『キャスター』今夜スタート!期待と不安、阿部寛でもTBSビデオ問題には切り込めない?│コラム
日曜劇場『キャスター』(TBS系、毎週日曜午後9時)が4月13日(日)よる9時から初回放送スタート。
「下町ロケット」「ドラゴン桜」などの阿部寛さんが日曜劇場の主演として戻ってきました。
テレビ局の報道番組を舞台に、型破りなキャスター・進藤壮一が闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく社会派エンターテインメントです。
今回は『キャスター』が今夜スタート!期待と不安、阿部寛でもTBSビデオ問題には切り込めない?と題したコラムを紹介します!
『キャスター』今夜スタート!
日曜劇場『キャスター』が今夜、13日(日)21時からスタートします!
第1話は……民放テレビ局JBNの夜の報道番組「ニュースゲート」の新キャスターに進藤壮一が就任。40年の歴史を誇る看板番組だが、近年は視聴率が低迷。そのテコ入れで、JBNの会長・国定(高橋英樹)が公共放送局から彼を引き抜いたのだ。
進藤は就任初日、スタッフに「この番組を正すために来た」と宣言!定型を破るスタイルを次々と導入し、番組の総合演出に抜擢されたばかりの崎久保華は進藤とベテランスタッフの間で板挟み状態に……と展開していきます。
『キャスター』の期待と不安
報道番組キャスター・進藤役の阿部寛さんのほか、進藤に振り回されながらも奮闘する総合演出・崎久保華を人気女優・永野芽郁さん、進藤を尊敬するジャーナリスト志望の新米AD・本橋悠介を「なにわ男子」の道枝駿佑さんが演じます。
そのほかの出演者も豪華で、高橋英樹さん、北大路欣也さんなど超ベテランから、元宝塚の月城かなと、韓国人俳優キム・ムジュン(김무준)、女性アイドルグループ「=LOVE」の佐々木舞香、人気芸人のヒコロヒー、映画「侍タイムスリッパー」の山口馬木也皆さんなどなど、ジャンルも年齢もキャリアも多彩な俳優がキャスティングされ、どうなるのかと期待が高まっていると思います。
けれど、不安もあるよ、ということも述べていきます。
阿部寛でもTBSビデオ問題には切り込めない?
「世の中を動かすのは真実!」という信念の男・進藤壮一(阿部寛)は、公共放送で社会部記者、キャスターとして活躍するも、民放テレビ局JBNの会長に引き抜かれ、視聴率低迷にあえぐ報道番組「ニュースゲート」のメインキャスターに就任。真実を伝えるためには手段を選ばずに独自ルールで取材や調査をし、圧倒的な存在感で周囲を巻き込んでいくきます。
しかし、阿部寛さん演じる主人公がどれだけ「世の中を動かすのは真実!」という信念を持っていようとも、TBSビデオ問題には切り込めないと思います。
SNSでもこんな指摘が…↓
TBSは「キャスター」なんてドラマ作るんならTBSビデオ問題(オウムにビデオ見せたせいで弁護士一家が殺害された件)をドラマ内でとり上げればいいのに。#キャスター
— M (@kyoryu2020live) April 13, 2025
「TBSビデオ問題」とドラマ「キャスター」は直接的な関連はなく、責められる筋合いはないかもしれません。でも、同じ局で放送するドラマが報道番組を舞台にするという点で間接的な関連性があると思います。
「TBSビデオ問題」(TBSビデオ事件)は、TBSのワイドショーによる重大な報道倫理違反事件です。1989年、TBSのワイドショー番組「3時にあいましょう」がオウム真理教幹部に、オウム真理教を批判する坂本堤弁護士のインタビュー映像を放送前に見せたことで、「坂本弁護士一家殺害事件」(同年11月4日)の発端となりました。TBSは当初否定していました。しかし、1996年に事実を認め、検証番組を放送して社長が謝罪しました。
日曜劇場『キャスター』は、そのTBSで放送される連続ドラマであり、報道番組「ニュースゲート」を舞台に、闇に葬られた真実を追求する社会派エンターテインメント作品です。
主人公・進藤(阿部寛)らが闇に葬られた真実を追求するということで、悪を裁くエンタメ要素が強い回もあるでしょう。しかし、報道倫理やメディアの役割とは何かついて描くことは難しいと予想します。お前が言うな!という局ですから。
もちろん本作はフィクションのエンタメ作品なので、TBSビデオ問題のような実在の事件を具体的に描くことはないでしょう。ならば名称を変更したり、事件を改変して、モチーフとして描くことは可能ですが…。どうでしょうね。
報道とは何かの流れで、日本のテレビ局、特に民放の過ちについて触れる可能性はあります。触れるだけでも、大きなチャレンジだと思います。
私個人的には、本ドラマは民放の報道番組を舞台に、闇に葬られた真実を追う社会派作品なので、フィクションとしてでも、テレビ報道の闇や倫理問題をテーマにして描くべきだとは思います。
第1話では、進藤らが内閣官房長官・羽生剛(北大路欣也)の生出演キャンセルや贈収賄疑惑との関連を追います。そして予告動画で進藤が「人を殺しましたね?」と尋ねる場面もあり、悪を成敗するストーリー展開が予想されています。
勧善懲悪なエンタメ作品も面白いのですが、せっかくTBSが報道もののドラマを制作するのですから、自己検証・自己批判になったとしても、報道とは何か?について描いてほしいところです。
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