【そして、バトンは渡された】の原作ネタバレ!親たちの嘘と秘密とは?

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【そして、バトンは渡された】の原作ネタバレ!親たちの嘘と秘密とは?

瀬尾まいこ氏の2019年本屋大賞受賞作が、永野芽郁主演、田中圭・石原さとみら共演で映画化!

映画のポスターには「2つの家族。親たちがついていた命がけの嘘と秘密とは?」とあります。

2つの家族の親たちがついた嘘と秘密って何?

今回は、【そして、バトンは渡された】の原作ネタバレについて紹介します。

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目次

【そして、バトンは渡された】の原作ネタバレ

【そして、バトンは渡された】の原作ネタバレを紹介します。

親たちの嘘と秘密とは?

親たちの嘘と秘密をネタバレします。

秘密とは?

梨花(石原さとみ)はブラジルへ行った水戸(大森南朋)と別れたあと、お金持ちな泉ヶ原(市村正親)と結婚。しかし退屈が嫌で家を出て離婚します。

その後、森宮さんと結婚し2ヶ月後に離婚します。

しかも「探さないでください」と手紙を残して消えたのです。

その理由は終盤まで秘密となっていますが…

実は梨花は重い病気だったのです。

梨花が病気を隠して優子の元から姿を消した理由は、優子を悲しませないためです。

優子に「親が替わるのつらくない?」って聞いたとき、中学生の優子は「平気だよ」と返答。

なぜなら実の母が亡くなったから「身近な人の死以上につらいことはない」と優子は言うのです。

梨花は、離れてしまえば、もし自分が死んでも優子が知らずに済むと思ったのです。

梨花は森宮さんと再会したとき、彼に優子を託そうと決めていました。

梨花と森宮さんは中学時代の同級生。彼が東大卒・一流企業勤務で堅実な性格と知り、バトンを渡そうと決めたのです。

森宮さんは、梨花の病気を知らずに結婚。しかし薄々は梨花が出ていことを感じていて、優子の親になる覚悟を決めていました。

ちなみに、梨花は森宮と別れたあと、泉ヶ原と再婚。手術も2回受けており、病院の個室などの費用は泉ヶ原さんが出しています。

だからといって、お金のためだけの再婚ではなく、仲良しな2人。梨花と泉ヶ原は優子の結婚式へ仲睦まじく出席しています。

嘘とは?

ブラジルに行っていた水戸から幼い優子に手紙が来ていました。

なのに、梨花はお父さんから手紙は来てない「嘘」をついていました。

日本に帰って来てからも水戸は優子に会いたいと手紙を送ってきました。

しかし梨花が隠していました。

優子と離れるのが怖くて水戸からの手紙を渡さなかったのです。

ほかの嘘と秘密

なお、「親たちの嘘と秘密」と映画の宣伝にあるということは、複数の「親」のこと。

梨花と再婚した泉ヶ原さんは、梨花の病気を知っていました。けれど優子に秘密にしていましたね。

映画では、優子の卒業式のピアノ演奏を梨花が見ていました。梨花は笑顔で涙。

これも優子には秘密にしていました。

※卒業式のピアノは原作の「合唱祭」の改変です。原作の優子は合唱祭でピアノ伴奏をします。各クラスの伴奏者が集まって放課後に練習するのですが、そこで早瀬くんと親しくなります。結果的に優子は別のこと付き合いますが…。

ちなみに、森宮さんが梨花の病気を知っていて、その上で梨花と結婚した…とは映画で改変していません。

この方が2つの家族の嘘と秘密っぽいんですが…これだとドラマ「義母と娘のブルース」の父と母が逆になっただけ(同ドラマは実父が病気で、義母が娘を育てる)。既視感あるのでしなかったのでしょう。

優子の時系列

優子は父3人・母2人とリレーしてきて、苗字が4回変更してます。

分かりにくいので時系列でまとめてみました↓↓

優子の氏名 優子の年齢 出来事
水戸優子 3歳 母が事故死
水戸優子 小学3年・直前の春休み 水戸と梨花が結婚
水戸優子 小学5年・直前の春休み 水戸がブラジルへ行く。梨花と水戸が離婚
田中優子 小5・小6 梨花と貧乏暮らし
田中優子 小学6年卒業後の春 梨花が泉ヶ原と結婚へ。優子にピアノをあげるため。
泉ヶ原優子へ 中学1年、9月 梨花が退屈すぎて家を出る。
泉ヶ原優子 ~中学3年 約3年間、泉ヶ原と2人で暮らす
森宮優子へ 中学校卒業後の春 梨花が森宮と結婚。優子も引き取る。
森宮優子 2ヶ月後(高校1年) 梨花が家を出ていく(病気を隠すため)
森宮優子 ~22歳 優子は森宮さんと2人暮らし
早瀬優子へ 22歳 優子が早瀬くんと結婚へ

優子の7つの家族形態

優子は7つの家族形態で過ごしてきました。

7つの家族形態はこちら↓↓

  1. 実の両親との家庭
  2. 水戸秀平と梨花の家庭(実の父と継母の家庭)
  3. 梨花との母子家庭(継母と2人暮らし)
  4. 梨花と泉ヶ原の家庭(継母と継父の家庭)
  5. 泉ヶ原との父子家庭(継父との2人暮らし)
  6. 梨花と森宮さんの家庭(継母と継父の家庭)
  7. 森宮さんとの父子家庭(継父との2人暮らし)

みぃたんの正体とは?

永野芽郁
森宮優子(永野芽郁)
稲垣来泉
みぃたん(稲垣来泉)

出典:映画【そして、バトンは渡された】公式HP

みぃたん(稲垣来泉)は原作に名前がありません。

実は、映画版オリジナルの登場人物名「みぃたん」は優子と同一人物です。

みぃたんが成長した姿が優子です。

「2つの家族」が繋がるという構成にして、ミステリー要素を加えたかったのだと思います。

結末は?

【そして、バトンは渡された】の結末は、結婚式が描かれます。

主人公・優子(永野芽郁)は22歳の時、早瀬くん(岡田健史)と結婚します。

結婚式には、優子の親が全員集まりました。正確には亡くなった産みの母親、以外の全員です。

実の父親の水戸(大森南朋)、継母・梨花(石原さとみ)、2番目の父・泉ヶ原(市村正親)、そして今の父・森宮さん(田中圭)です。(*映画では梨花も病気で亡くなっています)

森宮さん(田中圭)は、新婦・優子とヴァージンロードを歩く父親役は血が繋がっている水戸さんであるべき、と思っていました。

しかし優子の希望で、森宮さんが務めることになります。

なぜなら、優子にとってずっと変わらずに父親でいてくれるのは森宮さんだけだからです。

優子が旅立つ場所も、戻れる場所も森宮さんのところなのです。

扉が開いて、ヴァージンロードの向こうには早瀬(岡田健史)が見えます。

森宮さんは、「本当に幸せなのは誰かと共に喜びを紡いでいる時じゃない。自分の知らない大きな未来へとバトンを渡すときだ」と思います。

森宮さんと優子はヴァージンロードを歩いて、バトンを早瀬に渡しにいきます。

その1歩踏み出したところで、小説は終わりとなりました。

タイトル「そして、バトンは渡された」の意味
タイトルは、森宮さんから早瀬に「バトンは渡された」ということでしょう。
「そして、」という前置きには、親たちの積み重ねを感じます。父3人母2人でバトンをリレーしてきて、ついに娘の夫に渡すときが来たという意味を感じます。

【そして、バトンは渡された】全体のあらすじ

【そして、バトンは渡された】のあらすじ

第1章

第1章は、森宮優子(永野芽郁)の高校二年生から高校卒業までが描かれます。

優子は担任から心配されても「困ったことがない」のが悩み。

優子には父親が3人、母親が2人いて、家族の形態は17年で7回変化。

水戸、田中、泉ヶ原、森宮と苗字も4回変わっています。

それでも、おおらかな性格の優子は明るく生きていました。

母の死

優子は物心ついたときには母がいませんでした。

小学2年生になった優子は、3歳の時に母が事故死した、と父(大森南朋)に聞かされます。

遠いところにいると聞かされてきた優子は、もう母と会えないことにショックを受けました。

現在(高校生)の優子は思います。家族形態が変わっても、みんなどこかにいる。亡くなることほど辛いことはない、と。

梨花と再婚

父がなぜ幼い優子に実母の死を伝えたのかは、再婚を考えていたからでした。

優子が小学3年生のとき、父は梨花(石原さとみ)と再婚します。

優子はオシャレで自由な梨花のことが大好きになります。

友情より大事なもの

高校三年生に進級した優子は、友達と衝突する出来事に遭遇。

優子は浜坂くんと球技大会で実行委員を務めたのですが、浜坂くんは優子にいいところを見せられずに告白を断念。

そんな浜坂のことが好きだという親友に、仲をとりもってほしいと頼まれます。

しかし優子は友人が好きだと言ってると、伝えられませんでした。

すると、翌日からクラスの派手な女子たちに「友情より男をとる」と責められます。

親友2人とギクシャクする優子ですが、それでも平気でした。

優子は思い出します。友情より大事なものがあるんだ、と。友達は将来を約束してくれない、と。

実父が転勤

小学4年が終わったころ…父・水戸秀平(大森南朋)がブラジルに転勤になります。

継母の梨花は一緒に行きたくないと離婚。優子はどちらについていくか決めさせられます。

優子は、仲のいい友達2人と別れたくないからと日本に残りました。

しかし、その友達とは今では年賀状のやりとりだけになっています。友達は絶対じゃないのです。

合唱祭

親友とは和解します。親友の機嫌が直ったからです。

…親友がオープンキャンパスで彼氏を作った(正確にはイイ感じになった)のです。

高校時代の「友との衝突」の他に、もう一つの大きなエピソードが「合唱祭」です。

優子はピアノ伴奏を担当。放課後、各クラスのピアノ伴奏者だけが集まって練習します。

そのとき、早瀬(岡田健史)と出会いました。彼のピアノに圧倒される優子。

しかし優子は、合唱祭後、別のクラスの男の子と付き合います。

梨花との貧乏暮らし

梨花が水戸と離婚後…。優子の小学生時代。

優子は「田中優子」となります。梨花の旧姓です。

梨花との暮らしは貧乏でした。梨花は浪費癖があるのです。

優子は大家さんに野菜をもらったりして、やりくします。

その大家さんは老人ホームに入る前に、20万円を優子にくれました。

いつか困ったら役立つかもしれないからと、やや強引に渡されました。

梨花が泉ヶ原と再婚

小学校六年生になった優子は、ピアノを習いたいと梨花にお願いします。

梨花は、お願いなどしたことなかった優子の頼みをどうしても叶えたいと思います。

ピアノと弾く場所をプレゼントするために、お金持ちの泉ヶ原(市村正親)と再婚した梨花。

優子は、そこまでするならピアノなんて欲しくなかったのに、と驚きました。

泉ヶ原家は退屈

中学1年生の優子は「泉ヶ原優子」となりました。お手伝いさんもいて、何の不自由もない生活になります。

しかし、退屈で、自由もなく、窮屈に感じられ、梨花は泉ヶ原家を出ていきます。

時々、優子の顔を見にやって来ては、「一緒にこの家を出よう」と言ってきました。

優子は、泉ヶ原を独りにさせたくないからと、泉ヶ原家で生活をします。

森宮との再婚と離婚

中学3年になった優子は、梨花が中学時代の同級生だった森宮と付き合っていると知ります。

優子が中学を卒業した春休みに、梨花は森宮と入籍。そして、優子を引き取りました。

小4の優子はどちらについていくか選ばされたのに、15歳の優子には選択権がありませんでした。

優子は、森宮と梨花と暮らすことになります。

しかし2カ月後。

梨花は「探さないでください」と書き置きを残していなくなってしまいました。

優子は自由でいたい梨花だから、他に好きな人ができたのだろうと思っていました。

梨花は再婚するからと、森宮に離婚届を送って来ます…。

明日が二つになる

優子は、まだ暮らして2ヶ月の森宮の元から「出ていかねばならない」「少し置いてもらって働かないといけない」と思っていたのですが…。

森宮は梨花を探すことなく、離婚届にサインします。

探すことより「大事なのは優子ちゃんだ」と森宮は言います。

森宮は優子の父親になると決めて、梨花と結婚したのだと言います。

森宮は梨花が言っていたように「明日が二つになる」ことを実感していました。

親になると未来が2倍になる。

自分の明日と、自分よりたくさんの可能性・未来がある明日がやってくるからーー。

森宮は、本気で優子と過ごすことを幸せに思っていました。

こうして優子は、高校一年生の時に、義理の父親と二人暮らしになります…。

卒業式

森宮と暮らして3年。優子は高校卒業を迎えます。

担任から「あなたみたいに親にたくさん愛情を注がれたひとはいない」と手紙で言われました。

卒業式で、担任から「森宮優子」と呼ばれます。いい名前だと思う優子。これが私の名前だと…。

第2章

第2章では、優子が22歳に成長。親に報告してまわり、結婚式をするまでのストーリーです。

森宮は娘の結婚に反対

優子は早瀬くんと結婚するつもりです。しかし森宮は「風来坊」の早瀬を認めません

早瀬は音大卒業もうすぐのところで中退して、アメリカへハンバーグの修行に行ったり、欧州へピザの修行に行ったりと、どこか中途半端なのです。

音楽より食事の方が人を幸せにすると早瀬は思っていて、ファミリーレストランを起業するのが夢。

ですが、今は帰国後、飲食店の正社員です。

優子は他の親たちから許可をもらって、周りを固めて、最後に森宮を説得することにします。

泉ヶ原へ結婚報告

優子は泉ヶ原に早瀬を紹介します。泉ヶ原は2人の結婚を喜びました。

優子は泉ヶ原に、行方がわからない梨花の居場所を尋ねます。

すると、泉ヶ原は梨花の現在を知っていました。

梨花は入院していたのです。優子は病院へ行き…。

梨花の告白

梨花は、泉ヶ原と再婚していました。立派な個室で入院中の梨花は、これまでの経緯を告白します。

梨花は健康診断で病気が分かりました。それで、優子の母親を辞めることを決めたと言います。

自分が死んだら、優子がつらいから。だから、離れたのです。

森宮と結婚したのは、親になってくれる人だから…。

優子は大家さんにもらった20万円を今こそ使うべき、と梨花に渡します。

優子は早瀬を会わせようとしますが、梨花は結婚式で会うことを約束しました。

実父の手紙

その後、梨花から優子へ荷物が届けられます。そこには実父の優子へ宛てた手紙が大量に入っていました。

ブラジルへ行った水戸は優子に手紙を書いていましたが、梨花が隠していたのです。

しかし優子は梨花を責めません。そして手紙も今さら読んでも意味がないと読まないことにしました。

そして、実の水戸が再婚しているため、結婚報告もしないことを決めます。

森宮が結婚を許す

森宮は親たちみんな結婚を承諾しているなら「いいよ」と投げやり。

早瀬はお父さんに認めてもらいたいと懇願します。

早瀬は、3日・4日に一度、手紙と自分が弾いたピアノの録音CDを森宮に送ってきました。

高校の合唱祭で優子が弾いた「ひとつの朝」や、中島みゆきの「麦の唄」などたくさん。

森宮はCDを何度も聞いています。

結婚を承諾した理由はこれ、と明かされていませんが、森宮は「ピアノだけは上手い」と言っています。

たくさんの手紙とピアノが森宮の心を動かしたのでしょう。

結婚式

結婚式当日。森宮は水戸秀平を結婚式に呼びました。

(優子が読まなかった)水戸の100通を超える手紙を読んだ森宮は、実の父としての愛を知り、結婚式の日時・場所だけ水戸へ伝えたのです。

13年ぶりの実の父と娘の再会。優子が水戸を「お父さん」と呼ぶ姿に、森宮は血縁関係を見せられた気がします。

しかし森宮は、ヴァージンロードを新婦と歩く役を任されます。それは優子の希望でした。

扉が開くと、ヴァージンロードの先に早瀬がいて、バトンを渡すときが来たと思う森宮。

優子と森宮は一歩を踏み出して…。(おわり)

【そして、バトンは渡された】の原作

【そして、バトンは渡された】の原作情報を紹介します。

タイトル そして、バトンは渡された
著者 瀬尾まいこ
出版社 文藝春秋
出版日 単行本:2018年2月22日/文庫版:2020年9月2日

原作は、2019年に本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの同名小説です。
令和最大のベストセラー本で、映画(2021年10月29日公開)にもなりました。

映画版の監督は、「こんな夜更けにバナナかよ」「老後の資金がありません!」などの前田哲さん。
脚本は、「日本沈没~希望のひと」などの橋本裕志さんが担当しました。

【そして、バトンは渡された】の登場人物(キャスト)

  • 森宮優子(永野芽郁)<17>…主人公。高校2年生。父親が三人、母親が二人いる。苗字は4つ目。水戸優子、田中優子、泉ヶ原優子を経て現在の氏名になった。
  • 森宮壮介(田中圭)<37>…優子の継父で現在の父親。東大卒で一流企業に勤務。梨花の中学時代の同級生。35歳のとき梨花と結婚して優子の親になった。
  • 早瀬賢人(岡田健史)…ピアノが上手い優子の同級生。高校3年時、大学2年生の恋人がいる。
  • みぃたん(稲垣来泉)…梨花の義理の娘。友達思いで泣き虫。いつも「みぃみぃ」泣いていたからつけられた。※映画オリジナルの登場人物名。
  • 美人先生(朝比奈彩)…映画オリジナルキャラクター?
  • 水戸香織(安藤裕子)…優子の産みの母親。優子が3歳の時、トラックに轢かれて亡くなった。原作では名前が明かされていない。
  • 早瀬の母(戸田菜穂)…原作でも名前は明かされていない。早瀬の結婚に反対していたが最終的に認める。
  • 吉見(木野花)…泉ヶ原家の家政婦さん。(意地悪ではないが)梨花や優子に家事を一切させない。食事の食べ方にもこだわりがあり、結果的に梨花に窮屈な思いをさせてしまう。
  • 優子のクラスメイト(萩原みのり)…いじめっこの役。
  • 優子のクラスメイト(中井千聖) …いじめっこの役。
  • 田所萌絵もえ …優子の親友。優子の高校2年と3年時のクラスメイト。髪はゆるくパーマがかかっている。派手好きでハッキリものをいう性格。友達思いだが強引な面もある。浜坂を好きになったことでトラブルに発展。彼氏がいるときは上機嫌。
  • 佐伯史奈ふみな …優子の親友。 優子の高校1年から3年までクラスメイト。女子バレーボール部キャプテン。男子バスケットボール部キャプテンの西野と付き合っている。
  • 浜坂…男子高校生。高校3年時の球技大会で優子と実行委員を務める。優子に気がある。
  • 隅田… 優子のクラスメイト。目立つことやいざこざが好き。気が強いタイプ。
  • 矢橋…優子のクラスメイト。目立つ女子。隅田とともに「優子が友情より男を取った」といじめる。
  • みなちゃん…優子が小学4年生時の親友。
  • かなでちゃん…優子が小学4年生時の親友。
  • 矢守やもり…森宮さんの会社の5年後輩の女性社員。森宮さんを「森宮ちゃん」と呼ぶ。優子にとっての隅田・矢橋のような「自分をイケてる」と思ってるタイプ。
  • 脇田…優子の高校時代の恋人。同級生だが他のクラス。合唱祭後、優子に告白して付き合った。大学に入ってから他に好きな人ができたので優子と別れる。
  • 向井先生<50すぎ>…ベテランの高校教師。優子のクラス担任。真面目だが生徒のことをよくみている。
  • 山本さん<50半ば>…小さな家庭料理の店「山本食堂の店主。優子が短大卒業後、栄養士として就職。
  • 田中梨花(石原さとみ)<27>…自由奔放なみぃたんの継母。初登場時は優子が小学2年生のとき。小3から優子の母親になった。夢を追った水戸と離婚後、「ピアノがほしい」という優子のために泉ヶ原と結婚。退屈が嫌で、離婚。今度は堅実な森宮と結婚したが自由人(?)なためスピード離婚する。実は嘘と秘密があった。
  • 水戸秀平(大森南朋)…優子の実の父親。梨花の元夫。ブラジルへ会社の都合(*)で転勤する。梨花に反対され、優子も梨花と日本に残ることを希望したため、単身でいくことになる。(*映画では自分オリジナルのチョコレートを作る夢のために会社を辞めてブラジルに行く、と改変)帰国後、再婚して子供もいる。
  • 泉ヶ原茂雄(市村正親)<49>…優子の継父。梨花の2番目の夫。梨花の17歳年上。梨花の前の妻とは死別。

※<>の年齢は初登場時。

【そして、バトンは渡された】の感想

本書の第1章冒頭で「困った。全然不幸でないのだ」と優子が語ります。

映画は泣ける感動作に仕上げましたが、原作小説は優子の母以外、死にません。

基本的に明るくて、ほっこりするストーリー。森宮さんとの会話もコミカルで読みやすいです。

カツ丼・餃子・ソーメン・オムライス、食べ物も美味しそうです。

そして梨花の秘密が明かされた時や、ラストのヴァージンロードで森宮さんを父親に選ぶときなど、感動もします。

ただ、全体的に「泣ける」というのでなく、優しさ・愛情・生きる強さなどが静かに沁みる本。

ぜひ映画を見た方も一読してみてほしいです。

ちなみに、文庫本の解説は瀬尾まいこさんファンだという女優・上白石萌音さん。

上白石さんは、梨花が幼い優子に言った「楽しいときは思いっきり。しんどいときもそれなりに笑っておかなきゃ」を、これからも支えになる大切な言葉として紹介しています。

私(筆者)は文庫本239ページにある、優子の言葉「親なんてそれぞれだから比べようがないよ。(中略)愛情の示し方や種類ってみんな違うから」が印象的でした。

これは森宮さんが1896万円ある通帳をみせて、優子に本物のピアノと防音設備がある家に引っ越したいと言い出したシーンでのこと。森宮さんは「優子ちゃんの親選手権」があったら一番劣っているというのです。

それに対しての優子の考えが「比べられない」「みんな違う」です。たしかに、親たちみんな優子を愛していました。違った表現で。

私も人と比べることなく愛することが大事だなと共感しました。

映画【そして、バトンは渡された】は2021年10月29日(金)より全国公開中。

そしてバトンは渡された

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