ドラマ放送前に!【視覚探偵日暮旅人】金曜ロードショー版のあらすじをほぼ完全再現!

2017年1月から【視覚探偵日暮旅人】が連続ドラマとして復活します。

そこでテレビ初登場となった金曜ロードショー版はどんな話だったのか振り返って行きたいと思います。

今回は金曜ロードショー版【視覚探偵日暮旅人】のあらすじとキャストについて。

新ドラマ版の番組情報などは↓こちら

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目次

金曜ロードショー版【視覚探偵日暮旅人】のキャスト

日暮 旅人:松坂桃李

幼い頃に遭った誘拐事件で嗅覚、味覚、触覚、聴覚の全てを拒絶しているため、全てのことを視覚からの情報のみで感じている。”てい”の父親役をしている。

山川 陽子:多部未華子

ていの通っている保育園の先生。熱い感情が湧き出してくると自分の服の首元を握る癖がある。

雪路 雅彦:濱田岳

旅人と探偵社をしているチンピラ。根は優しい。

小野 智子:木南晴夏

陽子の幼稚園の先輩。合コンに命を懸けている。

百代 灯衣:住田萌乃

“てい”。旅人と一緒に暮らす女の子。彼女の出生は謎に包まれているが雪路が金をもらって受けた依頼と関係している。

須藤 栄美:臼田あさ美

せいじ君の母親。せいじを虐待していたが改心した。

朝井 権:落合モトキ

小野が合コンで出会ったテレビ局のディレクター。左遷させてとんでもない事件を起こす。

山川 陽一郎:山崎一

陽子の父。レストランを経営している。

榎木 渡:北大路欣也

旅人が通う診療所の先生。看護師とイチャイチャしている。

看護師:橋本マナミ

妙にセクシーな格好をしている榎木の診療所の看護師。

太田 宏幸:木下ほうか

テレビのチーフディレクター。

金曜ロードショー版【視覚探偵日暮旅人】のあらすじ

日暮旅人(松坂桃李)と雪路雅彦(濱田岳)は探し物専門の探偵をしている。

この日もヤクザ風の男から会長の飼い猫”宍戸錠さん”の捜索依頼を受けていた。

路地を曲がり、そこには空っぽの猫の餌箱があった。

旅人『見つけましたよ。』

そこには灰色の大きな猫がいた。

日暮旅人は聴覚、嗅覚、味覚、触覚を失ったまま視覚だけを頼りに探偵をしている。

山川陽子(多部未華子)は保育園の先生をしていた。

先輩の小野智子(木南晴夏)は今日も男に感けて陽子に仕事を押し付けて先に帰ろうとしていた。

これ以上婚期が遅れたら…と悲劇のヒロインのようにせがまれ、結局遅番を代わってあげることにした。

小野の担当のリス組には二人の子供がいた。

鍵を盗み出そうとする男の子、せいじ君とダイオウグソクムシの折り紙をしている生意気な女の子、ていちゃん。

せいじ君は母親が迎えに来て帰って行った。

ていちゃんは母はおらず、父は迎えには来ない、いつも”ユキジ”が迎えに来るという。

しかしこの日は待ちきれなくなったのか一人で塀を越えて帰ろうとしている。

陽子はていちゃんを追いかけた。

彼女の通る道はフェンスの穴や脇道など周辺に詳しい陽子も知らない道ばかりだった。

途中でキーホルダーのチャームがなくなっていることに気付いたがていちゃんを優先した。

着いたのは怪しい店が立ち並ぶ通りにある雑居ビル。

部屋に入るとソファには死んだように寝ている男がいた。

ていちゃんは『それ、パパ。起こさないで。』と言った。

ていちゃんは爆音でロックを掛けながらご飯を食べ始めた。

陽子は帰ろうとしたが、父親に一言言おうと音楽を止め声をかけた。

『すいませんお父さん。起きて下さい。お子さんに一人で食事を…』

陽子は父親をゆすってソファから落としてしまった。

『す、すみません。』

父はムクッと起き上がると娘の頭をポンと叩き、お菓子を食べ始めた。

陽子『あの、お父さんですよね?』

父『は、はい。日暮旅人と申します。』

陽子は怒涛のように叱責し始め、旅人はその言葉を避けているようだ。

てい『仕方ないでしょ。パパは言葉を目で見てるんだから。』

そこに札束を持った雪路が帰ってきた。

『ごめんごめんお迎え行くの忘れてた。』

陽子はてっきり雪路はおじいさんだと思っていたが24歳で髪はドレッドの男。

雪路はていに札束を数えさせ始めた。

ていの家庭環境についてはもう無理だと悟り、陽子は諦めて帰ることにした。

落としたキーホルダーの事を思い出したが、陽子が子供の頃に友達が落としたのを拾って持ってきてしまったものなので、これで忘れられるとこちらも諦めた。

次の日、職員会議をしているとていちゃんが陽子を呼びに来た。

陽子が向かったその先には旅人が陽子のキーホルダーを探していた。

昨日見た陽子の切れたキーホルダーとこの道にある”後悔の模様”が同じだったからだという。

『僕、感情が模様で見えるんです。』

探しながら雪路に『聞こえてねぇんだから。ついでに言うと臭いもわかんねぇ。触覚もねぇ。』と言われて驚く。

旅人はそのまま池に入っていき手を水の中に突っ込んだ。

旅人『ありました!』

雪路はこんな汚いキーホルダーは池の中がお似合いだと馬鹿にした。

陽子はみんなで自分をからかっていると思い、きつい口調でキーホルダーに込められた感情を聞いてみた。

すると旅人は目薬のようなものを点した。

旅人の目の色は水色に変わった。

『郷愁や後悔、幼い愛情が見えました。どんな感情もそれに価値があるかどうかはその人だけのものです。立ちションベンがしたいという感情も宇宙人の侵略からこの星を守るための立ちションベンだとしたら、かけがえのないものになりますしね。』

旅人は雪路の非礼を謝った。

陽子はキーホルダーに対する自分の感情をズバリと言い当てられて驚いていた。

まだ旅人の不思議な能力をまだ信じられずにいたが旅人が嘘をついているようにも見えなかった。

幼稚園で小野に呼び出され、ていちゃんが旅人の本当の父親ではないことを知る。

そしてお絵かきの時間にみんなが両親の絵を書いているのにていちゃんは旅人一人を書いているのを見かけた。

せいじ君も父親がいないので母親だけが書かれていた。

小野『探偵パパを落とすには母親代わりをするのがいい。ていちゃんには母親の愛情が必要なんだよ。』

体裁はどうあれ陽子は少し考えさせられた。

旅人と雪路はとある病院に来た。

いかがわしいポスターの貼ってある小さな病院、奥の診療室に入ると榎木渡(北大路欣也)が看護師の女性(橋本マナミ)といちゃついている最中だった。

その日は旅人の定期検診の日だったことを忘れていたらしい。

陽子は幼稚園に迎えに来た旅人と雪路に話しかける。

そして家に行きキーホルダーのお礼だと料理をした。

かなりまずかったらしく旅人以外は食べ残した。

これは父のやっている有名な洋食屋のレシピでネットでも美味しいと評判のものだった。

陽子はまずいと言われ納得がいかず、父の店に連れて行った。

てい『美味しい!おかわり!』

陽子『その目のこと、どこまで信じていいのか迷ってます。』

料理が難しいなら園に内緒で手伝うと申し出るがまずい料理は嫌だと言う。

旅人は陽子の父の料理を見て陽子のには何か2つ隠し味が足りていないという。

旅人は『本気出して良いかな?』と目薬を点す。

旅人はチョコが足りていないと言い当てた。

もう一つは…

そこに小野が合コンで出会った東大卒のテレビ局に勤める男を連れてやってきた。

少しゴタゴタした後、陽子の父は旅人にもう一つの足りない物を聞いた。

『言ってもいいんですか?軽い嫉妬が見えました。』

陽子の父は『この味は店を継いでくれる人に教えようと思ってたんだ。将来の旦那候補を連れてきて嫉妬しちまったんだ。』

次の日、旅人が保育園に来た。

その時みんなの描いた絵を見た旅人がせいじ君の絵を気にし始める。

ちょうどせいじ君の母親が迎えに来たところだった。

旅人はせいじ君の絵に深い悲しみが見え、重大な問題を抱えているのではないかと園長に言う。

旅人はその帰りにせいじ君の母親が働く弁当屋に立ち寄り、その様子を見た。

小野にテレビ局の彼から左遷されたとのメールを受け取る。

小野は見切りをつけてお付き合いしているつもりはないからこれからも友達でよろしくと返した。

『旦那候補が左遷か…ついてないなー。』

その日のお昼寝の時間、小野はつい寝てしまった。

目を覚ますとせいじ君の姿が無いことに気付く。

職員全員で捜索するが見つからない。

そんな時、ていちゃんが『せいじ君が連れて行かれるのを見た』と言う。

近所に不審者情報も出ていたので職員たちは焦った。

園長と陽子が旅人の家に行くとそこにせいじ君は寝ていた。

園長『日暮さん、どういうつもりですか!』

旅人『シーッ。昼寝中です。勝手に連れ出したのは謝ります。ただ、これを見て頂きたくて…』

それを見た園長と陽子は驚いた。

せいじ君がいなくなったと聞き、せいじ君の母が急いでやってくる。

そこには旅人と雪路の姿もあった。

旅人『せいじ君をお返しする前に一つ質問させて下さい。』

せいじの母『お返しって言われてもせいじは私の子ですから。』

旅人『そうですあなたの子です。あなたお一人で育てている。』

雪路『あんた今恋人は?』

せいじの母『シングルマザーだとわかるとすぐ恋人がいるのか気にする人がいますね。育児と恋愛の両立は可能なのかと言いたいんですか?ハッキリ言ってセクハラです。』

雪路『で、恋人は?』

せいじの母『いないわよ。』

旅人『そうですか。ではこの傷はやはりあなたがつけたものですか?』

せいじ君の頭は刈り込まれ、そこにはたくさんの傷があった。

旅人はせいじ君の頭から痛みや悲しみの感情が見えたから髪を切ったという。

せいじの母『家庭によってしつけの方針はいろいろだと思います。』

旅人『お仕事は大変でしょう。その苛立ちをぶつけるのはしつけではありません。』

せいじの母は『そんなのあなたにわかるわけないでしょ。勝手に子供の髪を切って許されると思ってるの?』とせいじを連れ帰ろうと手を引っ張った。

せいじはその手を振り払った。

髪を切って欲しいと自分が頼んだからこの人達は悪くないと主張する。

せいじ『でもママは悪くないの。僕のお行儀が悪いから、ママを困らせるから僕がいけないだけでママは悪くないから。』

せいじは母親に抱きついた。

せいじの母『やめてせいじ。やめて!』

せいじの母はせいじを突き飛ばした。

せいじの母『こういうことなんです。この子は無条件で私を信頼してます。仕事で疲れて怒鳴った時も、ママ、ママ、好きだよって。私こんなに愛されてもそれに応えてあげられるほど強くないんですよ。この子の愛情に応えてあげる余裕が今の生活にはないんです。あなたたちにはわからないでしょうけど。』

それを聞いた陽子は雪路を押しのけて前に出た。

陽子『大変かもしれません。でも、この日暮さんだって一人でていちゃんを育てているわけで…』

旅人『確かに僕にはわからないのかもしれません。ていとは血の繋がった親子ではありません。もちろん娘のようには思ってますが。でも本当の子供が血の繋がった親を無条件で本能で信頼するということ、本能でそれに応えようとすること、僕とていの親子ごっこでは意味としてはわかっていても本能としてはわかっていないのかとも思います。』

陽子『そんなことありません。ていちゃんと日暮さんは十分親子ですよ。』

旅人『見えるんです。僕には。感情と本能は違う。だからこそ僕はあなたが羨ましい。もっと胸を張って本能でせいじ君に愛されて下さい。』

せいじの母はせいじを抱きしめた。

せいじ『ママ、泣かないで。泣かないで。』

せいじの母はお礼を言って帰って行った。

陽子からもお礼を言われた。

旅人『見えたものがうまく伝えられなくて大事にしてしまいました。すみません。』

その時、旅人は急に倒れた。

旅人が目を覚ましたりまた寝たりを繰り返した。

榎木が家にきており、雪路は仕事量を控えろと怒られた。

そして『金のためなら見知らぬ子供も預かるチンピラ』と言われた。

雪路『その話はやめろ。』

そこにていと陽子が来た。

陽子は食事の用意をして一緒に食べた。

その時、ていの髪が邪魔なことに気付き陽子は自分のヘアピンをつけてあげた。

夕食後、陽子はていちゃんの世話をしに来ることを言うため、寝ている旅人に話しかけた。

榎木『旅人は一度寝たら外部から起こす事は不可能です。唯一の感覚である目を閉じることは恐怖だと思います。その視力も失われつつあることがわかりました。』

雪路『あんたのせいだよ。兄貴の仕事は最小限にしてきた。でも他人のあんたの為に本気の目を何度も使った。あんたが無理に使わせたわけじゃねぇ。でも兄貴はあんたを気にしてる。あんたがそばにいると兄貴は目を使っちまう。悪いが少し距離を置いてくれねーか。』

次の日、ていは朝ごはんを作る為に一人で牛乳を買いに行った。

その帰り道、男に声を掛けられた。

陽子に雪路から電話が来た。

ていがいなくなったという。

しかし今の旅人に頼めるわけがない。

二人は町中を探し回った。

家の近くの公園でていの靴を見つけた。

榎木が雪路に頼まれて旅人の家に行った。

ていがいなくなったことを誤魔化すためだ。

しかし起きた旅人はすぐ榎木の嘘に気付いてていを探しに行ってしまった。

雪路たちは旅人が出かけたことを聞き旅人の元へ。

旅人は『恐怖が見える』という。

雪路は必死で止める。

旅人『僕がこの目で見る一番好きな光景は何だと思う?ていの笑顔だよ。それをもう一度見るためならこの目を失ってもいい。他に見たいものなんかない。』

雪路『わかったよ。案内してくれ。』

旅人は目薬を点す。

フラフラの旅人を支えてとあるマンションに着いた。

しかしどの恐怖がていのものなのかがわからない。

旅人は昨日陽子がつけてあげたヘアピンに目を付ける。

そのヘアピンには愛情の気持ちが見える、同じ模様が見える部屋があるという。

雪路のピッキングにより部屋に入るとそこはアイドルのポスターが壁一面に貼ってありアイドルの映像が流れていた。

そこにていのヘアピンを見つけた。

そしてその奥には陽子の先輩、小野の写真がたくさん飾られていた。

その時、小野から電話がくる。

小野はテレビをつけるように言う。

テレビにはなんと小野が付き合っていたテレビ局を左遷された朝井がていに爆弾を巻きつけて籠城している様子が映っていた。

誰かが逃げ出した時点で爆破スイッチを押すと脅している。

3人は急いでテレビ局に向かった。

テレビ局ではチーフディレクターの太田宏幸(木下ほうか)が数字を取れるから放送し続けろと指示していた。

しかし太田プロデューサーを呼び出し、彼の不正を明かすフリップを読ませた。

朝井は太田の領収書不正の責任を取らされて左遷され彼女にもフラれたことを根に持っている。

旅人たちが到着したころ、テレビ局の周りには警察も押しかけていた。

その時、ていが朝井に話しかけた。

『ねぇ東大、私子供だからわからないんだけど、おじさんがやってることって八つ裂きって言葉で合ってるんだっけ?』

朝井『それを言うなら八つ当たりだ!』

その時、スタジオに旅人たちが入ってきた。

朝井は興奮気味でていに代わって身代わりになれるやつはいないのかと言いだした。

テレビ局の大人たちは急にうつむき、目をそらした。

するとていは『いいよ。身代わりいらない。ていが死ぬよ。みんなきっと家族がいるんでしょ。死んだら家族が悲しむよ。ていは家族いないから、ていが死ぬのが一番いいよ。雪路もパパも本当の家族じゃないもん。』

旅人は必死にていに違うと言おうとする。

てい『誤解しないで。パパが嫌いなわけじゃないから。何を言われてもパパが本当のパパじゃないのは変わらないから。私迷惑かけたくないんだよ。今までありがとう。』

旅人『てい!パパはパパに見えているのが本当のものなのかいつも自信が無いんだよ。声や臭いが目で見える、そんなことパパだって今でも嘘じゃないかって思ってる。でもね、信じてくれる人がいるから、信じてくれるていや雪路や先生がいるから本当なんだって思える。だからさ、てい、信じ合おう。パパとていは親子。二人で親子だって信じ合おう。本当より本当の親子になろう。』

朝井『なーんだこの深いい話はよー!気が変わった。もう爆破するわ。俺が見せたいのはそういうことじゃない。』

朝井はカウントダウンし始めた。

旅人は目薬を点した。

そしていきなり話し出した。

『皆さん!一瞬でもいいから想像してみて下さい。宍戸錠という猫がいます。さて、どんな猫でしょうか!…ハイ!ありがとうございます。』

そしてみんながキョトンとしている中、雪路に突っ込ませた。

朝井は雪路の飛び蹴りで吹っ飛んだ。

そして旅人はスイッチを手に取り、『ゼロ!』と言ってスイッチを押した。

しかし爆発しなかった。

旅人『目良いんですよ僕。あなたに殺意がないのが見えました。あとたくさんの後悔と自分のことを嘆いているのが見えました。』

朝井『そうです。偽物でした。まぁ、お前らの悪事を放送するためのものであり、俺の目的は達成!』

朝井は逮捕された。

旅人がなぜ猫の話をしたのかというとみんなの殺意で朝井の殺意が確認できなかったからみんなの意識をそらして確認したのだった。

陽子『みんなホッとして良い笑顔ですね。』

旅人『僕にはざまぁみろという感情ばかり見えてしまって…』

てい『パパ、ていはパパを信じるよ。』

旅人はその場で倒れた。

数日後、陽子が診療所に行くと雪路がいた。

陽子『まだ眠ったままですけど気のせいか顔色は良くなったと思います。でも最近自分が感じたことが正しいのか自身がないんです。みんな良い笑顔だと思ったのに日暮さんだけは私と同じ光景をみているようでまるで別の世界にいるんだなーって。』

雪路『暗い顔するのはやめようや。あれから改めて兄貴は俺の感情を見ていたんだなって思ったわけよ。だったらできるだけ明るい感情見せてやりてーよ。自分の周りにきったねー感情ばっかりウヨウヨしてたら兄貴もウンザリしちまうだろ。』

陽子『でも日暮さんはちゃんと見ていたんだと思いますよ。ていちゃんや雪路さんが本当の意味でどんな人間かってことを。そして一緒にいることを選んだんです。羨ましいです。二人はきっと綺麗な模様をしているんです。特に雪路さんは仕事も口も格好も髪も顔も全部汚いですけど。私ももっときれいな模様になりたいです。』

看護師が『あの、日暮里さんが!』と入ってきた。

陽子&雪路『ひぐらし!』

二人が病室に向かうと旅人は目を覚まし、ていがその手を握っていた。

私の目には幸せそうな二人が映っている。誰が見ても日暮さんとていちゃんは幸せそうに見えるんだろうか。もしそうだとしたら私はとても嬉しい。もう本当に世界中のだれがどんな風に見ても幸せな光景と言うものを見たい、陽子は思った。

陽子は榎木から話を聞いた。

旅人は5歳の時にとある誘拐事件に巻き込まれ、大人でも耐えられない環境でしばらく監禁されていた。

彼の体は正常に機能しているのだが精神的にそれを拒否している。

気持ちが元に戻れば彼の体は元に戻る。

榎木は陽子にはそれができるのではないかと言う。

陽子が幼い頃キーホルダーを盗んだ相手、それはターくんという名前だったと気付いた。

保育園の先生はターくんは引っ越したと動揺しながら言っていたのを思い出したのだ。

陽子はていや旅人といつか家族のような関係になりたい。

まずは信じること。

そう思いながら今日も共に過ごしている。

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