【傲慢と善良】ネタバレあらすじ!原作辻村深月小説の結末と映画ラストは違う!?

【傲慢と善良】原作ネタバレ・あらすじ・感想!藤ヶ谷太輔&奈緒主演で映画化となった辻村深月小説「傲慢と善良」を結末まで、映画ラスト考察&名言解説を紹介します。

婚活アプリからの結婚の結末は?
衝撃走るサスペンスラブストーリー【傲慢と善良】を詳しくお届けします。

目次

【傲慢と善良】のあらすじ(原作小説)

主人公の西澤架(にしざわかける)の婚約者・坂庭真実(さかにわまみ)が突然姿を消しました。
真実は、ストーカーに追われていたことから架は事件性を疑います。
なんとしてでも真実を救わなければと思う架は、真実のことを調べ始めます。傲慢な両親に育てられた真実の過去は思いもよらないものでした。
真実はどこにいるのか、殺されているのか、焦る架。
果たして真実(しんじつ)は?
隠された真実に驚愕するラブストーリー。

【傲慢と善良】のネタバレ!第一部(西澤架が主人公)

架のもとに、真実からストーカーに追われていると電話があった。家にストーカーがいるいう。怖がる真実。その日から真実は架の家で暮らすことに…。

架の展開・あらすじポイント
・独身の西澤架がマッチングアプリで真実と出会う。
・ストーカーがいるという真実の安全のため同棲を始める。
・結婚を決意し式場も予約。
・真実は仕事を辞めることに。
・真実が突然行方不明に。
・真実のことをさがす架は、己の傲慢さに気付く。
・真実はどこに?

結婚に踏み切れない架

主人公の架(かける)は親から受ついだビール宣伝会社を経営している社長。婚約者の真実とはマッチングアプリで知り合います。

架は女に不自由しないタイプ。真実と出会う前に亜優子=アユという彼女もいました。アユは結婚をしたがったが、架はその気になれず…。
一度別れたものの、復縁を願い結婚をしたいと思う架は、アユにはあっさりと振られ、アユは他の男と結婚しました。

その後、マッチングアプリで婚活に励むもいい相手は見つからない。そんな中、真実と出会います。

架には学生時代からの友人がいました。親友の大原。そして女友達の美奈子、梓、渚、多佳子。
飲み会に真実を連れていき紹介。

美奈子から「真実は何点なのか」と聞かれた架は「70点」だと答えます。
マッチングアプリで知り合ったのになかなか結婚しない架を美奈子たちは「それはない」と責めたこともありました。

そんな架でしたが、真実がストーカーに追われ逃げてきたのをきっかけに結婚を決意します。
それが2か月前のこと。

真実が消えた!

そして、真実が消えた。
架は真実がストーカーの手によってさらわれたのかと疑うも、警察は相手にしません。

ストーカーのことも名前も聞いていなかったことを後悔します。いったい誰が。
架はストーカー探しをすることに。

真実に恋愛経験がないことは架自身が知っていました。真実は処女だったから。
ストーカーと言っても肉体関係はないことは明らかです。

真実は群馬県出身。30を過ぎて東京に出てきました。派遣会社で働き、結婚するので退職。
退職したその日、送別会があり、そのまま、真実はいなくなったのです。

真実の両親に会う架。母の陽子から、真実が群馬で婚活をしていたことを聞きます。
世話をしたという小野里と会い、そこで真実が2人の男と出会っていたことを知ります。いずれも真実の方から断っていました。

架は、まず1人目の男・金井智之と会います。金井は既に結婚していました。
ポケットに穴があいたズボンとキャップをかぶる出で立ち。人がよさそうな金井だが、真実は好きになれなかったのです。金井がストーカーである可能性はゼロでした。

手がかりはなく、架は真実の友人にも会う。
真実は地元ではお嬢様学校といわれる高校&大学を卒業し県庁の臨時職員として働いていました。

姉の希美から、真実の2人目の男のことを知ります。
2人目の男は歯科医の花垣学。言葉数が少ない男で両親と同居をしていました。こちらもストーカーの可能性はゼロでした。

架は真実の過去を知るうちに、母の陽子の傲慢さに気付きます。世間体を気にしていることや真実を自分の思うように結婚させようとしていたことも感じられました。

衝撃事実!ストーカーはいない!

何の手がかりもない中、美奈子らに呼び出された架はそこで衝撃の事実を知ります。

真実の送別会があった店で美奈子らも飲んでいました。
送別会がお開きになり、美奈子らが真実を誘います。

そこで美奈子や梓は、真実にストーカーのことは嘘だろうと詰め寄ったのでした。
実は、女友達全員が真実の嘘を見破っていたのです。
さらに、架がアユのことをひきづっていたこと、真実のことを「70点」だと採点したこともバラしていました。

その日、真実がいなくなったのです。

ストーカーが盗んだと言っていたカメオのブローチと架がプレゼントしたネックレス。それは真実の部屋の箪笥の奥に隠されていました。
それを見つけた時、架は気づきます。

ストーカーはいない。

【傲慢と善良】のネタバレ!第二部(坂庭真実が主人公)

真実の展開・あらすじポイント
・親の言いなりになって善良として生きることに嫌気がさし群馬から上京。
・架と出会い結婚を望む。
・ストーカーが狂言だとバレたことで架のもとから消える。
・仙台に行きボランティア活動を始める。
・架からのメッセージが届く。

憧れの結婚

いわゆる真実は「いい子」でした。母の陽子のいいなりでそれを疑うこともなく生きてきたのです。しかし、オトナになっても帰宅時間まで束縛する陽子に疑問を持ち始めます。そして、陽子から逃げるようにして東京に。

結婚をしたいと思う真実は、架と出会いました。
付き合うものの結婚しようと言わない架の気をひくため、結婚を目的として「ストーカーがいる」と嘘をついたのです。
その嘘を美和子らに見破られていたと知った真実。

「ストーカーの嘘をついて、打算で架に結婚を迫ったときから、私はもう善良ではなかった」と思う…。

送別会から戻ると架は寝ていました。どうしようもないジレンマにかられる真実。架が起きることを望むも架は起きません。

『架にちゃんと向き合っていただろうか。架は私にちゃんと向き合ってくれていただろうか』
『空気の読めない善良さ、それは、傍から見れば傲慢』

真実は自分を分析し始めます。
架は新車の外車に乗り会社経営者。周りに合わせることもでき、アルコールの付き合い方が上手でおしゃれな店にもつれていってくれます。

『私は憧れで架を選んだのだろうか』
ストーカーのことがバレたことで、実家にもアパートにも架の家にも戻れない真実は、現実逃避。
仙台に行き、ボランティア活動をすることに。

現実逃避

真実は、ボランティア活動をする谷川ヨシノや、樫崎(かしざき)写真館で力と早苗という訳ありの親子、館長の正太郎、その孫の耕太郎と出会います。

回想
真実にとって処女で誰とも付き合ったことがないことは劣等感でした。
架に抱かれた夜。
「この人に抱かれるために、自分はこれまでずっと一人でいたのだ。こうなることが運命だったのだ」と思ったのです。

仙台にて。2か月経過した4月。

写真の仕事を手伝った時に見つけた三波神社を見つけます。
その写真は結婚式のものでした。

そんな中、ボランティア活動で知り合った高橋からドライブに誘われます。
考えておくと答える真実。
そして、ずっと見ていなかった自身のInstagramを見ます。

架と真実の大恋愛

そこにメッセージがありました。

「本当はいませんね?どうか、ぼくともう一度話してください」

それは「ストーカーはいませんね」の意味です。

ヨシノ、耕太郎、石母田に、真実はこれまでのことを打ち明けます。

神社の主・石母田は「大恋愛だ。会ってきなさい」と背名を押します。

スマホに電源を入れます。
架から「無事で安心しました」とメッセージが届きました。

【傲慢と善良】原作の結末

7月。陸前大塚駅。

真実と架は再会します。

架は「70%。それは結婚したい気持ち。真実が70パーセントではない」と伝えます。そして、「結婚してください。僕は君が好きです」とプロポーズ。

「この人はとても鈍感なのだ。私の嘘を許してしまえるくらいに。優しいところが大好きだ。架のことが、ちゃんと好きだった」
真実はOKをしました。

式場をキャンセルし、三波神社で二人だけの結婚式を挙げます。

それが、半年離れて暮らしたふたりの結末でした。

【傲慢と善良】感想

サスペンス要素もありハラハラのラブストーリーです。善良と傲慢は捉え方でそれぞれだと思います。
この物語では、架の女友達はかなり傲慢だと感じました。美和子らのことを真実は好きじゃないと言っています。それには共感。架は美和子らのことを友人だと思っているわけで、この辺りの感性の違いが気にはなりました。
出会いはマッチングアプリ。結婚を前にして揺れる女。結婚を決意して安心する男。真実と架の心情にはすれ違いがあったのかなとも思います。ただ、真実の失踪は互いに「必要な人」だと知るためのものだったのでしょう。
石母田が「大恋愛」だと言う。離れて惹かれ合うふたりの恋は確かに大恋愛。
パーフェクトなんて人はいない。ダメなところも認め合い、善良も傲慢もひっくるめて好きになれたら結婚もうまくいく。結末での架と真実の結婚にはそんな意味が含まれていると思います。

表紙も素敵な小説【傲慢と善良】。辻村深月の世界を堪能できる名作です。おすすめです。

傲慢と善良・原作

【傲慢と善良】映画のラストを考察

【傲慢と善良】の映画の結末を考察します。

ラストはオリジナル

辻村深月小説【傲慢と善良】は藤ヶ谷太輔さんと奈緒さんのW主演で映画になります。「映画のラストはオリジナル展開が待ち受けている」と公式サイトで公開されています。

小説は結婚式の結末ですが、映画はその先まで描くのかも?果たして映画の結末は?

8つの名言(証言)の解説

映画にも登場する原作からの名言(証言)を解説します。

  • 「婚活は就職活動に似ている」…架はマッチングアプリでの出会いは履歴書を見せ面接をする就活みたいだと思う。
  • 「あの子と結婚したい気持ち、今何パーセント?」…結婚願望が100%ではない架は70%と答える。
  • 「その男と駆け落ちしたってことはない?」…架が真実はストーカーと一緒かと疑い始める。
  • 「架くん、助けて!あいつがいる!」…真実がストーカーに追われていると見せかける台詞。
  • 「あの子、自分で決めるより人に従っているほうが楽だったんでしょう」…真実の姉が語る真実の生き方。
  • 「私は70点だから、70点分しか彼は私を好きじゃないから」…自分の評価に愕然とする真実の心情。
  • 「お見合いはお母さまの強い要望だったのです」…架が結婚相談所の小野里から知る真実のお見合い事情。
  • 「運命という言葉を、信じたくなる夜です」…真実が架に抱かれた夜に思うこと。

【傲慢と善良】の登場人物

西澤架(にしざわかける)39歳。…(藤ヶ谷太輔)
坂庭真実(さかにわまみ) 35歳。…(奈緒)
坂庭陽子(さかにわようこ)…真実の傲慢な母(宮崎美子)
坂庭正治(さかにわしょうじ)…真実の父(阿南健治)
岩間希美(いわまのぞみ)…真実の姉(菊池亜希子)
岩間桐歌(いわまきりか)…希美の娘
岩間剛志(いわまつよし)…希美の夫
三井亜優子(みついあゆこ)…架の元カノ
金居智之(かないともゆき)…真実の見合い相手
花垣学(はながきまなぶ)…真実の見合い相手
小野里…結婚相談所のオーナー(前田美波里)
大原、美奈子、梓、渚、多佳子…架の友人
谷川ヨシノ…ボランティア活動プロセスネットのスタッフ。(西田尚美:映画は飲み屋のママ)
樫崎正太郎(かしざきしょうたろう)…写真館のオーナー
樫崎耕太郎(かしざきこうたろう)…正太郎の孫
力(ちから)11歳…写真館に身を寄せている男の子。
早苗(さなえ)38歳…力の母。
板宮(いたみや)…地図製作会社で働くベテランの地図調査員
高橋(たかはし)30歳…ボランティア活動で真実が地図作りを一緒にする。(倉悠貴)
石母田(いしもだ)…神社の神主

()内は映画演者

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【傲慢と善良】原作情報

タイトル【傲慢と善良】(ごうまんとぜんりょう)
原作者:辻村深月(つじむらみづき)
出版社:朝日新聞出版
漫画:鶴谷香央理によりコミカライズ
第7回ブクログ大賞・小説部門大賞受賞作

記事内画像:映画【傲慢と善良】公式サイト

傲慢と善良原作

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