第75回ゴールデングローブ賞 受賞結果を解説付きでお届け!【映画の部】
現地時間1月7日に開催された第75回ゴールデングローブ賞の受賞結果をお届け!
ゴールデングローブ賞は、ハリウッドを代表するセレブリティたちが一堂に会す、映画&TVドラマの祭典で、権威あるアワード。特に【映画の部】は2月に行われるアカデミー賞の前哨戦と言われるほど重要なんです。今年、栄冠を手にした最高の映画は果たしてどの作品だったのでしょうか?
【映画の部 ドラマ部門】作品賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・「Call Me by Your Name(原題)」
・「ダンケルク」
・「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」
・「シェイプ・オブ・ウォーター」
・「スリー・ビルボード」
作品賞を受賞したのは・・・
「スリー・ビルボード」
下馬評ではギレルモ・デル・トロ監督の「シェイプ・オブ・ウォーター」が好評だったのですが、ダークホース的存在だった「スリー・ビルボード」が栄冠を手に。
本作はアメリカ・ミズーリ州の片田舎を舞台に、数ヶ月前に娘を惨殺されたミルドレッド・ヘイズが捜査に進展のない地元警察に怒り、逆襲を試みるも、それが新たな事件を巻き起こすこととなる、サスペンス・ドラマ。
同作は2月1日より全国ロードショー!
【映画の部 ドラマ部門】主演男優賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・ティモシー・シャラメ(「Call Me by Your Name(原題)」)
・ダニエル・デイ・ルイス(「Phantom Thread(原題)」)
・トム・ハンクス(「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」)
・ゲイリー・オールドマン(「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」)
・デンゼル・ワシントン(「Roman J. Israel, Esq(原題)」)
主演男優賞を受賞したのは・・・
ゲイリー・オールドマン(「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」)
栄冠を手にしたのは、ゲイリー・オールドマン。史上最強のファンタジー映画「ハリー・ポッター」シリウス・ブラック役や「ダークナイト」3部作のジム・ゴードン役などで日本でも高い人気を誇るイギリス出身の名優でありますが、実は本作に登場するゲイリーに『これがゲイリー・オールドマン?!』と驚くファンも少なくなかったようです。第二次世界大戦中にイギリス首相ウィンストン・チャーチルに迫られた究極の決断を描く本作で、驚くべき変貌ぶりを魅せたゲイリーの演技が各アワードで高い評価を得ています。このままアカデミー賞も受賞なるか?
同作は3月より全国ロードショー!
【映画の部 ドラマ部門】主演女優賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・ジェシカ・チャステイン(「Molly’s Game(原題)」)
・サリー・ホーキンス(「シェイプ・オブ・ウォーター」)
・フランシス・マクドーマンド(「スリー・ビルボード」)
・メリル・ストリープ(「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」)
・ミシェル・ウィリアムズ(「All the Money in the World(原題)」)
主演女優賞を受賞したのは・・・
フランシス・マクドーマンド(「スリー・ビルボード」)
作品賞を受賞した「スリー・ビルボード」から主演のフランシス・マクドーマンドが受賞。
1996年の「ファーゴ」でアカデミー主演女優賞、2011年の「Good People」でトニー賞、2015年の「オリーヴ・キタリッジ」でエミー賞と、米演劇界の三冠王を達成している彼女が見事な怪演を披露。本作の評価の高さは彼女の演技によるものが大きいように思います。
【映画の部 ミュージカル/コメディ部門】作品賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・「The Disaster Artist(原題)」
・「ゲット・アウト」
・「グレイテスト・ショーマン」
・「I,Tonya(原題)」
・「Lady Bird(原題)」
作品賞を受賞したのは・・・
「レディ・バード」
「グレイテスト・ショーマン」や「I,Tonya」といった話題作を抑えての受賞。
「フランシス・ハ」「20センチュリー・ウーマン」などで知られる女優のグレタ・ガーウィグが、自身の自伝的要素を盛り込みながら描いた青春映画。カトリック系の高校に通うクリスティンが自身の将来に葛藤しながらも、前に進んでいく姿をユーモラスに描く。
日本公開は6月を予定。
【映画の部 ミュージカル/コメディ部門】主演男優賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・スティーヴ・カレル(「Battle of the Sexes(原題)」)
・アンセル・エルゴート(「ベイビー・ドライバー」)
・ジェームズ・フランコ(「The Disaster Artist(原題)」)
・ヒュー・ジャックマン(「グレイテスト・ショーマン」)
・ダニエル・カルーヤ(「ゲット・アウト」)
主演男優賞を受賞したのは・・・
ジェームズ・フランコ(「The Disaster Artist(原題)」)
実在の人物を演じたジェームズ・フランコが受賞。
同作はグレッグ・セステロとトム・ビゼルがに上梓したノンフィクション「The Disaster Artist」を原作とし、史上最低の映画としてカルト的な人気を博す「The Room」の製作過程を描き出した作品で、ジェームズと弟のデイヴ・フランコが共演していることでも大きな話題となっています。
日本公開は未定。
【映画の部 ミュージカル/コメディ部門】主演女優賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・ジュディ・デンチ(「Victoria&Abdul(原題)」)
・ヘレン・ミレン(「ロング, ロングバケーション」)
・マーゴット・ロビー(「I,Tonya(原題)」)
・シアーシャ・ローナン(「Lady Bird(原題)」)
・エマ・ストーン(「Battle of the Sexes(原題)」)
主演女優賞を受賞したのは・・・
シアーシャ・ローナン(「レディ・バード」)
作品賞受賞の「レディ・バード」から主演のシアーシャ・ローナンが受賞。
2007年の「つぐない」で13歳という史上7番目の若さでアカデミー賞にノミネートされた彼女は、その後も「ラブリー・ボーン」や「ブルックリン」などで高い評価を得てきました。「レディ・バード」でもティーンの女の子が抱える不安や悩みを見事に体現して魅せ、時折コメディ演技も披露するなど、その才能を遺憾なく発揮しています。
【映画の部】助演男優賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・ウィレム・デフォー(「The Florida Project(原題)」)
・アーミー・ハマー(「Call Me by Your Name(原題)」)
・リチャード・ジェンキンズ(「シェイプ・オブ・ウォーター」)
・クリストファー・プラマー(「All the Money in the World(原題)」)
・サム・ロックウェル(「スリー・ビルボード」)
助演男優賞を受賞したのは・・・
サム・ロックウェル(「スリー・ビルボード」)
ウィレム・デフォーやリチャード・ジェンキンズ、クリストファー・プラマーなどのベテラン陣を押しのけての堂々の受賞。
主に名脇役として高い評価を得ている彼が本作で演じるのは、人種差別主義者でマザコンのトラブルメーカー ディクソン巡査。味のある演技でキャラクターの変化を好演。
【映画の部】助演女優賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・メアリー・J・ブライジ(「マッドバウンド 哀しき友情」)
・ホン・チャウ(「ダウンサイズ」)
・アリソン・ジャネイ(「I,Tonya(原題)」)
・ローリー・メトカーフ(「Lady Bird(原題)」)
・オクタヴィア・スペンサー(「シェイプ・オブ・ウォーター」)
助演女優賞を受賞したのは・・・
アリソン・ジャネイ(「I,Tonya(原題)」)
アメリカ人として初めてトリプルアクセルを決めた女子フィギュアスケーターでありながら、ある愚行によって”不名誉のフィギュアスケーター”の烙印を押されたトーニャ・ハーディングの伝記映画で、トーニャの母ラヴォナを演じたアリソン・ジャネイが受賞。『アリソン・ジャネイの演技は金メダルだ!』などと評されています。
同作は2018年初夏に全国ロードショー!
【映画の部】監督賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・ギレルモ・デル・トロ(「シェイプ・オブ・ウォーター」)
・マーティン・マクドノー(「スリー・ビルボード」)
・クリストファー・ノーラン(「ダンケルク」)
・リドリー・スコット(「All the Money in the World(原題)」)
・スティーヴン・スピルバーグ(「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」)
監督賞を受賞したのは・・・
ギレルモ・デル・トロ(「シェイプ・オブ・ウォーター」)
こちらは下馬評通りのギレルモ・デル・トロが栄冠を手にしました。
「シェイプ・オブ・ウォーター」は、1962年のアメリカを舞台に、幼い頃のトラウマで声を出せなくなってしまった女性イライザとアマゾンの奥地から連れてこられた”彼”との関係を描いた、ファンタジー・ロマンス。
これまで「パンズ・ラビリンス」や「パシフィック・リム」などのいわゆる”モンスターもの”で手腕を発揮し、その巧みな想像力で映画ファンを唸らせてきた彼の実績がようやく結実したと言えそうです。受賞スピーチも心を揺さぶるものでした。
同作は3月1日より全国ロードショー!
【映画の部】外国語映画賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・「ナチュラルウーマン」
・「最初に父が殺された」
・「女は二度決断する」
・「ラブレス」
・「The Square(原題)」
外国語映画賞を受賞したのは・・・
「女は二度決断する」
ドイツの「女は二度決断する」が受賞。
「イングロリアス・バスターズ」のダイアン・クルーガーが主演を務める、ドラマ映画。第70回カンヌ国際映画祭では最高賞パルムドールを争い、主演女優賞を獲得。世界三大映画祭を制した巨匠として名を馳せるファティ・アキン監督作品。
同作は4月14日より全国ロードショー!
【映画の部】アニメ映画賞
ノミネート作品は以下の通り↓
・「ボス・ベイビー」
・「The Breadwinner(原題)」
・「リメンバー・ミー」
・「Ferdinand(原題)」
・「ゴッホ 最期の手紙」
アニメ映画賞を受賞したのは・・・
「リメンバー・ミー」
下馬評通り、ディズニー・ピクサー最新作「リメンバー・ミー」が受賞。
おもちゃの世界、魚の世界、モンスターの世界に続き、ディズニー・ピクサーが描くのは”死者の世界”。カラフルで美しい世界が広がり、時を超えて、家族を繋ぐ物語。すでに鑑賞済みの全米のファンからも絶賛の声が届いています。
同作は3月16日より全国ロードショー!
最多受賞は?
今年の映画の部における最多受賞は「スリー・ビルボード」の作品賞、主演女優賞を含む4冠。今年の授賞式はセクハラや差別などに対抗するため、黒のドレスやスーツで包まれたものでした。現在、ハリウッドは大物プロデューサーのセクハラ問題を発端に大きく揺れている状態。そういった意味でも”レイプ殺人”という題材を扱った「スリー・ビルボード」が高く評価されたのかもしれません。
受賞作の日本公開を楽しみに待ちましょう!
【TVの部】の受賞結果は・・・
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