの呼び方を教えたのはマスター・村岡。
二階堂がシュンロウの噂を利用して仕組んだのでした。
バーの下は文化大使役のアリシュのカレーのお店だったんですね。
二階堂が周囲の人物を最大限に活用しているのも素晴らしい。
西条と二階堂、この2人やはりおとり捜査を楽しんでいるみたいですね。

3話のネタバレ感想記事はこちら↓

4話「FATHER 父親」

放送日:8月12日(火)21:00~21:54

4話のあらすじ

マッサージ店でマッサージを受けていた関口(杉本哲太)が裏オプションの“極楽スペシャル”をオーダーすると、店員からあるモノを渡された。
一方、警視庁特別捜査本部では、捜査一課による『沢村佳恋ちゃん身代金目的誘拐事件』の緊急捜査会議が開かれており、二階堂(森川葵)と西条(玉山鉄二)も参加していた。
捜査一課から、おとり捜査の協力要請が入ったのだ。
二階堂はスティンガースルームにメンバーを集め、事件の概要を説明する。
化粧品会社社長・沢村広海(星野真里)の長女・佳恋が何者かに誘拐され、身代金8000万円を要求する電話があった。
犯人は身代金の受け渡しに広海の息子・大毅(木村優来)を指名してきたが、子ども一人で行かせるわけにはいかない。
広海は夫と七年前に離婚していて連絡が取れなかった。
二階堂は「子どもが大の苦手」だという水上(本郷奏多)に大毅の父親を装って護衛するように告げる。
二階堂と水上は捜査一課ととともに沢村邸に向かった。
どことなく水上と雰囲気が似ている大毅を見て二階堂は「いいですねえ」と微笑むが、水上は不安しかない。
果たして二階堂の狙いとは何か。

4話のネタバレ

警視庁特別捜査本部では、捜査一課による「沢村佳恋ちゃん身代金目的誘拐事件」の緊急捜査会議が開かれていた。
捜査一課からおとり捜査の協力要請があり、スティンガース室長・二階堂民子森川葵)と警察庁審議官・西条巧玉山鉄二)は捜査会議に参加する。
その頃、関口欣二郎杉本哲太)、乾信吾藤井流星)、水上涼介本郷奏多)、森園はな志田彩良)、小山内誠井内悠陽)はマッサージ店に潜入して覚せい剤取締法違反の犯人検挙に成功していた。
二階堂は、スティンガースルームに戻って来たメンバーに誘拐事件の概要を説明する。
化粧品会社社長・沢村広海星野真里)の長女・佳恋三好なこ)が何者かに誘拐され、身代金8000万円を要求する電話があった。
犯人は身代金の受け渡しに広海の息子・大毅木村優来)を指名してきたが、警察としては子ども一人で行かせるわけにはいかない。
大毅は父親についてきてほしいと言うのだが、両親は七年前に離婚していて父親とは連絡が取れなかった。
二階堂は水上に大毅の父親に扮して護衛するように告げ、2人で捜査一課ととともに沢村邸に向かう。
大毅に会ってみると水上と雰囲気がよく似ていて、父親役に抜擢したことが正解だったと満足げな二階堂。
しかし子どもが大の苦手である水上は不安しかなかった。

冒頭で、マッサージ店に潜入する関口とフォローするメンバーたちの姿がユーモラスに描かれました。
捜査会議に参加していた二階堂抜きで犯人逮捕できたわけですが、本筋の誘拐事件でも実際に動いたのは二階堂以外のメンバーというところが、これまでのエピソードとは異なります。
それだけ二階堂とメンバーの信頼関係ができ、またチームとして機能しているということなのでしょう。
さて、スティンガースルームに戻って来たメンバーに、二階堂は「沢村佳恋ちゃん身代金目的誘拐事件」について説明します。
令和の現代、身代金目的の誘拐は珍しいのではと二階堂は西条に言っていましたね。
確かに西条が言うように今は逆探知の機能も優れているし、防犯カメラが街中にあるので、犯人にとってはリスクしかありません。
この二階堂の違和感は、事件を解く一つのカギになります。
犯人は身代金の受け渡しを広海の息子・大毅にさせるように指示してきました。
小学生にそんな重大な役回りをさせるなんて、どんな意図があるのでしょうか。
大毅は父親が一緒に来てくれるのならやると言いますが、その父親は母親の広海と離婚した後連絡が取れないと言います。
ところで、二階堂は何故水上を父親役に指名したのでしょうか。
あらかじめ大毅の顔を画像で見ていたから、なんとなく雰囲気が似ている水上を抜擢したという予想はできますね。
水上はいかにも子どもが苦手そうですし本人も不安しかないと言っていますが、果たして親子のふりがうまくできるでしょうか。

二階堂と水上は、広海と秘書の須藤一馬(大場泰正)から挨拶され、運転手の足立千島和也)と家政婦の真野栄子堀田ヤスヨ)を紹介される。
犯人から要求された8,000万円は贋札を用意することになった。
広海は現金を用意できると言うが、捜査一課の雅楽代翔渋谷謙人)が言うには、身代金が犯人の手に渡ってしまうとかえって人質に危険が及ぶ可能性が高くなるという。
大毅に水上が一緒に付いて行くと話すと、本当のおとうさんがいい!と叫び、水上はますます自信がなくなる。

水上はぎこちないながらもなんとか大毅と仲良くなろうとするんですよね。
でも大毅は不機嫌に「早くお父さん呼んでよ!」と言うばかり。
水上が秘書の須藤、運転手の足立、家政婦の真野にどうしても父親は呼べないのかと尋ねると、広海は別れて時間も経っているので連絡したくないみたいだと言います。
どうやら離婚の時にずいぶんこじれていたようですね。
二階堂が大毅の父親の写真を見せてほしいと頼むと、須藤が自分のスマホの画像を見せてくれました。
やはり水上とよく似ているようですね。
でも、大毅は本当のおとうさんが来てほしいのです。
その気持ちもわかるので、水上は辛い役回りですね。
ところで、足立が話の途中で時計を見て出かけて行きますが、二階堂はそれを目で追っています。
さらに、須藤のスマホを見せてもらった時どこからか通知が届いて二階堂は思わずタップしてしまいました。
(いや、“思わず”ではなく意図的ですよね。二階堂ですもの)

14時15分、犯人から電話が入り広海が出る。
犯人は8,000万円用意できたことを確かめると、“15時15分平和島モールの駐車場Kの9番に子どもに金を持たせて来い”と指示。
水上は車に大毅を乗せて平和島モールの駐車場へ向かう。
捜査一課の雅楽代たちやスティンガースの二階堂たちも近くで待機。
水上は大毅にイヤホンと8,000万円の入ったジェラルミンケースを渡すと、彼がKの9番に向かうのを見守った。
Kの9番には封筒が貼ってあり、水上の指示で大毅が中を確かめると、
“おくじょうの消火栓8番にカネをもってこい”という指令が入っていた。
水上と大毅は屋上に上り、大毅ひとりで消火栓8番に向かう。
すると上空に無線へり(ラジオコントロールのヘリコプター)が現れ、ロープが下ろされた。
大毅はロープにケースの持ち手を結び付けるが、ヘリが吊り上げると結び目がほどけてケースが落ちて開いてしまい、中の贋札が飛び出す。
あわてて拾い集める水上。
その後「金を拾ってたのは誰だ」と犯人から電話が入り、広海は「大毅の父親です」と答える。
西条は警視庁幹部たちに「スティンガースを便利使いするのはやめて頂きたい」と言い、犯人に水上が父親と認知され犯人との受け渡しに立ち会えるのだから、ここからは二階堂民子に捜査の指揮を執らせるときっぱり告げる。
一方、水上と二階堂は、やはり本当の父親に連絡を取ったほうが良いのではと広海に話すが、広海は実は元夫は昨年病死していて、それを子どもたちや秘書たちに伝えることができなかったのだと打ち明けた。
須藤もそれを聞いて驚く。

大毅は小学校6年生で、反抗的な態度や生意気な言葉などは幼いのですが、犯人の指示には素直に従って動きますし、たったひとりで身代金を運ばなければならないのにおびえたりすくんだりする様子が見られません。
勇敢で妹思いなおにいちゃん、なのでしょうか。
でも、仲の良い兄妹のはずなのに、妹を心配する様子があまり見られません。
広海が元夫が亡くなっていたことを子どもたちや秘書たちに話せなかったのはどうしてでしょう。
離婚後は何もかもひとりで抱え込んできた広海は、元夫の死を話すことで糸が切れてしまうように思ったのかもしれません。
いや、子どもたちに悲しい想いをさせるのが辛いというのがきっと一番だったのでしょうね。
さて、最初の受け渡しは失敗しましたが、以降は二階堂が指揮を執ることになりました。
いよいよスティンガースの力が発揮できますね。

捜査一課では次の身代金も贋札でという意向だが二階堂と水上がそれは危険ではないかと話すと、広海も本物にしましょうと答え、須藤が金庫に向かう。
その後、水上はひとりで子ども部屋の本棚を見つめていた。
そこへ二階堂が様子を見に来たが、水上は無言で頭を下げ部屋を出て行く。
犯人からの次の指示は、15時にプロムナード公園の滝の広場のオブジェに子どもに金を持たせて来いというものだった。
広海の願いに応じて、初めて佳恋の声を聞かせてもらうことができた。
二階堂と乾は沢村邸に残り、森園、小山内、関口は水上のサポートをすることに。
水上と大毅がプロムナード公園へ向かう。
オブジェに貼られた封筒の中には“PM3時15分、東門の公衆電話を取れ”という指示が。
かかってきた電話では“午後4時20分、北品川の高速バスターミナル待合所に来い”と。
待合所で、もう帰りたいと言い出す大毅を水上は「佳恋ちゃんを助けないと」と励ました。
2人で好きな漫画「アルフレッドの洞窟」の話をしていると、総合案内から呼び出しのアナウンスがあり大毅は封筒を受け取る。
中を確かめた水上は、さりげなくそばを歩く小山内に“16時35分発の大阪行きバス”に乗ることを伝えた。
スティンガースの小山内、森園、関口、そして捜査一課の雅楽代たちもすぐに大阪行きのバスを追うことに。
だが、途中の鮎川サービスエリアに入った高速バスの中に大毅と水上はいなかった。
ターミナル待合所で受け取った封筒の中には、“PM6時に鬼下山の鬼首停留所 警察をまいて一人で来い”という指示があったため、水上は身代金が入ったケースに貼ったGPSを大阪行きバスの乗客の荷物に張り付けたのだった。
鬼首停留所には赤い風船がくくりつけられ“割れ”という指示が。
風船を割るとその中の紙に“トンネルの向こうまで一人で金を持って来い”と書かれていた。
ケースを持ってトンネルに向かう大毅を水上が呼び止める。
水上は、大毅の部屋の本棚から持ってきた「少年探偵コバヤカワ!」の3巻を見せる。
“屋上に来る無線ヘリ”も“高速バスに乗ったと見せかけて田舎のバス停に来ること”も“トンネルの向こうに身代金を隠して後で仲間が取りに来ること”も、全てこのマンガのストーリーからもらったヒントだった。
水上はいたずらで済む話ではないと、厳しく叱責する。
大毅は、妹の誘拐事件を起こせばおとうさんに会えると思ったのだ。
だが、願いはかなわなかった。
自分が身代金を運ぶことになっても父を呼んでくれなかった母を責める大毅。
水上は、静かに大毅の父が去年亡くなったことを告げる。
そして、広海がどんなに大毅と佳恋を大切に思っているのかを優しく伝えるのだった。
水上は二階堂に大毅の計画を報告するが、二階堂は大毅にトンネルの向こうまで身代金を運ぶように伝えてほしいと言う。
佳恋は真野の自宅で無事発見された。
広海は帰って来た大毅を強く抱きしめる。
大毅が考えた狂言誘拐を手伝ったのは、須藤、足立、真野だった。
電話をかけていたのは足立だったのだ。
だが、この事件にはさらなる真実があった。
深夜、こっそりトンネルの向こうに隠されたケースから贋札を取り出して燃やす人物がいる。
須藤だった。
スポーツ賭博で金庫の金を8,000万円使い込んでいた須藤は、大毅の計画を利用して、2回目も本物の金ではなく贋札をジェラルミンケースに入れ、8,000万円が消えてしまったことにしようとしたのだった。

プロムナード公園へ続く道を、水上は親子らしく手を繋いで歩こうとしますが拒否する大毅。
でも大毅の前に飛び出してきた自転車から水上が守ってくれてから、少し心がほどけたようで自分から手を繋ぎます。
大毅はオブジェに貼られた封筒を取ろうとしますが風に飛ばされてしまい、それを見事にキャッチするのはジョギング中の女性に扮した森園。
次の指示は、公衆電話に電話がかかってくるということですが、乾の言うように古典的なやり口ですね。
犯人はまるで誘拐ごっこをしているような感じです。
二階堂はいつからこの事件の違和感に気づいていたのでしょうか。
捜査を始めた早々から、須藤、足立、真野の様子に着目していたように思います。
須藤のスマホに届いた通知や「少年探偵コバヤカワ!」の3巻がないこともヒントに、事件の全貌を推理していたのでしょう。
そして、水上も早くからこの狂言に気がついていました。
マンガに詳しい水上は、大毅の計画が「少年探偵コバヤカワ!」のストーリーによく似ていることがわかったのですね。
普段はクールな水上が、大毅を真剣に叱るシーンは鮮烈でした。
「なんでこんなことした!」
そして、大毅が父親に会いたいがために起こした事件だったことを知ります。
自分と妹が大事ならおとうさんを呼んでくれるはずなのにと母を恨む大毅に、温かく寄り添う水上。
厳しさと温かな包容力、これまで見たことのない水上刑事の姿でした。
バス停のベンチに座る2人を包む夕景、緑濃き木々に囲まれたトンネルも郷愁を誘い、絵画のような景色でした。
さて、事件は無事解決したかと思われましたが、二階堂は「漫画の続きを最後まで見たい」と言い、本人の計画通り大毅にトンネルの向こうまで身代金を運ばせました。
それは須藤の悪事を暴くためです。
二階堂は、須藤が深夜贋札を燃やしているところにやってきました。
須藤のスマホの通知を見た時から、彼を疑っていたんですね。
二階堂の流石の洞察力と、水上の新たな一面が見られた4話でした。

4話のネタバレ感想記事はこちら↓

5話「GOD BLESS YOU 神のご加護を」

放送日:8月19日(火)21:00~21:54

5話のあらすじ

今回スティンガースが立ち向かう事件は「宗教団体『幸せの果実』信者連続行方不明事案」。
『幸せの果実』というのは若者を中心に5000人以上の信者がいる新興宗教である。
若い男女のリーダー4人が集団指導体制を採っていて、自然と共生し人間本来の生き方を取り戻すことを教義としているという。
信者の一部は教団が所有する農園で自給自足の集団生活を送っているが、その農園で信者が行方不明になっていて、信者の家族からの相談がここ一年で急増している。
二階堂(森川葵)の説明を聞き、乾(藤井流星)がこれが事件なのかという疑問を投げかけると、西条(玉山鉄二)は、事件が起こってから動く通常捜査と違ってまだ疑惑の域を出ていない段階で動けるのがおとり捜査の強みだと答える。
信者行方不明事件を解決するため、スティンガースのメンバーが謎の宗教団体に潜入を開始する。

5話のネタバレ

中世ヨーロッパのコスプレをしたスティンガースのメンバー、二階堂民子森川葵)、乾信吾藤井流星)、水上涼介本郷奏多)、森園はな志田彩良)、小山内誠井内悠陽)、関口欣二郎杉本哲太)は、逃げる男(尾形貴弘)を無事確保した。
皆が警視庁のスティンガースルームへ戻ってくると、二階堂は新たな事件の説明をする。
宗教団体「幸せの果実」の信者が次々と行方不明になっていて家族からの相談が増えているという。
「幸せの果実」とは、若者を中心に5000人以上の信者がいる新興宗教で、自然と共生し人間本来の生き方を取り戻すことを教義とし、信者の一部は教団が所有する農園で自給自足の集団生活をしている。
その農園で姿を消してしまった信者が何人もいて家族とも連絡が取れなくなっているというのだ。
警察庁審議官・西条巧玉山鉄二)は、事件が起こってからではなく疑惑の段階で動けるのがおとり捜査の強みだと言う。
スティンガースのメンバーは、真相を探るため教団の施設に潜入することに。

5話は、スティンガースのメンバーが豪華なコスプレの衣装で街を走るシーンで幕を開けました。
おとり捜査もすっかり板についてきた彼らが、今回立ち向かうのは新興宗教団体。
信者たちが自給自足で集団生活をしている施設に潜入して、行方不明者の謎に迫ります。
ポップなテイストながら、非常に攻めたテーマを描くドラマですね。
今回は宗教施設で何人も信者が行方不明になっているというグレーな案件ですが、西条審議官が言う通り、事件が明らかになる前に隠れた犯罪の証拠をつかんで解決できるのがおとり捜査の強み。
メンバーが新興宗教「幸せの果実」の施設へ潜入するために、まずはメンバーたちが自ら勧誘されに出かけます。

乾、水上、関口、小山内、森園はそれぞれ勧誘されるために信者に近づくが、セミナーに誘われたのは乾、小山内、森園の3人だった。
そしてその中で一泊二日の「恵み農園」体験入園に参加が許されたのは森園ひとり。
「恵み農園」では信者が野菜を育てながら40人くらいが共同生活をしていて、参加希望者は多いのだが全員受け入れるのは難しく、心のきれいな人を選んでいるという。
森園は同室の楠木恵里奈(島崎遥香)からいろいろな話を聞く一方で、ひとりで園内を回り施設や畑の位置などを記録した。
「恵み農園」に3か月前から来ているという楠木によると、月に一度「神奉式」で選ばれた信者が次のステージに上がるので、「急に人がいなくなる」という噂はそのことではないかという。
一方、元公安の水上は、かつての同僚たちから「幸せの果実」に人身売買の噂があることを聞き出した。
海外のブローカーに臓器売買のため信者を売り渡しているというのだ。
スティンガースルームに戻って来た森園は園での時間が楽しかった様子で、「いつでもまた来てね」と誘われたと話す。
園の全体図をモニターに映してもらって説明をする森園に水上が人身売買の話をするが、森園は園での生活は健全で自主性を重んじてくれていると反発する。
水上が、全体図の中の「貯蔵庫」に着目した。
肥料や収穫物を置いてあるということだが、一か所だけ離れた場所にあるのだ。
二階堂は、「次のステージ」について詳しく調べてくるよう森園に告げる。

森園はセミナーで、幼い頃引っ込み思案だったけれど児童劇団に入って自分の殻を破ることができたという話をして、信者の農園の体験に参加できることになりました。
心のきれいな人が選ばれて参加できるということで森園はなんだか嬉しそうですし、農園の雰囲気も気に入ったようですね。
水上はかつての同僚である公安一課の刑事たちと麻雀をしながら「幸せの果実」について聞き出します。
天下のスティンガース様には教えられないと渋るのをわざと当たり牌をふって情報を教えてもらいました。
水上は公安の情報から、「幸せの果実」は臓器売買の海外ブローカーに信者を売り渡している疑いがあり、若くて健康的な身体が高値で売られることから農作業や野菜中心の食生活を送らせているのではと話しますが、森園は真っ向から反発しました。
どうやらすっかり「恵み農園」の雰囲気に取り込まれてしまった様子。
さらに詳しいことを調べるため、森園はまた「恵み農園」を訪れることに。
大丈夫でしょうか?
ミイラ取りがミイラになるようなことがなければ良いのですが。

「恵み農園」送迎車のドライバー・野間英司(内藤秀一郎)は前回同様、参加者の皆から携帯を集める。
今度は長く滞在すると話す森園に野間は「心も体ももっときれいになりますね」と笑顔で言うのだった。
楠木は森園との再会を喜んで、子どもの頃の話を打ち明けてくれた。
いじめに遭っていたことから今まで目立たないように生きてきたけれど「恵み農園」で暮らすうちに自分もトマトやキュウリのように光を浴びて生きても良いのかもしれないと思えてきたと話す楠木。
森園が「神奉式で選ばれることとか?」と聞くと楠木は「それはさすがに高望みかな」と笑う。
楠木によると、神奉式で選ばれた人は次のステージでもっと広い果実園に移るのだという。
隠し持った衛星電話で森園が楠木から聞いたことを二階堂に報告すると、水上が貯蔵庫を見てきてほしいと言う。
森園がバリケードを超えて貯蔵庫の中に入ると、トンネルの向こうに収穫物や道具が置いてあるスペースがあり、さらにフェンスで隠された階段を上っていくとそこには雑然とした広い部屋のテーブルに森園を含む参加者たちの写真が並べられていた。
そして壁際の祭壇に祀られていたのは楠木の写真だった。
慌てて外へ出て衛星電話で二階堂に報告しようとすると、そこへ野間がやって来て、携帯電話は預かったはずだしここは許可なしに入ってはいけない場所だと咎める。
乾と水上は失踪した信者の親から話を聞く。
娘が最後に送ってきた手紙を見せてもらうと、「神奉式で選ばれたら救済の楽園へ行ける」と嬉しそうに書いてあった。
それきり娘からの連絡は途絶え、教団に問い合わせると脱会したので行方は知らないと答えるばかりだという。
西条審議官は二階堂に、3年前公安一課が内偵した時潜入した捜査員が教団に取り込まれてしまったのだと話した。
二階堂と西条はひとりで潜入している森園から連絡が来なくなったことを心配する。

楠木は「恵み農園」で本当に生き生きと楽しく暮らしているんですね。
外の世界で自分は日陰にいなくてはいけないと思っていた彼女が、ここでは自信を取り戻して光の中で生きようとしています。
少なくとも、楠木を今救っているのは「幸せの果実」の教義なわけです。
宗教を信じるということについて考えてしまいます。
しかし、宗教の名のもとに平安な社会を破壊すること、信じる心を利用する犯罪は絶対に許されません。
貯蔵庫の中を調べ、二階堂に報告しようとした森園は、送迎ドライバーの野間に見つかってしまいました。
それ以来、森園からの連絡が途絶えてしまうことに。
3年前潜入した公安の刑事が逆に教団に取り込まれてしまったという話も恐ろしいです。
西条審議官によると、警察官はピュアな人が多いから自然と共生するという考えにはまりやすいとのこと。
森園は大丈夫なのでしょうか。

森園と3日も連絡が取れないことを心配したスティンガースのメンバーは、神奉式が明日に迫っていることもあり、「恵み農園」に様子を見に行く。
農園の正門前にはバリケードがあり監視カメラがあった。
教団の4人のリーダーのひとり、北の守杢代和人)が男たちとやって来て、中に入ることも本人に会わせることもできないと告げる中、森園がそこへ現れる。
二階堂たちを一瞥して帰ってほしいという森園。
どんなに説得しても頑として帰らないと言い、ありもしない陰謀論にとらわれてどうかしていると言う森園の頬を二階堂は思わず平手打ちする。
もう二度と戻るつもりはないと告げ、森園は北の守たちと農園の中へ帰っていった。
落胆して帰ろうとするメンバーだったが、乾は二階堂の制止を振り切って森園を奪還するために駆け出して行ってしまう。
森園が部屋に帰ると、楠木が荷物をまとめていた。
神奉式で神の子に選ばれるのはきっと楠木だと東の守薮内大河)から伝えられたと言う。
神奉式当日、北の守、南の守水谷果穂)、東の守、西の守山本かりん)の4人のリーダーが信者たちの前に立ち、高らかに式の始まりを宣言する。
乾が物陰から見守っていると、皆がキャンプファイアーの炎を囲んで歌ったり祈ったりした後、リーダーたちによって“神の子”が発表された。
「森その子」それは潜入するために使っている森園の偽名だった。
「幸せの果実」の最終目的地、救済の楽園に向かう神の子に選ばれたのは森園だったのだ。

野菜を作って収穫しておいしいねって食べて眠るシンプルな生活で、心も身体もきれいになってささやかな幸せを感じているという森園。
外の人たちがいかに薄汚れた心で間違ったものを見ているのかということもわかったと言います。
関口が「目バキバキだった」と言っていましたが、確かにこれまでの森園の顔とは明らかに違っていましたね。
二階堂が頬を叩いても森園の目を覚ますことはできませんでした。
彼女は北の守と一緒に農園に戻っていってしまいます。
ただ、そこで黙っているはずがないのが乾です。
一旦撤収しようという二階堂の言葉を聞かずにひとり農園の中へ走って行ってしまいます。
さて、部屋に戻った森園は、神奉式で選ばれるのは楠木だという話を本人から聞きます。
恵み農園で得を積んだら神の子として救済の楽園に行けるというのです。
農園で自分を見つめ心身をきれいにした後、救済の楽園でそのきれいな心と体で神の子として沢山の人を救う、という話が臓器売買のことだとすると本当に恐ろしいです。
北の守は「幸せの果実」の最終目的地は「救済の楽園」だと言っていますからね。
ところで祭壇に楠木の写真が祀られていたこと、そして本人にもそう伝えていたことから、北の守、南の守、東の守、西の守の4人のリーダーは神の子を楠木だと決めていたはずでした。
ところが神奉式で選ばれたのは森園でした。
どの時点で変更になったのでしょうか。

神の子に選ばれた森園は驚き、楠木に謝るが、楠木は笑顔で祝福してくれた。
森園は北の守に差し出された聖杯の中の黄色い液体を飲もうとするが、乾が飛び出してきて「飲むな」と叫ぶ。
乾が信者たちに押さえつけられている間に、森園は教団のワゴン車に乗せられた。
乾は走ってワゴン車を追いかけながら二階堂に連絡するが応答がない。
農園の正門前に停めてあるスティンガースの車には誰もいなくて、「証拠を押さえにいきます」という二階堂のメモが置いてあった。
スティンガースの車に乗り込み、森園を連れ去ったワゴン車を追いかける乾。
途中でワゴン車を見失ってしまった乾が二階堂に連絡すると、灰島埠頭の第3倉庫に向かうように指示された。
そこに人身売買のブローカーが来るという。
さて、ワゴン車が灰島埠頭に到着し、森園は無言のままのリーダー4人に倉庫の中へ連れて行かれた。
ダークスーツの4人がやって来て、森園とリーダーたちの前に並ぶ。
森園と金の入ったアタッシュケースが交換された後、4人はサングラスを外し、警察手帳を掲げた。
二階堂、水上、小山内、関口がブローカーに扮していたのだった。
リーダーたちは人身売買罪で逮捕される。
乾がやって来た第三倉庫に、本物のブローカーたちが来た。
丸腰の乾は拳銃を向けられてしまうが、パトカーのサイレンにブローカーたちがひるんだ隙をつき制圧する。
第3倉庫にやって来た買い手のブローカーを乾に任せ、二階堂たちは売り手を逮捕する作戦だった。
教団幹部と森園を乗せたワゴン車を第3倉庫の隣の第5倉庫に停めたのは、教団ドライバーの野間。
野間は、二階堂が雇ったバイトだったのだ。
教団に取り込まれたように見せていた森園も、平手打ちした二階堂もすべては演技だった。

楠木は、自分が神の子に選ばれると聞かされて荷造りまでしていたのに、後から入って来た同部屋の人に決まってしまっても、笑顔で森園を送り出してくれました。
一瞬寂しい顔はしていましたが。
本当に心のきれいな人なのでしょうね。
神の子に選ばれなくて良かったです。
しかしなんということか、森園が選ばれてしまいました。
聖杯の中の黄色い液体は意識を混濁させるものだったのでしょうか。
乾のおかげで飲まずに済みましたが、結局ワゴン車に乗せられて“救済の楽園”という名の人身売買の取引場所へ連れて行かれることに。
ワゴン車の中の4人の幹部たちは今までの穏やかで優しい雰囲気とは打って変わって冷酷な表情です。
彼らを追いかける乾は途中でワゴン車を見失ってしまいました。
ところが二階堂からは、“ナビに入っている倉庫”を目指すように指示されます。
「GOD BLESS YOU!(神のご加護を)」という言葉とともに。
ところで、ナビの履歴に倉庫があったのはなぜでしょうか。
それは、乾に買い手のブローカーを捕まえさせるためだったんですね。
拳銃も手錠も持たない乾をたったひとりで向かわせるなんて、二階堂は相当彼を信頼しているんですね。
それにしても森園と二階堂は名演技でした。
特に森園は顔つきまで変わってしまっていて、本当に教団に取り込まれてしまったかのようでしたね。
二階堂は、森園が演技していることをスティンガースメンバーに知らせないほうが幹部たちの前での会話に真実味が出ると判断したのでしょう。
森園の忠誠心を確認した幹部たちは、周囲ともめている森園を厄介払いしたかったこともあって、楠木から“神の子”を変更したんですね。
二階堂が乾に最後まで本当のことを黙っていたのはそのほうが彼がデコイ(おとり)としての実力を発揮することを十分わかっているからでしょう。
恵み農園の送迎ドライバー・野間が、3話に登場したインドカレー屋さんで二階堂がスカウトしたバイトだったことは意外で、最後まで読めない展開でした。

5話のネタバレ感想記事はこちら↓

6話「SHOW MUST GO ON 劇を止めるな」

放送日:8月26日(火)21:00~21:54

6話のあらすじ

居酒屋で、乾(藤井流星)、森園(志田彩良)、関口(杉本哲太)がこれまでのおとり捜査をふり返りながら演技について語り合っていた。
一方、居酒屋の特別個室には、西条(玉山鉄二)、水上(本郷奏多)、小山内(井内悠陽)が集まっていた。
ある日、小さな劇場で立てこもり事件が起こる。
東京帝都大学の劇団『夏の遊牧民』の公演中、猟銃をもった男が突如現れ、劇団員と観客を人質に取って総理大臣との対話を要求してきたのだ。
思想犯の可能性があるので刑事部だけで扱える事案ではないと警視庁の幹部たちから判断され、スティンガースの出動が要請される。
西条は了承し、二階堂(森川葵)が捜査の指揮を執ることになった。
関口が政務担当首相秘書官として犯人が立てこもっている劇場のビルに潜入することになり、二階堂たちは向かいのビルを捜査拠点にした。
関口は、犯人と交渉して無事に人質を解放することができるか。

6話のネタバレ

ある居酒屋、二階堂民子森川葵)の指示で、乾信吾藤井流星)、森園はな志田彩良)、関口欣二郎杉本哲太)が店員に「店のお薦め」を聞くが狙いは空振りに終わった。
同じ店の特別個室にいる水上涼介本郷奏多)、小山内誠井内悠陽)、西条巧玉山鉄二)が同じく「店のお薦め」を頼むと、店長(村上健志)自ら生のレバ刺しを運んでくる。
西条たちは、店長は食品衛生法違反で検挙した。

冒頭のシーン、今回は居酒屋で乾、森園、関口が演技について語り合っているのが肝でした。
彼らはおとり捜査における芝居について話しているのですが、傍から見ると劇団員の会話のように感じられますね。
今回の事件は、小劇場が舞台で、“演技”が重要なモチーフです。
導入部からメインの事件へと自然にいざなわれていくようで粋ですね。

雑居ビルにある小劇場「北沢劇場」で、東京帝都大学の劇団「夏の遊牧民」の昼公演「部屋と吊り橋と私」が上演されていた。
芝居が終わり、場内が拍手で包まれる中劇団員が挨拶をしていると、突然猟銃を持った男が現れる。
その男、仮屋行成(菊田竜大)は劇団員と観客を人質にとって立てこもり、総理大臣と話をさせろと要求してきた。
西条は、警視庁の幹部たちから総理とのパイプを使って話ができるようにしてほしいと頼まれるが、そう簡単にはできないと断る。
すると幹部たちは思想犯の可能性があるので刑事部だけで扱える事案ではないとスティンガースの出動を要請、西条は二階堂に指揮を執らせることで了承する。
小劇場がある雑居ビルの向かいのビルに捜査の指揮所を置き、二階堂は捜査一課の雅楽代翔渋谷謙人)たちの協力を得ながらおとり捜査を進めていくことに。
まずは、関口が政務担当首相秘書官として劇場に入り、観客との人質交換に成功した。

警視庁の幹部たちは日頃はスティンガースに対して冷たい態度をとっているのに、困ったことがあると頼ってきますね。
立てこもり事件におとりとしてスティンガースメンバーを潜入させてほしいと言う幹部に、「それはおとりではなくいけにえですよね」と言い返す西条審議官。
それでも、頼れるのはおとり捜査室しかないと言われ、事件解決のためにスティンガースを出動させる西条審議官は格好良いです。
ところで、「夏の遊牧民」という劇団名は高名な劇団「夢の遊民社」を想起させますし、「部屋と吊り橋と私」という作品名は平松愛理さんのヒット曲「部屋とYシャツと私」に似ていますね。
今回も遊び心が満載です。
学生時代演劇部に所属していた森園は劇場や劇団について詳しくてとても頼りになりますが、政務担当首相秘書官として潜入する関口は大丈夫でしょうか。

関口が首相はすぐに呼べないと話すと、仮屋は怒って猟銃を上に向けて撃つ。
関口に怪我はなかったが、驚いて倒れたことでセットの電飾を割ってしまう。
劇団員8人と関口は舞台上で手足を縛られ拘束されてしまった。
森園と小山内が軽食と飲み物を差し入れに行き関口に渡すが、森園は関口を後ろから銃で脅している仮屋の顔を隙を見て確認し、指揮所に帰ってから似顔絵を描く。
劇団員たちは誰も犯人の仮屋については知らないと言う。
一時期は人気を誇っていた「夏の遊牧民」だが、今夜7時からの公演を最後に解散する予定だったと聞いて、関口は仮屋になんとか夜公演をやらせてあげてほしいと頼む。
最後ということでネットで生配信されることになっているのだった。
仮屋は、電話で二階堂に夜8時半までに首相を連れてこなければ人質を殺すと言う。
そして本気を見せてやると言い放つと、突然銃を撃つ。
銃弾は劇団員の砂井亮太(小林亮太)の顔をかすめて、砂井は耳にけがをしてしまった。
二階堂は、雅楽代にSITの突入準備を依頼する。
仮屋は7時からの公演と生配信を許可した。
人質は劇団員だけでいいから関口に出て行くように言うが、関口は皆を見捨てて出て行くようなことは絶対にできないと告げる。
そして関口は、けがをした砂井の代わりにドラキュラ役として舞台に立つことに。

仮屋の言動と、劇団員たちの様子にはところどころに違和感があります。
人質になっている状況なのに劇団員たちは妙に落ち着いていますし、そもそも仮屋が観客をすぐに解放したことも関口を出て行かせようとしたことも不思議に感じます。
仮屋が夜公演の上演と生配信を許可したのは、水上が言うように「8時半まで警察に突入させないため」なのでしょうか。
確かに生配信中にSITが突入して万が一犠牲者が出たら大変ですし、批判を恐れる警察がそんなことをするはずがないと読んでいるのかもしれませんが。
あんパンの差し入れを持ってきた西条審議官は「生配信中に逃亡するという線もあるよな」と言っていましたね。
ちなみに西条審議官は首相と全く話をしていないそうです。
それにしても「私がここを出るのは皆さんが出た後です」ときっぱり言う関口は格好良かったです。
結局、けがをした砂井に頼まれて舞台に立つことになってしまいますが。
砂井は脚本と演出を担当しているため出番は少なく、最後に棺桶から出てきて一言だけ台詞を言うドラキュラの役でした。
その台詞、「さて始めますか」を棺桶の中で何度も練習する関口。
関口はちゃんと台詞を言えるのか、最後の公演は成功するのか、そして事件は無事に解決するのでしょうか。
二階堂は終始余裕の微笑みを見せていますね。

夜公演が始まった。
棺桶の中で自分の出番を待機する関口は二階堂と連絡を取っているイヤホンの電源を切る。
劇団員たちの台詞が聞こえないと困るからだ。
芝居が進み、場面転換のために舞台は暗転する。
再び照明がつくと、配信を見ていた二階堂は何かに気づき、SITの突入を指示した。
舞台はクライマックスを迎え最後に関口が棺桶から出て台詞を言うとSITが突入する。
しかし仮屋はどこにもいない。
劇団員たちも行方はわからないと言う。
二階堂たちも劇場に向かい、セットを片付けている劇団員たちに話を聞く。
二階堂や関口が演技についての話を長々と聞いているうちに、棺桶を持っている劇団員たちの手が震え、ついには落としてしまう。
二階堂と乾が棺桶の底板を持ち上げると二重底になっていて、中には仮屋が横たわっていた。
実は仮屋は劇団創設メンバーであり劇団員たちとグルで、7時からの公演の前半には録画してあった映像を配信し、その間に上の階にある画像から絵画を盗んでセットの絵画と交換していたのだった。
関口が壊したはずの電飾が前半には壊れておらず、暗転後には電球が割れていたことに二階堂は気づいていたのだ。

乾は今回も二階堂から犬扱いで「ステイ」とか「ハウス」とか言われていました。
「最終兵器」とも言われていましたが。
何度も勝手な判断で動こうとする乾と必死で止める水上のコンビも良かったです。
今回は演劇に詳しい森園が大活躍でした。
劇場や劇団に詳しいこと、似顔絵が驚くほど上手いこと、「夏の遊牧民」の公演DVDを指揮所に持ってきたことが、事件解決に繋がりました。
また、それらの材料をもとに鋭い洞察力から真相にたどり着いた二階堂は流石でしたね。
学生時代、「夏の遊牧民」の公演を観ていて仮屋の怒鳴り声に聞き覚えがあったということにも驚きました。
そして何より心に残ったのは、関口の生真面目さ、誠実さと温かい人間性でした。
どんなことがあっても人を助ける、その思いは、乾の一途さにも通じます。
二階堂が信じているのは、きっと彼らのそういうところなのでしょう。
演劇への崇高な志を自ら穢してしまった劇団員たちと違って。

6話のネタバレ感想記事はこちら↓

7話「FUGITIVE 逃亡犯」

放送日:9月2日(火)21:00~21:54

7話のあらすじ

スティンガースの今回のターゲットは、12年前に夫を殺して逃げ、5年前には潜伏先で男性を殺している指名手配犯の沖野知鶴(黒谷友香)だ。
沖野は世間によく知られた逃亡犯だが、顔も名前も変えていて今も捕まっていない。
つい先日、沖野を追い続けていたというフリーライターの男性が東京・蒲田のビジネスホテルで大量の血痕を残し行方不明になった。
沖野が被害者と接触した可能性があり、捜査一課がホテルの防犯カメラを解析中だが決め手になる映像は見つかっていない。
スティンガースには、地元住民に扮して沖野に近づき逮捕するというミッションが課せられた。
沖野に関する最近の資料は、5年前の写真と昨年録音された電話での肉声。
二階堂(森川葵)は、「まずは沖野知鶴らしき人物に接触して指紋やDNAを採取しましょう」と乾(藤井流星)、水上(本郷奏多)、森園(志田彩良)、小山内(井内悠陽)、関口(杉本哲太)に指示を出す。
スティンガースは狡猾かつ凶悪で油断できない犯人を追いつめることができるだろうか。

7話のネタバレ

スティンガースのメンバーが、都内大田区の鎌田でバイトにいそしむことになった。
森園はな志田彩良)はスーパーのバイトの面接を受け、即採用に。
水上涼介本郷奏多)は雀荘のバイトに決まる。
工事現場のバイトに採用された乾信吾藤井流星)は生き生きと働いていたが、関口欣二郎杉本哲太)は一日で首になってしまった。
小山内誠井内悠陽)はスナック「珊瑚」に行きバイトしたいと申し出るが、ママ・秀子(真下有紀)にもう募集は終わったと言われてしまう。
スティンガースルームで二階堂民子森川葵)は、皆になぜバイトさせようとしているのかを説明する。
今回のスティンガースのターゲットは、12年前に夫を殺して逃げ、5年前には潜伏先で男性を殺している指名手配犯の沖野知鶴黒谷友香)だ。
先日、沖野を追い続けていたフリーライター、木田巌が蒲田のビジネスホテルで大量の血痕を残し行方不明になった。
沖野に容疑がかかったが、捜査一課による防犯カメラの解析では決め手になる映像は見つかっていない。
スティンガースに、地元住民に扮して沖野に近づき逮捕するというミッションが課せられた。

7話は、スティンガースのメンバーが面接を受けたりバイトにいそしむ様子から始まりました。
流石、何をやっても有能な森園や水上はすぐに採用が決まりましたね。
乾は案外工事現場の仕事になじんでいるようで現場監督からも信頼されているようです。
関口は一日で首になってしまいましたが。
小山内が潜入しようとしたスナック「珊瑚」はすでにバイトが決まっていました。
しかし、かえってこのほうが今後の展開的には良かったようです。
沖野知鶴は、したたかな凶悪犯で、顔や名前を変えながら各地を転々と逃亡しています。
沖野を追いかけていたフリーライターが蒲田のホテルで殺されました。
沖野自身が木田と接触していた可能性が高いため、まずは蒲田で沖野を見つけることが急務です。
警戒心の強い沖野は、身辺に捜査が及ぶとすぐに姿を消してしまいます。
スティンガース室長・二階堂は、まずは沖野と思われる人物に地元住人として近づき、指紋やDNAを採取するようにメンバーに告げました。

森園や水上はスーパーや雀荘で、江波理沙黒谷友香)と名乗る女性の指紋を採取しようとするがうまくいかない。
乾と小山内は、江波が働いているスナック「珊瑚」へ客として行く。
乾は、江波が触ったトングをこっそり持ち帰るが、指紋は検出されなかった。
指紋がつかないように指先にコーティングや細工をしている可能性があるが、そんなことをするのはやはり怪しい。
確証を得るためにDNAを特定できるものが必要ということで、今度は小山内ひとりが「珊瑚」に赴く。
お酒に弱い小山内は酔いつぶれてしまい、朝になって気がつくと江波のアパートにいた。
江波が小山内の財布の中を見ると空っぽで、仕方なく家に連れて帰ったという。
小山内は、隙を見て江波のヘアブラシから髪の毛を採取することに成功。
小山内は、江波が作ってくれた朝ご飯をご馳走になる。
部屋にウィッグや眼鏡がたくさん並んでいるのを見た小山内は、自分もコスプレが趣味で、違う自分になると世界が広がると話した。
しかし、江波は変装は自分を消すためだと言う。
そして小山内に1万円を渡して、「これで地元に帰りな、戻る場所があるって幸せなことなんだから」と告げる。

若くて経験が浅く、しかも純朴な小山内が、ひとりで被疑者と対峙する大役を担うことになりました。
スティンガースのメンバーは心配しますが、ピュアな小山内だからこそ江波(沖野)の心の扉を少し開けることができたのかもしれません。
“静岡の実家に居場所がなく家出している青年”に扮した小山内は、蒲田の街の人たちは優しくて温かいけれどよけいなことは聞いてこないから良いと話します。
江波(沖野)も「私もそういうところが好き」と同意しました。
彼女は酔いつぶれた小山内を家に連れて帰り、朝ご飯を作り、実家に帰るお金まで渡してくれます。
小山内に何かしらのシンパシーを感じたのかもしれません。
「自分の変装は、自分で自分をなくして誰だかわからないようにするの。だから私、本当の私がわからなくなったよ」
そういう彼女の顔はどこか寂しく、切なさを感じました。
ところで、事前に二階堂がお札入りの財布を渡していたはずですが、どうして小山内の財布は空っぽだったのでしょう。
実は二階堂は、渡す直前にひそかにお札を抜き取っていたんですね。
江波(沖野)に小山内を連れ帰らせるために。

小山内が持ち帰った江波の毛髪は、DNA鑑定の結果沖野知鶴のものと確定した。
警察庁審議官・西条巧玉山鉄二)はすぐにでも逮捕をと言うが、二階堂はまだ被害者3人の遺体が見つかっておらず殺人罪での起訴が難しいかもしれないと話す。
木田の遺体を確認してから逮捕したいのでそのための助っ人を呼びたいと二階堂が言うと、西条は快諾した。
助っ人とは、沖野を12年追い続け春に定年退職したばかりの元岡山県警刑事、込山喬司近藤芳正)だ。
二階堂の要請を受けて岡山からやって来た込山は、自分なら木田の遺体場所を吐かせることができると豪語した。
雀荘で偶然出会う設定を作って込山は沖野と話をし、もう追う気はない、何か困ってることがあったらいつでも連絡してと連絡先を交換する。
二階堂は、捜査一課には明後日の夜まで踏み込むのを待ってもらっていると話した。
込山にはあと2日で遺体の場所を吐かせてほしいと願うスティンガースのメンバーだったが、そんな中、沖野から込山に電話がかかってくる。
喫茶店に込山を呼び出した沖野は、出頭しようと思うがお世話になった人たちに挨拶してからにしたいと話す。
二階堂の指示で、木田の遺体の隠し場所を聞く込山。
込山は、水上、森園、関口とともに山の中にやって来て地面を掘り起こすが何も出てこない。
その頃、沖野は部屋を片付けスーツケース一つでアパートの部屋を出ようとしていた。
するとそこへコスプレをした小山内が訪れる。
「僕のコスプレを見たいって言ってくれたじゃないですか」
1万円と呑み代を返す小山内。
そして、一緒にコスプレして写真を撮りたいと言い、沖野にも“美人姉妹ビューティー戦士クリスタル”のコスプレをさせる。
自分を消すための変装は楽しくない、新しい自分を見つけて自分をもっと好きになるために変装するんですと言う小山内。
だが沖野は、小山内が自分の正体を知っていることに気づいていた。
もう逃げるのは疲れたと言い、沖野は遺体を埋めた場所へ小山内を連れて行く。
竹林に囲まれた場所を2人で掘りながら、沖野は12年前、暴力をふるう夫から逃れたい一心で罪を犯したことを話す。
沖野の気持ちを思いやり胸を痛める小山内だったが、突如沖野は掘る手を止めて言い放った。
「これは君が入る穴だよ」

長年の無茶がたたって体調を崩し刑事を引退して今は妻の地元の蒲田に住んでいると話す込山。
身体を心配する沖野。
「何か困っとることがあったら」と連絡先を教える込山。
2人の会話は、刑事と被疑者としてではあるけれど長年のつきあいを感じさせる温かなものでした。
会話の音声を聞いた二階堂は、せき込むふりまでした込山に「演技派ですねえ」と感心します。
しかし、込山が沖野から聞き出した遺体の場所からは何も出てきませんでした。
一方、小山内はコスプレ姿で沖野を訪ねます。
ここで小山内が沖野に話した、自分を消したり嘘の自分にするための変装は楽しくない、新しい自分を見つけて自分をもっと好きになるために変装するんだという言葉は、沖野の心に残ったのではないでしょうか。
「嘘の自分にもう疲れちゃった」
「子どもの頃から悪いのは周りの奴らで自分は悪くないと思ってきたが、逃亡先で出会う人たちはみんな温かくて」
そういう沖野の言葉は本音のように感じました。
沖野は、遺体を埋めたという場所へ小山内を連れて行き2人で地面を掘ります。
小山内は、過去の罪についてや出会った人たちへの想いを語る沖野をじっと見つめていました。
それは同情なのか思慕のようなものなのか。
しかし、そんな小山内に突如沖野は告げるのでした。
今2人で掘った穴は、小山内を埋めるためのものなのだと。

信じられない思いの小山内を沖野はシャベルで打ち、小山内は穴の中に落ちる。
「江波さん!」
叫び続ける小山内に、沖野もまた「わああ」と叫び、泣きながら土をかけ続ける。
その時、乾が現れ、沖野のシャベルを取り上げた。
「信じてたのに」と小山内は泣き続ける。
乾は沖野に、「本当は遺体を埋めた場所なんか知らねえんだろ」と告げた。
薄暗いスティンガースルームに、込山が入って来て木田の自宅の押収物が入った箱の中から手書きの原稿用紙を取り出す。
シュレッダーにかけようとしたその時、二階堂がやって来た。
原稿には、2人は恋愛関係にあり、同居中の男を殺害したのは込山で、警察内部の情報を沖野に流して逃亡させていたのも込山であることが綴られていた。
込山はその自分に関する部分だけを抜き取りシュレッダーにかけようとしたのだ。
二階堂は最初から込山を疑っていて、わざと込山に捜査一課が踏み込む日を聞かせ、情報が沖野に漏れることを確かめた。
遺体の場所が見つからない限り逮捕できないのでは、と開き直る込山だったが、その時水上から電話が入る。
二階堂の読み通り、水上たちが掘らされた穴に込山はひとりで戻って木田の遺体を埋めていたのだ。
二階堂は込山に自首を迫る。
岡山のスナックで知り合った沖野と込山。
沖野から頼まれてDVの夫を殺害し、2人で遺体を埋め、その後の逃亡も込山がおぜん立てした。
沖野の夫、沖野の同居相手、木田の3人を殺害したのは込山だった。
連行される沖野を見守る人々の中に、“ビューティー戦士クリスタル”のコスプレをした小山内がいた。
「沖野知鶴さん!」
小山内が呼ぶ声に立ち止まり、手を振る小山内に気づいて沖野はそっと微笑む。

沖野から聞いた場所を掘り起こしても何も出てこなかった時に「沖野が自分に嘘の場所を教えるなんて信じられない」と込山はまた現場に戻ろうとしました。
もう暗くて何も見えないからと水上、森園、関口は止めたのですが、その時水上に二階堂から電話がかかってきます。
「込山が現場に戻りたがっていたら望み通りひとりにしてあげてください」という指示でした。
一度掘った穴に埋めれば同じ場所を調べられるリスクは限りなく低い、という刑事ならではの発想を二階堂は見透かしていたんですね。
込山の犯罪が二階堂の読み通りであることが明らかになった時、二階堂は強い語気で告げます。
「公僕である警察官の心にまだ正義のかけらが残っているのであれば、自ら出頭し真実をすべて話してください」
これまでにないような二階堂の厳しい表情でした。
二階堂が言った「演技派ですね」という言葉には深い意味がありましたね。
実際に3人を殺害したのは込山でしたが、沖野にも犯罪教唆や死体遺棄などの罪があります。
わざわざコスプレして、連行される沖野に向かって名前を呼ぶ小山内の気持ちは沖野に届いたでしょうか?
届いたからこそ、沖野は微笑んだんでしょうね。
ずっと「江波さん」と呼んでいた小山内でしたが、最後に初めて「沖野知鶴さん!」と呼びました。
その意味も、きっと沖野に届いたはずです。

7話のネタバレ感想記事はこちら↓

8話「ROMEO & JULIET」

放送日:9月9日(火)21:00~21:54

8話のあらすじ

城山会会長の三男と、利根川ユニオン代表の次女の結婚式が今週末に執り行われるという。
どちらもそれぞれ国内最大規模の麻薬カルテルで対立関係にあり、激しい抗争状態の中、まるでロミオとジュリエットのように愛を育んだ新郎と新婦なのだ。
二階堂(森川葵)は西条(玉山鉄二)から、披露宴の出席者の中におとりにかけてほしい者たちがいると依頼される。
当日の招待客リストの中に警察が把握していない7名がおり、指名手配犯が偽名を使って式に参加するとみられていた。
二階堂は、スティンガースのメンバー、乾(藤井流星)、水上(本郷奏多)、森園(志田彩良)、小山内(井内悠陽)、関口(杉本哲太)とともに式場スタッフや参列者として潜入。
披露宴が終わるまでにすべての指名手配犯を見つけて逮捕する作戦を決行する。

8話のネタバレ

(放送後更新します)

【スティンガース】の原作は?

スティンガース】に原作はありません。
『おっさんずラブ』シリーズ、『私の家政夫ナギサさん』、『ライオンの隠れ家』など数々の名作を書いてきた脚本家・徳尾浩司さんが手掛けるオリジナル脚本です。

オリジナルストーリーだから、先が読めない分ワクワクドキドキしながら楽しむことができるわね。

台本を読んだ森川葵さんのコメント
「引っかけたり引っかけられたり…だまし合いが繰り広げられるので、台本読んでいて自分でもだまされたりして。とても面白くて撮影が楽しみになりました!」

【スティンガース】の最終回予想

最終回後に追記します。

メンバーそれぞれの成長

警察庁のエリートとしてFBIで本格的なスティングオペレーションを学んで帰国したトップキャリアの警視、二階堂民子森川葵)。
その二階堂をリーダーに、ゲームマニアで頭脳明晰な元公安部・水上涼介本郷奏多)、美術学校で培った舞台用小道具の制作を得意とする元交通部・森園はな志田彩良)、SNS で数万人のフォロワーを持つコスプレイヤーの元総務部・小山内誠井内悠陽)、立てこもり事件で 16 時間もの間微動だにしなかった元警備部機動隊員の忍耐の男・関口欣二郎杉本哲太)、そして捜査一課から異動してきた乾信吾藤井流星)が集結します。
事件解決のためにおとり捜査していく中で、それぞれがどう成長していくのかが楽しみですね。
特に捜査一課から異動してきた乾は、当初はおとり捜査に否定的ですが、その後どのような変化があるのか楽しみです。

“スティンガース”のチームワーク

各々、前部署での経験もスキルも異なる“スティンガース”のメンバー。
それぞれの個性を見抜き特性を捜査に活かしていく二階堂民子の手腕が事件解決の決め手になっていきます。
ひとりひとりの活躍も楽しみですが、チームとしてどう機能していくのかが見どころになっていくことでしょう。
二階堂のリーダーシップはもとより、“スティンガース”を創設した警察庁審議官・西条巧(玉山鉄二)のバックアップも重要なポイントになるのでは。
警視庁幹部陣や捜査一課の刑事たちと“スティンガース”とはずっと対立したままなのかどうかも気になりますね。

最終回の結末は?

最終回もスッキリと事件を解決して終わってほしいですが、斬新な設定と魅力的なメンバーの物語なので、ぜひ続編に繋がるような終わり方をしてほしいです。

長く愛されるドラマになるといいわね。

【スティンガース】の見どころ

スティンガースが行う“おとり捜査”とは?

日本ではまだ制度としての確立が曖昧な“おとり捜査”に真正面から挑む警視庁内の異端チーム「囮捜査検証室」、通称“スティンガース”の活躍を描く本作。
闇バイト強盗、なりすまし詐欺、違法薬物売買、フィッシング、反社勢力のステルス化などの現代的な犯罪に対して、「だまされたふりをして元締めにたどりつく」「関係者のふりをして一網打尽にする」「仲間のふりをして実態をつかみ黒幕を討つ」という“おとり捜査”で迫っていきます。
正体がバレてしまうと命の危険さえもある捜査手法なので、手に汗握り息をのむジェットコースターのような展開が待ち受けていることでしょう。
軽快なテンポと爽快なカタルシスが期待できるドラマになりそうですね。

メンバーたちの変装に注目!

このドラマの大きな楽しみの一つは、メンバーの華麗な変装ぶり。
制服、スーツ、有閑マダム、やさぐれホステス、バカップル、女装コスプレイヤーなど、様々な扮装で目を楽しませてくれそうです。

杉本哲太さんのコスプレも見られるのよね!楽しみだわ。

痛快なコンゲーム

“爽快コンゲーム(だまし合い)エンターテイメント”と銘打たれた本作。
“コンゲーム”とは、“コンフィデンスゲーム”の略で、標的とする人物を信用させて働く詐欺という意味です。
ドラマや映画においては、だまし合いをテーマにした痛快サスペンス作品を“コンゲーム”と言って、だましのテクニックや二転三転するストーリー、ラストのどんでん返しなどが醍醐味。

ドキドキしながら見ているうちに視聴者もだまされているかもしれないな。

個性的なメンバーや多彩なゲストがどんなコンゲームを見せてくれるか楽しみね!