【世にも奇妙な物語/美女缶】のネタバレと考察!
土曜プレミアム【世にも奇妙な物語~伝説の名作 一夜限りの復活編~】(2025年5月31日放送、フジテレビ)で復活する5作品の内のひとつ、『美女缶』(主演:妻夫木聡)のネタバレと考察を紹介します。
『美女缶』は「世にも奇妙な物語」では珍しい“恋愛ジャンル”の傑作。「理想の女性が缶詰めから出てくる」という突飛な設定ながら、物語は抒情的で美しく、特にラストの描写には胸を締めつけられます。
【世にも奇妙な物語/美女缶】のネタバレ
隣人と美女
フリーターの内尾雄太(妻夫木聡)は、同棲中の彼女・毛利春子(唯野未歩子)が出張に出かけたことで、一人暮らしを始めることに。春子は出張が入ったことでなぜか泣いていた。
ある日、雄太は隣人の冴えない男・冨岡冨士夫(小沢喬)の部屋から毎朝違う美女が出てくるのを目撃し、不思議に思う。
ある時、冨岡が大量の空き缶を捨てていた。その空き缶には、雄太が見かけた美女たちの似顔絵が描かれていた。
缶詰から生まれた美女
興味を持った雄太は、冨岡の部屋に忍び込み、「美女缶」という缶詰と説明DVDを発見する。雄太は自分の部屋に持ち帰った。
説明によると、美女缶に入った液体をお湯を張ったお風呂に入れると、そこから美女が生まれるという。雄太が「美女缶」を使用してみると、藤川サキ(臼田あさ美)という美女が現れる。
エッチなことをしようとする雄太だが、サキは「女の子がみんなそんなんじゃないよ」と言って、部屋を飛び出す。雄太は追いかけ、ようやくサキを見つけた。雄太は「もう何もしないから」と自分のジャンパーをサキに着させ、部屋に連れ帰る。
美女との同棲生活
雄太とサキ。二人の奇妙な同棲生活が始まる。
雄太はサキが海辺で生まれ育ったので海が好きな設定だと知り、海でのデートに誘う。
二人で過ごす楽しい時間。
二人の距離が縮まり、まるで本物の恋人のようになっていく…。
サキとの別れ&雄太の正体
雄太は説明DVDを見て、サキの体に刻まれた「4月15日」という品質保持期限に気づいてしまう。
雄太はサキが欲しがっていたアクセサリーを買いに行く。
しかし、雄太が自宅に戻ると、サキの姿がなかった。
雄太がいない間、サキは自分の説明DVDを見てしまい自分が美女缶なのだと知ってしまったのだ。
雄太は机の上に放置された説明DVDを見て、理解する。
雄太はサキを探しに行こうとするが、春子が出張から帰ってきた。
春子は雨に濡れている雄太に、「着替えれば?」と声をかける。
雄太は着替える。
すると、雄太の腰に品質保持期限とバーコードが刻印されていることが分かる。
雄太の日付は「4月12日」であり、今日までだった。
※雄太は「美男缶」から生まれた、春子の恋人でした。出張に行く前に春子が泣いていたのは、雄太との別れの日が近いからか?
ラストシーン
雄太は、サキへのアクセサリーを握りしめ、外に出ていく。
サキがいたのは、二人が楽しい時間を過ごしたあの海辺だった。
雨の中、サキは打ちひしがれた様子で一人ベンチに座っている。雄太は彼女の元に駆け寄るが、言葉にならない。
二人は日の暮れかけた雨の中、見つめ合い……。
時計の音がチックタックと鳴る。暗転。物語は終わる。
【世にも奇妙な物語/美女缶】の考察
序盤は中二病というか、中学生が考えるようなエロい妄想が実現する展開です(笑)
しかし中盤で、サキとの別れが訪れて、ひとつめの切ない感情に…。
と思ったら、主人公自身も缶詰だったという、どんでん返しが!
ラストは視聴者の解釈にゆだねられて終わりますが、切なくて胸を締め付けられる終わり方でしたね。
雄太は今日で期限(4/12)なので、サキの期限(4/15)より残された時間は短いのです。
2人は残された時間をどんな風に過ごすのか、と思うと胸が苦しいです。
でも、期限が来たら消滅すると私は思っていましたが、品質保持期限が過ぎるとどうなるのかは劇中で不明なんです。その点を考察していきましょう。
品質保持期限が過ぎると、どうなるのか。以下の2パターンあると思います↓
- 品質保持期限が過ぎると消えてしまう。
- 品質保持期限が過ぎると身体は残るが、恋人への思いは消失。
考察1:品質保持期限が過ぎると消えてしまう
品質保持期限が過ぎると消えてしまう…という解釈は、とても切ないです。
ただし、雄太は12日で期限切れで消滅してしまいますが、サキは期限の4月15日まで3日残されています。
つまり、サキは雄太が目の前で期限切れで消滅する場面を見てしまうので。これまた切ない別れの瞬間です。
そして、サキは、雄太も自分と同じく缶詰から生まれた存在であったと知ってしまうはず。
すると、サキは雄太を生み出した人(アパートの住人)のことを考えるでしょう。
サキはアパートへ戻って、雄太を誕生させた春子と会うことになるはず。
サキと春子は、残りの日にちを共に過ごし、雄太の思い出話に花を咲かせるかもしれません。
そしてサキも消えて…。
そこには、雄太が初めて人を愛して購入したネックレスが残ります。
春子は自分と雄太との思い出、雄太とサキの思い出、自分とサキの思い出…この3つの思い出とネックレスを胸に、また新たな1日をスタートさせていく。
そんな「その後」を想像、考察しました。
考察2:品質保持期限が過ぎると身体は残るが、恋人への思いは消失
品質保持期限が過ぎると身体は残るが、恋人への思いは消失…という解釈も可能です。
キーワードは品質です。
劇中の品質保持期限の「品質」とは何でしょうか。それは美女(美男)が人を愛する思いのことでは?
期限切れになると、その思いが無くなりますよ、ということ。
賞味期限のように味が落ちる感じのイメージでしょうか。
私(筆者)は雄太が消費期限が切れた後、今度は自らの意志で、サキを改めて好きになる……そんなハッピーエンドなその後を想像&考察しました。
限りあるから美しい?
ただ、作品のテーマを考えるとき、タイムリミットがあると思います。
大切な人と過ごす時間は永遠ではないとか、命に限りはあるとか…。それは缶詰生まれの男女かどうか関係なく、すべての人間に通じる、普遍的なことです。
という観点から解釈すると、「身体は残るが、恋人への思いは消失」パターンは、ちょっと都合よく解釈し過ぎかもしれませんね。
まあ、筆者がハッピーエンドが好きなので、テーマからそれても、2人の幸せな姿を想像してしまいます。
みなさんはどう解釈しますか?
※関連記事:「世にも奇妙な物語35周年SP~伝説の名作 一夜限りの復活編~」の作品↓
【世にも奇妙な物語/BLACK ROOM】のネタバレ解説と感想!木村拓哉の両親の秘密とは?
【世にも奇妙な物語/ロッカー】のネタバレと感想!織田裕二のたどる結末が怖い!