【思い出が消えないうちに】のネタバレあらすじ!コーヒーが冷めないうちに続編第3弾

コーヒーが冷めないうちにポスター1

【思い出が消えないうちにないうちに】のネタバレあらすじ!

有村架純主演で映画化された『コーヒーが冷めないうちに』シリーズの続編、第3作目【思い出が消えないうちに】が2018年9月19日に出版されました。

フニクリフニクラでなく、北海道・函館にある「喫茶ドナドナ」で起きた、切なく、もどかしい4つの物語です!

今回は気になる【思い出が消えないうちに】のネタバレあらすじと感想について、どこよりも早くお届け!

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目次

【コーヒーが冷めないうちに】シリーズ概要

『コーヒーが冷めないうちに』シリーズは、”4回泣ける”の帯が話題になり、累計100万部を突破したヒット作。

一言でいうと”過去に戻って会いたい人に会える不思議な喫茶店の物語”です。(厳密には未来にも行けます。)

著書:川口俊和(大阪府茨木市出身。1971年生まれ。元・劇団音速かたつむり脚本家兼演出家。代表作は「COUPLE」「夕焼けの唄」「family time」等。小説の元となった舞台、1110プロヂュース公演「コーヒーが冷めないうちに」で、第10回杉並演劇祭大賞を受賞した。)

第1作:『コーヒーが冷めないうちに』(2015年12月5日発売/サンマーク出版)※本作が川口氏の小説デビュー作。

第2作:『この嘘がばれないうちに』(2017年3月14日発売/サンマーク出版)

第3作:『思い出が消えないうちに』(2018年9月19日発売/サンマーク出版)

有村架純主演で映画化!

有村架純主演の映画『コーヒーが冷めないうちに』の原作は、川口俊和氏の小説『コーヒーが冷めないうちに』と、その続編『この嘘がばれないうちに』。

映画化で小説もさらにヒットすること間違いなしです。

映画版と小説2作の舞台は、過去に戻れる都市伝説がある喫茶店「フニクリフニクラ」(小説3作目は違う喫茶店)

そこには、めんどうなルールが5つありました。

1.過去に戻って、どんなことをしても、現実は変わらない。
2.過去に戻っても、喫茶店を出る事はできない。
3.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、
そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。
4.過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
5.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない人には会う事ができない。

ただし、これは映画版のルール。

2番目の項目は、「席を立って移動することはできない」と小説ではなっています。

映画では映像的な動きが必要と判断したのでしょう。店の中は動けるように改変されました。

この面倒なルールのため、都市伝説はしだいに忘れられていきました。

しかし、戻っても現実は変わらないのに、それでも今日もその席へ座る人が現れ、心温まる物語が展開されます。

【思い出が消えないうちに】の概要

【思い出が消えないうちに】の舞台・時代

舞台は、北海道函館市の喫茶店「ドナドナ」。地下にあった「フニクリフニクラ」と違い、窓からは函館港を一望できる。

…明治のはじめ頃に作られたお店で、その時から過去に戻れたらしい。最初は、誰もいない店内に「過去に戻ってどんな努力をしても現実は何も変わらない」と書かれた手紙が置いてあったという。

本書の時代設定は、2030年。(本書の出版年より12年先の未来です!)

【思い出が消えないうちに】で明かされたこと(ネタバレ)

・シリーズ第1作『コーヒーが冷めないうちに』第4話で、時田数といとこの時田流が北海道に行っていました。その理由が明かされます。

→それは喫茶店ドナドナの店長代理と過去に戻す幸の付き添いの為

→過去に戻れる喫茶店ドナドナの経営者は流の母・ユカリ。彼女がアメリカ人の少年の父親を探しに渡米してしまいました。ドナドナは長期休業するが、バイト代を払うといわれた玲司。彼が負い目を感じて東京に来たついでに流に相談。店長代理を引き受けることになったのです。

→流だけの予定で過去に戻る奇跡は休業のつもりが、数の娘・幸(7才)が行きたいと自分から言い出します。保護者として数も向かったわけでした。

・第2作の『この嘘がばれないうちに』ラストで幽霊の女が座っていた席には、初老の紳士が座っていました。彼が『思い出が消えないうちに』で登場。

なんと「ドナドナ」の過去にもどれる席に幽霊として座っています。(はじめに言っておくと、老人の正体については最後まで説明がありません。)

・ほかに明かされた秘密として、”コーヒーを注ぐケトル”だけは、代々使われてきた銀製のものでないといけない。他のケトルでは過去に戻れないらしい。

さらに言うと、実はコーヒーの淹れ方(サイフォン、ドリップ方式)は関係ない。コーヒ―以外(紅茶・ココア)を注いでもダメ。特別なコーヒー豆ではなく市販のものだと明かされる。

【思い出が消えないうちに】の登場人物

時田流(ときた・ながれ)…東京の喫茶店「フニクリフニクラ」のマスター。本書では母の店、北海道函館市にある喫茶店「ドナドナ」の店長代理を務める。

時田計(ときた・けい)…流の亡き妻。東京の喫茶店「フニクリフニクラ」にて、15年前から2030年の娘・ミキに会いに来た。

時田ミキ(ときた・みき)(14)…流と計の娘。時間移動の能力を受け継ぐ。2030年現在、都内の「フニクリフニクラ」の運営を常連客の二美子と五郎とともに一時的に任される。

時田数(ときた・かず)(37)…「フニクリフニクラ」のウエイトレス。流の従妹(いとこ)。女の子を産んだため過去へ戻す能力を失った。本書では北海道の喫茶店「ドナドナ」を手伝っている。

時田幸(ときた・さち)(7)…数の娘。時間移動の能力を数から引き継いだ。母とともに喫茶店「ドナドナ」を手伝っている。ふだんから難しい本を読む。最近は「もし、明日、世界が終わるとしたら 100の質問」という本の質問をするのにハマっている。

時田刻(ときた・こく)…数の夫。幸の父。時田家に婿入りした。世界的に有名な写真家で世界を飛び回っているため、本書では説明のみで登場はしない。写真の活動時は旧姓の新谷刻(しんたに・こく)を名乗る。

時田ユカリ(ときた・ゆかり)…喫茶ドナドナの店長で、流の母親。数の母の時田要の実姉。アメリカへ人探しの手伝いに行っている。息子しか産んでいないため、現在も時間移動できるコーヒーを淹れられる。

小野怜司(おの・れいじ)…喫茶ドナドナのアルバイト。ルールの説明に慣れている。函館大学に通う学生。菜々子の幼なじみ。芸人を目指している。

松原菜々子(まつばら・ななこ)…ドナドナの常連客。函館大学に通う学生。いまどきのおしゃれ女子。実はある病を抱えている。

村岡紗紀(むらおか・さき)…ドナドナの常連客。函館のとある病院の精神科医。

瀬戸弥生(せと・やよい)(20)…大阪の施設育ちで、中学から不登校。高校は行かずアルバイト生活でネットカフェ難民。亡き両親がドナドナで撮った写真を持っている。

林田コータ(はやしだ・こーた)(43)…お笑いコンビ「ポロンドロン」のメンバー。芸人グランプリ優勝者。

轟木(とどろき)(43)…お笑いコンビ「ポロンドロン」のメンバー。失踪中。

世津子(せつこ)…轟木の妻。旧姓・吉岡。5年前に亡くなった。轟木・林田とは幼なじみ。献身的に売れない夫を支えた。

布川麗子(ぬのかわ・れいこ)…妹が亡くなった事を受け入れられず睡眠障害を患う。婚約も破棄した。

布川雪華(ぬのかわ・ゆきか)…麗子の妹。ドナドナの元アルバイト店員。

黒服の老紳士…過去に戻れる席に座る幽霊。シルクハットを被り、燕尾服(えんびふく)を着ているため、明治・大正時代のような在りよう。静かに本を読んでいる

※映画や小説第1作でもおなじみの房木さん夫婦もドナドナへ旅行に来ます。(P354参照)

【思い出が消えないうちに】のネタバレあらすじ

ネタバレ:第1話「ばかやろう」が言えなかった娘の話

主要人物:瀬戸弥生と母・瀬戸美由紀

弥生は両親の写真を頼りにドナドナへ来た。

幼い自分を置いて死んだ両親に「ばかやろう」と言うために過去へ戻る。

母・美由紀と父・敬一が赤ん坊の弥生を抱えてドナドナにくる。

美由紀は4才の時に両親が失踪。苦しんだ末に自殺しかけた時、時田ユカリに救われた。

弥生は記念写真のシャッターを押す、両親とユカリの笑顔の中に自分もいたことに気づく。

2030年へ、過去から美由紀が来た。弥生は「来年、結婚するから。私のために生きて」と伝えた。

第2話「幸せか?」と聞けなかった芸人の話話

主要人物:林田コータ、轟木、世津子

お笑い芸人・林田コータは、相方の轟木を過去に行かせたくない理由があった。

亡き妻・世津子に会って戻らないつもりだからだ。

世津子は、未来の轟木からグランプリ優勝を聞いて喜んだ。2人の夢だった。

轟木は妻がいなくて、もう生きてる意味がなかった。

しかし世津子は「死んだら終わりなんて言わせない。ずっとそばにいるから、死ぬまで私を幸せにするんだぞ」と轟木を未来へ帰す。

轟木は、亡き妻を幸せにするために、人生を生きるために2030年へ戻った。

流は轟木の言葉で、過去から妻が来てるのに会わなかった理由に気づく。いつも自分の中にいるから、だと…。

第3話「ごめん」が言えなかった妹の話

主要人物:布川麗子、布川雪華

布川麗子はマモルとの結婚を、妹・雪華に報告。これで自分も結婚できると安心の雪華。

紹介しなさいと約束させたが、雪華は亡くなった。麗子はその日以来、眠れなくなった…。

ある日、停電の中、過去から雪華が来た。麗子は結婚式出るように、と作り笑顔で伝える。

しかしマモルと別れている事がばれる。

雪華は自分が死んで”姉が笑わなくなる”ことを1番恐れていた。

麗子は妹に笑って生きて、幸せになることを約束した。

雪華は精神科医の紗紀と相談して未来に来た。結果的に、麗子の目には生気が満ちていた。

その後、第4話にてマモルと結婚し、函館を離れ徳島に行くことを流たちに報告した。

第4話「好きだ」と言えなかった青年の話

主要人物:小野怜司、松原菜々子

怜司は芸人のオーディションに合格し、東京に行っていた。

その間に菜々子は怜司に言わずに渡米。

後天性再生不良貧血の病気で、移植手術を受けるからだ。

(芸人の夫を支えた)世津子にはなれないから大事な時期の怜司に言いだせなかった。

明日世界が終わる質問で、自分は胎児。①とりあえず生まれる②意味がないので生まれない

…菜々子は②を選んだ。

怜司が未来(1週間前)から来たことで菜々子は自分の死(手術の失敗)を予感した。

しかし怜司は「お前は俺の嫁になった」と告げる。アメリカから戻ってきて…。

怜司は、先の質問の答えに①を選ぶ。生まれておけば、もしかしたら世界は終わらないかもしれないから。菜々子も①を選んだ。

数か月後。菜々子の訃報が、東京に戻った流たちに届く。数年後、怜司は芸人グランプリで優勝を果たす。

怜司は菜々子の墓前に、幸からもらった大事な本と、「100の質問」(著者・時田ユカリ)の本、そして結婚指輪を供えた。

「100の質問」のあとがきには、「人の死自体が、人の不幸になってはいけない」人は幸せになるために生まれてきたからと書かれていた。

【思い出が消えないうちに】の感想

紙面が暗くなる演出もしてある、3話の妹の話しも良かったですが、

やはり最後の4話目がみなさん印象的なようです。

世津子さんが完璧に見えたからこその、切ない、夢を邪魔できない想い。

助かって欲しかったですが、最後のお墓のシーンまで泣かせます。

【思い出が消えないうちに】のまとめ

シリーズ第1作の小説『コーヒーが冷めないうちに』は余白の多いスカスカの文章で、賛否両論あったのですが、さすがに第3作、上達してきています。

分かりやすさはそのままに、「もし、明日、世界が終わるとしたら?」の質問が効果的に使われる仕掛けを用意しています。

個人的には、最後の幸の贈り物(1番大事な本)と「~100の質問」の”あとがき”が印象的。

幸が本をあげた理由が泣かせます。…夢追う人は必ず頑張れない時がくるから、1番大事なものをもらったら一人じゃないと思えるから。

そして、あとがきは、『思い出が消えないうちに』を読み通したからこそ響く言葉です。

本書自体も「ひとりじゃない」と思えるような喪失で苦しむ支えになるメッセージが込められてる、と感じます。

亡き人がいつもそばにいること。そして幸せになろう亡き人のためにも、と筆者は思いました。皆さんはどうでしょうか。

『コーヒーが冷めないうちに』続編・第3作の「思い出が消えないうちに」が、ひとりでも多くの人の心の支えになることを祈ります。

※記事内の画像出典:公式サイト

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