Netflix映画【パレード】のネタバレと感想!この世を去った者たちのラストとは?
Netflix映画『パレード』(THE PARADES)が、2024年2月29日に独占配信スタート。
主演の長澤まさみを筆頭に、坂口健太郎や横浜流星、森七菜など豪華なキャストが勢揃いのため、配信前から「期待できる」「豪華すぎる」と話題になっていました。
亡くなった者たちが会いたい人を探す“パレード”に参加する美奈子やその仲間たちは、無事に未練を断ち切ることができたのでしょうか。
本記事では『パレード』の感想とともに、ストーリーを紹介していきます。ネタバレを含みますのでご注意くださいね。
映画【パレード】の原作は?
『パレード』には原作がなく、完全なオリジナル作品です。
そのため、Netflixでの配信を見た人にしかストーリーは分かりません。事前にネタバレする心配がないのは安心ですね。
2010年公開の映画【パレード】との関連性は?
2010年にも映画『パレード』が公開されましたが、今回のNetflix映画との関連性はなく、まったくの別物です。
ちなみに2010年の『パレード』は、5人の若者たちがルームシェアする様子を描いた小説をもとに映画化されました。
映画【パレード】のネタバレ
この物語は、震災を想起させるようなシーンから始まるため、ご視聴には十分ご注意ください。
仲間たちとの出会い
津波の影響で海辺に打ち上げられた美奈子(長澤まさみ)は、息子の良を探しに行くが、発した声は誰にも届かず、人に触れることもできなかった。
途方に暮れていると、どうやら自分の姿が見えているらしい青年・アキラ(坂口健太郎)に出会う。アキラに連れられて向かった先は、“現世に未練がある者たちが集まる場所”。全国各地にこんな場所があるという。そして美奈子はようやく自分の“死”を自覚し始めるのだった。
しかし美奈子は、「自分は息子を探さなければならない」と、仲間の輪に入ろうとしない。そんな様子を見たアキラから、「今日1日だけ僕たちに付き合ってほしい」と言われ、初めての“パレード”に参加することに…。
月に1度のパレード
パレードが行われるのは月に1度、新月の夜。みんなで明かりを灯しながらパレードのように歩き、会いたい人を探すのだ。
あちらこちらで涙の再会を果たす人たち。「ごめんな」「守ってやれなかった」…。そんな切ない会話が繰り広げられる。
そして何度目かのパレードのとき、ついに美奈子の息子・良が見つかった。施設のような場所にいる良のもとへ向かった美奈子は、ようやく再会を果たす。
美奈子は亡くなっているはずだが、どうやら良には美奈子の姿が見えていて、声も届いているようだった。翌朝、良が目を覚ますと、そこにはもう美奈子の姿はない。良の目からは涙が…。もしかしたら、良は夢の中で母親との再会を果たしていたのかもしれない。
映画【パレード】の見どころ
それぞれの“会いたい人”は誰?
メインキャストそれぞれの会いたい人は、以下のとおりです。
美奈子…息子・良。シングルマザーにもかかわらず亡くなってしまい、息子を一人にしてしまった。
アキラ…家族。牧場を営む家庭に生まれるが、体が弱く寝たきりの生活を送っていた。頑固な父親が怖かった。
勝利…妻。ヤクザだった勝利は、7年前の抗争をきっかけに、妻を残したまま亡くなってしまった。
ナナ…同級生。学校で壮絶ないじめに遭い、一緒いじめを受けていた同級生を残し、自ら手首を切ってしまった。
田中…明かされていない
かおり…家族。娘が母親になるまでは“あの世”に生きたくないと願っていた。
マイケル…元恋人。若い頃に学生運動に参加していたが、捕まるのを恐れて恋人を置いて逃げてしまった。
それぞれの“会いたい人”には会えたのか?
結論から言いますと、みんなそれぞれ“会いたい人”に会えていました。しかし、「パレードで探して会えた」というより、もともとの居場所(家や学校など)に会いに行ったり、偶然会えたり…といった流れ。
そのため、メインキャストの中で、パレードのおかげで再会できたのは美奈子だけです。そして、会いたい人に会えた場合は、“その先”に行くことになっているこの世界。明確に“その先”に行ったシーンが描かれていたのは勝利だけでした。勝利は、自身の七回忌で墓を訪れた際、ずっと会いたかった妻に再会できたのです。
しかし、“その先”については深く触れられていません。
物語の結末とは?
実は、この物語には唯一生き残った人物がいます。それがナナです。ナナは、たしかにあの世にいて、仲間たちとパレードに参加していました。これは推測ですが、ナナはあの世とこの世を行き来していただけなのかもしれません。
ある日病院で目が冷めたナナは、しばらくしてから監督として映画を作っていました。その映画というのは、あの世の仲間たちと作成した作品。元映画プロデューサーのマイケルを中心に、自分たちの様子を映画に残していたのですが、恐らくそれに近い物語をつくったと思われます。
その映画を見に来ていた人の中には、良やかおりの家族も含まれていて、しかもナナとは顔なじみのようでした。恐らくナナは眠っているときに過ごしてきた仲間たちとの時間をきっかけに、良やかおりの家族とコンタクトを取っていたのかもしれません。
映画【パレード】の感想
言わずもがなキャストが豪華で、設定も面白いなと感じましたが、さまざまな謎が残ったまま物語は終わりを迎えました。美奈子が、自身の手帳に「その先とは?」「成長するのか?しないのか?」「老いは?」「病気になることはない?」「未練が消えないままだとどうなる?」と書いていましたが、そのほとんどが明らかになっていません。
結末がはっきりせず、“解釈は視聴者任せ”のドラマや映画はよくありますが、本作もそのパターンのようです。謎は多いままですが、お互いの解釈を話し合ってみるのも楽しそうですね。大切な人に会いたくなる、温かくて涙が溢れる作品であることに間違いはないです。
ちなみに、エンドロールで聞く主題歌「なみしぐさ」がとても沁みました。
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