映画【哭声/コクソン】のネタバレ考察と動画!犯人と國村隼の正体・結末を解説!

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映画【哭声/コクソン】の鑑賞後モヤモヤして、2回目を通して見てみました。

キリスト教というモチーフもありますが、1番有力なある視点で捉えなおしました。

すると、【哭声/コクソン】という映画がまた違って見え始めて…。

【哭声/コクソン】2回目鑑賞後の考察

映画【哭声/コクソン】はまだまだ謎だらけ。

  • 村に「毒キノコ入りの食品」が流入したという報道は一体!?
  • ソウルに車で行こうとした祈祷師が大量の蛾(?)のために引き返す意味。
  • 日本人のところまで行こうとした男が、雷に撃たれたのはなぜ?
  • 謎の日本人にレイプされたというのは本当か。彼女は首をつって自殺したが幻覚性「毒キノコ」の成分がでていた。
  • 祈祷師と日本人の2つ祈祷が交錯。祈祷師が悪魔払いで「謎の日本人」をお祓いしているようにも、ジョングの娘を攻撃しているようにも見える。
  • 謎の発疹は呪いか?聖痕か?
  • 「謎の女」がジョングの娘の髪飾りや被害者と同じ服を着てた意味。
  • 異常な事件の犯人・原因は、新種のウイルスか、毒キノコか、悪霊か、悪魔か。近くの森の一軒家に住みついた日本人(國村隼)か?

人は原因が分からないと不安になります。

本作は疑心暗鬼になる不条理な世界・恐怖を見事に描いています。

平和な村に起きた連続の不審死は、キリスト教的にいえば、ハルマゲドン、終末的な世界最終戦争、最後の審判というもの。

そのとき、何を信じるかが試される!!

という映画のように、1回目と後半20分を3回くらい見て筆者は捉えました。

1回目に考察した結論に疑問が!

しかしモチーフのキリスト教にとらわれすぎて、本質を見失ったいたモヤモヤが残りました。

1回目の結論は…

  • 「ジョング」=ペテロ
  • 「祈禱師」=悪魔崇拝者
  • 「謎の女」「謎の日本人」の両方=イエス・キリスト

この結論に至っても、ある疑問が!

「謎の女」がジョングに「悪霊を見ただろ、あれは夢ではない」と言っています。回想シーンで日本人が赤目をして悪魔のようにジョングを襲っています。幻覚・夢じゃない???

日本人は悪魔なのか?という疑問がわきます。迫害されたイエスのモチーフが破綻してしまう!

ここで「謎の女」=マグダラのマリア説もあると知りました。たしかに警官に石を投げるシーンが象徴的。娼婦だった頃に民衆から石を投げられる話しがありますから。

ここで疑問。マリアはイエスの弟子です。だからイエス=日本人を悪霊って思うのはおかしい!

混沌とします。原因は悪魔、としたのが間違いか?

モチーフに惑わされていますので、いったん、キリスト教は忘れましょう。

【哭声/コクソン】2回見ての考察①映画の序盤にヒントが!

2回目を鑑賞した考察の結論:毒キノコが全ての原因!!

以下、時系列で考察していきます。

●映画の冒頭:聖書の引用+釣り糸にエサをつける日本人

(考察)聖書の引用はなぜ疑うのかと訴えます。釣りはのちに祈禱師が悪霊の対象の選び方としていいます。その比喩。

●映画の開始13分頃:謎の日本人が襲ってきたという噂をジョングとソンボクの警察官同士で話しています。

しかしジョングは反論。殺人事件の犯人は幻覚性のキノコを食べた結果が出ている。家からもキノコがあったと冷静に返答。それでも同僚の警官は噂を信じます。

(考察)答えが最初にあったのです!以降は、どちらとも取れる巧みな脚本・演出で騙されていきます…。ちょうど登場人物が噂に惑わされ狂気に走るように…。

●警察署で雷雨の時に立っていた女⇒次のシーンでは布団からジョングが起き上がる。

(考察)これは幻想のミスリード?22分頃のシーンで、黒焦げの女が錯乱して歩き回っていたと解釈が可能になります。

ちなみにこの時、娘が髪留めを落としていますが意味は不明。終盤に「謎の女」近くにもありました。もしかしたら、よく落とすのでは?髪留めは疑心暗鬼になるアイテムです。

●16分頃:夫婦のカーセックスを目撃した娘。笛を吹いたあとに娘は、何回も見てるという。

(考察)なぜこんなシーンを入れたのか。キリスト教で笛と言えば、神様に栄光を捧げるために使われたり、戦争の終わりを知らせたりします。

モーツアルトの「魔笛」は善悪の逆転劇が起こるテーマがあるようです。日本では「悪魔が来りて笛を吹く」(著・横溝正史)なんて小説のあります。

ここでは黙示録のラッパ吹きと捉えると、ジョングの娘の笛は終末を知らせる笛。そして何回も見てるのに、見てることに気づかない象徴。見てるのはキノコでしょう!

●19分頃:火事になった家で黒こげの女が錯乱、かみつく!?この時、見物客に日本人の姿も。

(考察)ゾンビのミスリード。キノコが原因なのにゾンビになるウイルスか日本人の呪いかと思わせます。

●24分頃:火事での焼死でなく3人とも刺殺。タンスの下にナイフを発見。証拠なのに素手でさわる。犯人は首を吊った燃えた家の奥さん。彼女は日本人にレイプされたと噂があった。しかも強姦されて以来、イカレて裸で歩き、銭湯で見た者は体中に発疹があり意味不明なことをわめいていたらしい。

(考察)強姦は噂。キノコによる幻覚・錯乱と解釈可能。なのに、ジョングも信じ始めて同僚を病院で発疹の聞き込みに行かせます。

●27分頃。ジョングに石を何度も投げる「謎の女」が登場。あの女が家の中で殺したという。このままでは女が死ぬからとおばあさんが祈禱師を呼んだらしい。女は嫌がっていたのに…。

「謎の女」はここの家族ではないが殺害場面を目撃。おばあさんはあの男=日本人は悪霊だと言っていたという。あいつはあの女の血を吸って殺そうとしていた、と。日本人をよく見るってことは付きまとわれていて、血を吸われ殺される、と告げる。

(考察)「謎の女」の目撃証言は本当にあったとしても、大部分はおばあさんの噂にすぎない。女もキノコを食べたため錯乱した可能性が高い。おばあさんが女を病院ではなく祈禱師を呼んだため、錯乱した女は逆ギレした。

ちなみに「罪のない人はこの女(娼婦)にを投げなさい」と自分の罪を自覚させるイエスの言葉があります。解釈はいくつかありますが、娼婦はマグダラのマリアとされています。

「謎の女」は石を投げている方なので「罪のない人」の方。イエス側の祈禱師か?結論は先送りします。

●32分頃:目撃証言があったと皮膚科にいる同僚ソンボクに報告するジョング。そのあと「謎の女」は消えていて、火事の家の裏で日本人が何かの生肉を食べている。するとジョングにも噛みつこうと襲う。次のシーンは自宅の布団で起き上がる!

(考察)現実か夢か判断が分かれる問題のシーンです。目撃証言があったため思い込みか。終盤に「謎の女」が夢じゃないと言うのは何?

⇒「謎の女。しかし悪霊とか天使とかはまだ判断できない。」を見たと発言している人は祈禱師と日本人と主人公・ジョングのみ。そもそも「謎の女」は実在するのか?

●33分頃:娘が熱。薬で対処。天井でカラス(?)の音。

(考察)天井は呪いのミスリード。「病院に連れて行けよ」とジョングが言います。キノコの幻覚なのに連れて行かないのでヒドくなったのでは?

●35分頃:新聞に「野生キノコによる殺人」の記事が掲載。しかし同僚が皮膚科に聞いたところ原因不明で大きな病院に回したらしい。やはりキノコじゃないとジョング。

(考察)キノコが原因説もあり得る、というシーン。大病院の検査結果が知りたいですが…。

●36分~「シカを食う裸の日本人を見た男」に聞き込むジョングたち。男は頭の傷を見せる。酔っ払たかと疑うが、証拠に買い物もしていないという。気絶した後に見たと熱弁。不審死はあいつのせい。あいつは人間じゃないと言う。男は話すだけで鳥肌がたつ。

その後、日本人の家の大体の場所を案内するが、森の中を歩きシカの骨を発見。疑われたことで怒る中、泥の中に転がり立ち上がったあと「雷に打たれて死んじまえ」と言って自分が実際にそうなってしまう。命が助かり、妻(?)が漢方を飲んでたから助かったという。

(考察)目撃証言が不確か。頭を打った幻覚では?雷は天罰か。湿疹がないためキノコの幻覚とは言い切れないが、あり得なくもない。終盤のニュースでは毒キノコが入ってる健康食品が流通。漢方とは違うが、そもそもこの男は健康食品の業者です。

●44分頃~:病院で男が吐血して死亡。一軒目の殺人の時に呆然としていた男だった。居酒屋で談笑してる女に発疹がある。ジョングの娘が錯乱。知らないおじさんが門を叩いて入ろうとするという。翌朝、嫌いな魚を食べ始める。ジョングの母は祈禱師を呼ぶという。

(考察)日本人の呪いなのか、とミスリード。食べ物の好みも変わったので。

●50分頃:ジョングの同僚ソンボクの甥で日本語もできる助祭、ヤン・イサムとともに日本人の家へ。能の面、野鳥図鑑、春画を発見。隠し扉には被害者や村人の写真がありソンボクが目撃。ジョングの娘の靴も発見。一方、ジョングが壊した鍵のかかった部屋では祭壇のようなものが。日本人が戻ってきても何も語らない。

(考察)能って無表情だけれど色々な表情を見せます。春画もただのエロではないのに一面的な見方の主人公。何も語らない日本人が不気味だが、沈黙していても疑う必要はないはず。正体不明に恐怖を抱く主人公を表現している。

●56分頃:ソンボクは日本人が犯人だと確信を持つ。生きてる時と死体の写真を撮っていた。私物を持ち去り呪いをかけてると推理し、ジョングの娘の靴をみせる。「日本人と会ったか」しつこく問い質すと、娘は錯乱して叫ぶ。「なんで言わなきゃいけないの?何が大事なんだ!」ノートには汚い言葉や襲われる絵があり、身体には発疹も…。

(解釈)日本人=悪魔の呪いを使う、とミスリード。本当は村を守っていたかもしれないのに…。その後の娘の狂乱ぶりはエクソシストの映画のようでした。これもキノコの錯乱か。

【哭声/コクソン】2回見ての考察②中盤の神父もヒント!

●1時間4分頃:ジョングは助祭・イサムとともに日本人の家へ。写真は燃やしたという。「なぜここへ来たか」問うと、日本人は「旅行」と言った後「言っても信じないだろ」という。「出て言け。出ていかないとお前の命はない」鍬(くわ)で家を破壊し始めるジョング。正当防衛なのか犬も殺害。

(考察)「言っても信じないだろ」は終盤の伏線。疑う罪もこのシーン。村を守っていた、と言っても伝わりませんし。ここの無表情で何を考えているか分からない國村隼の佇まいは必見です。

●1時間11分頃:病院に行くと、娘の湿疹は被害者たちと同じで原因不明。日本人の悲しげのカットの翌朝、ジョングの家の門には内臓が飛びだしたイノシシがつるされていた。ジョングは酒の飲みすぎで起きられず、針治療を受けた。

(考察)金縛り現象かとミスリード。起きた時に頭打ったし、酒の影響も指摘されていますが、犬との闘いのときもフラフラでケガもしてます。

●1時間14分頃:その後、家に戻ると娘が隣りのおばあさんをハサミで刺していた。「あの父親をぶち込むべきだ、許さねえぞ」と被害者の息子が嘆く。ソンボクは日本人の家に行って以来、幻覚が見えるとジョングに話す。

(考察)イノシシは日本人がおいた魔除けだったのでは?ソンボクの幻覚も日本人に会ってからの根拠がない。

●1時間17分頃:有名な祈祷師がくる。口笛とともに周囲を見渡し醤油を入れた甕(カメ)を割ると黒いカラスがいた。えげつない悪霊だという祈禱師。祈禱師が儀式をすると泣きわめく娘。祈禱師はジョングが会ってはいけない人を挑発した、日本人は悪霊だという。

(考察)カラスは事前に仕込んだ?祈禱師が悪魔崇拝者だとすると、これは娘を追い詰めてるのかも。

●1時間22分頃:パク・チュンベの家の井戸から彼の家族の遺体が発見された。そのころ祈禱師は日本人に「殺」をうつから1千万ウオン(約100万円)を要求。ジョングが、生きてるのに霊なのが分からないというと、祈禱師は日本人を死人だという。惑わされて殺される。

日本人は山中のトラックに腐乱死体=パク・チュンベを発見。ジュングがなぜ娘に憑りついたのか尋ねると祈禱師は釣りをしていると例える。何がかかるか分からないように娘がエサに食いついただけだという。

(考察)お金をいうシーンをわざわざ入れているのが意味深。悪霊は釣り糸をたらす?これは答えになっているのか。いや、なってない。偶然ってことですから。

●1時間27分頃:日本人はニワトリを購入。バスで帰る時に奇異な目で見られた。日本人は滝に打たれた(「謎の女」が目撃)のち祈祷する。パク・チュンベが息を吹き返す。同じころ、祈禱師も大がかりな儀式を始めるが、日本人も娘も苦しみ出す。結局、中止に。

(考察)祈禱師が日本人を呪っているのは分かりますが、日本人は何の儀式?トラックの遺体にロウソクが灯されています。生き返る儀式?ここの解釈も不明です。

●1時間37分頃:日本人の苦しみが治まり布団をかぶる頃、「謎の女」が目撃した。ジョングが娘を病院へ。失神したままだ。ジョングとイサムは、神父の元へ。「本気でそのように思うのですか」悪霊は死者の魂なのに、その人は生きている。噂をすっかり信じるジョングに「見てもいないのにどうして確信できるのです?病院に戻るのです」

(考察)神父が現実的すぎる。が、この意見を支持したい。

【哭声/コクソン】2回見ての考察③終盤の映像に惑わされるな!

●1時間41分頃:ジョングとイサムは仲間を集め、日本人が悪霊か確かめに殺害しに行く。日本人は逃げるが、途中、トラックの遺体の消失に気づく。パク・チュンベはゾンビ状態になりジュングの元へ。イサムは噛みつかれた!

(考察)警察なのに殺人計画!?しかも逃げる日本人を追う狂気!これこそ見る者の印象を変えるシーン。ゾンビ映画に急になりましたが、これはキノコによる錯乱・狂乱と推測したい。生き返ったというより、腐乱死体に見えたが仮死状態だったのかもしれない。

(根拠はない。しかし噛まれて感染したイサムが悪魔を見るラストは幻覚、という展開に繋がるのかも)

●1時間52分頃:ジョングたちはゾンビ(?)を殺害。物陰に日本人を発見し追い回すも見失う。崖に捕まり隠れていた日本人は、今度は「謎の女」を目撃して追い回す。帰り道、偶然にもジョングは車で日本人をひく。崖の下に落とす中、「謎の女」がその行為を見下ろしていた。

(考察)日本人は死ぬ。「謎の女」が罪を見届けました。この見下ろし方も意味深。神様のような視点。もしかしたら、実在しないのでは?パート2です。

●1時間57分頃:「エサを飲み込んだ」とつぶやく祈禱師。正気に戻った娘。祈禱師の電話に出ないジョング。「どこまでバカなんだ」と祈禱師。その頃ニュースで毒キノコを使用した健康食品が流通と報じられる。精神錯乱状態になっているとっもいう。

(考察)エサを飲み込んで何がバカなのか?素人が悪霊を殺害したから呪われるのか?全く説明がない。しかし私の意地悪な解釈では、お金のエサがなくなったということ。

●開始2時間頃:助祭・イサムは日本人をひいた時の事故でケガをしたが、病院から戻ると、イサムの叔父は家族を殺害していた。叔父は薬を飲んだらしい。警察は毒キノコのせいだという。

(考察)やはり毒キノコの錯乱が原因

●2時間2分頃:祈禱師は急に大量の鼻血。そこには「謎の女」がいて、口からも白い液を吐いた祈禱師に「帰れ」と告げる。祈禱師は自宅で「過ちをお許しください。お許しをお許しを」と祈るとカラスが飛び込んできた。そのころ、イサムは教会で十字架をみつめる。

(考察)儀式のときハイになるために薬物を摂取していた可能性が高い。毒キノコとの副作用か。祈禱師の出血は体調不良。呪いを抜きにすれば、そう解釈したい。

しかも「過ち」は金儲け主義のインチキの祈禱だったから恐れ多くなったのでは?(すみません。これも一つの見方です)

●2時間3分頃:ジョングは多数の不在着信で祈禱師に折り返すが、出ないため祈禱師の家へ。もぬけのからだった。ソウルへ逃げる途中、大量の蛾に邪魔された祈禱師。イサムはカマを持参し日本人の元へ。

(考察)モーセの十戒のイナゴの大群の比喩か?しかし災いでなく現実的に解釈すれば、車に当たってくる蛾の大群は幻覚だ。その証拠に車の外に出ると何もなかった!

●2時間5分頃:祈禱師は村(谷城)へ戻る。その車中。ジョングへ霊視を間違えたから家に帰れと電話する。日本人は「謎の女」を退治するための祈禱師だという。

(考察)ここから混沌としていきます。現実的な解釈をすれば、幻覚で村の外に行けないと引き返した祈禱師。当然、「謎の女」を見た時に嘔吐したので、元凶は「謎の女」と判断したのでしょう。しかし「謎の女」も幻覚の可能性はある。実在しないパート3!

●2時間7分頃:ジョングは自宅に娘がいないと分かると外を探し回る。「謎の女」と再会。「あの子は悪霊に惑わされた。娘は家にいるが、行っちゃダメだと止める。あの日本人は皆殺しにするため待っている。悪霊は夢じゃないという。

(考察)「悪霊は夢じゃない」が腑に落ちません。映画を2回通して見て思うのは、怖がらせて家へ行かせないための嘘なのでは?どう見ても日本人は悪霊じゃないですから。(ラスト以外)。

●2時間15分頃:祈禱師は家に戻れという。一方「謎の女」は祈禱師を信じない方がいい、あいつもグルだという。罪を犯したから娘が憑りつかれたという。ジョングは娘の髪留めや被害者と同じ服を見て、悪霊は「謎の女」と判断。

(考察)グルだと言ったのも嘘で、そう言えば怖がるから。

●2時間22分~ラスト:ジョングが家に戻ると門のワナの草木は枯れ、妻と母の惨殺死体が。日本人は悪魔に姿を変える。祈禱師はジョングを撮影し去る。座り込むジョングは娘のことを回想する。

(考察)祈禱師の多数の事件写真が意味深だ。ジョングが怖がったように、また写真は他の土地で商売に利用するためのものだろう。その伏線としてお金の話しがあった。日本人とグル、というのは村人を一緒に怖がらせたと解釈も可能だ。

しかし、ここでは日本人を救い主として捉えたい。だから祈禱師がラストの箱に入れてある写真は、日本人のものを奪った解釈をしたい。日本人が燃やして灰になったと言うのは嘘だ。その欠片もなかったし。盗まれたと言ったら面倒だからだろう。

自分に仕事が来たのは謎の日本人の異様な写真などが影響したからだ、と味をしめたに違いない…。

【哭声/コクソン】2回見ての考察④初見で感じた4つの疑問は?

まとめとして、初見で感じた疑問を2回視聴した今こそ、考察したい。

  • 祈祷師と謎の日本人はグル……証言者は「謎の女」⇒
  • 謎の女こそが真犯人=呪術師……証言者は祈禱師⇒
  • 謎の日本人の正体は、村を救おうとしてた祈禱師…証言者は祈禱師⇒本当
  • 謎の日本人の正体は、悪魔……証言者は助祭⇒幻覚

さらに加えるならば「謎の女」の存在感があまりないので、霊なのではと思う。村を守る祈禱師かもしれないが。

ともかく原因は何度も出てくる毒キノコの食品でしょう。そう解釈するのが一番すっきり!

【哭声/コクソン】2回見ての考察⑤キリスト教の比喩は?

國村隼さんはインタビューで、キリスト教を通した比喩をこう明かしています。

エルサレムの住人たちをコクソンの村人で置き換えて、山の中の男(國村演じるよそ者)をイエスという風にイメージしてもらうと、冒頭のルカ伝から僕の最後のシーンに帰結していきます。

出典:https://spice.eplus.jp/articles/108502

イエスが登場して混乱する当時の住人が村人。

やはり國村隼は、世界を困惑させたイエス・キリストでしす。

冒頭の引用では『イエスは言われた。「なぜ取り乱しているのですか。どうして心に疑いを起こすのですか。』とあります。

本作は國村隼を見て取り乱すのを描いています。

他も一緒にまとめると…

・主人公のジョング(クァク・ドウォン)=イエスを信じ切れない旧約聖書・ユダヤ教の指導者(ファリサイ派、律法学者)、あるいは裏切り者のペテロ

・謎の日本人(國村準)=イエス・キリスト(ユダヤ教徒に迫害された救世主)

・祈禱師(ファン・ジョンミン)=使徒パウロ(ユダヤ教徒でイエスを迫害。イエスの声を聞き、キリスト教に回心)

・ムミョン(チョン・ウヒ)=マグダラのマリア(宗派によるが娼婦だったとされる。イエスに悪霊を追い出してもらい十字架の時も見守った)

パウロは國村隼を呪ったことを回心するので当てはまるものの、謎の女ががマグダラのマリアというのだけ根拠が希薄です。投げる石や國村隼の死亡を遠くから見守っていたことは比喩なのでしょう…。

映画【哭声/コクソン】のまとめ

監督も言っていますが、『哭声/コクソン』は「混沌、混乱、疑惑」を観客に感じさせる仕掛けを用意した映画。

映画を観たあと、感想や考察を言い合えるのが魅力。

「正体を知らないと信じられない」とジョングが謎の女に言う。

「正体を明かすなら何もしないで帰る」とイサムが洞窟で日本人に言う。

なぜ信じないのか?噂に振り回されるのか?そのテーマだけでも成功の映画。

國村隼さんの考える本映画の「一番のメッセージ」も以下のように答えています。

モチーフはあるんですけど、そこからの世界の広がり方は、「人が人の世を生きていくうえで、確かだと思っていることをいっぺん疑ってみる」「いったん疑いだすと混沌しかなくなるぞ」という方向へいくんですね。これが、『哭声/コクソン』の一番のメッセージです

出典:https://spice.eplus.jp/articles/108502

最後に、映画『哭声/コクソン』は反日映画だ、という批判は的外れ。日本人を悪く言っているのはあくまで噂・偏見。イエス・キリストがモチーフですから。

韓国映画界も本当に日本人が嫌いなら國村隼に賞を与えないはず。これだけは記しておきたいです。

ぜひ未見の皆さんは、映画『哭声/コクソン』の國村隼の正体と結末を目撃して欲しい。見た方はゆっくりと考察してみましょう。

記事内の画像・あらすじの出典:公式HP

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