【べらぼう】3話考察&感想!田安治察(入江甚儀)は暗殺された?
横浜流星主演の大河ドラマ【べらぼう】第3話が1月19日(日曜)に放送されました。
蔦重(横浜流星)は資金を集め北尾重政(橋本淳)と共に女郎を花に見立てた本『一目千本』に着手。本作りに夢中な蔦重を許せない駿河屋(高橋克実)。親子関係の行方は…。そして田安治察(入江甚儀)が死亡。暗殺された?
本記事は【べらぼう】3話のストーリーと考察&感想について紹介します!
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【べらぼう】3話のあらすじネタバレ
奥付に「蔦屋重三郎」の名前が!
鱗形屋(片岡愛之助)が、吉原の女郎屋の関係者たちに正月に発行する『細見嗚呼御江戸』の披露会を開催。
吉原は、なじみ客などに配るため、細見(ガイドブック)を前もって一定部数買い取る。つまり鱗形屋は必ずある程度の儲けがあるのだ。
女郎屋の主人たちは、最新情報が盛り込まれた「改」の内容に満足げ。さらに、「序」を書いたのが平賀源内(安田顕)だと知ると色めき立つ。
鱗形屋が蔦重(横浜流星)の功績に感謝。
奥付に「蔦屋重三郎」と名を入れたため、一同はどよめいた。
蔦重(横浜流星)は店主に張り倒される
内緒で作業をしていた蔦重(横浜流星)は、駿河屋(高橋克実)にバレてしまい、「てめえいつから本屋になったんだ?」と張り倒された 。
蔦重は「てめえら(=自分ら)で何かしなきゃ、吉原に客は戻ってこねえんです」と説明する。
駿河屋は「こんなもんで客を引っ張れるわけねえだろ!」と怒る。
唐丸(渡邉斗翔)や義兄の次郎兵衛(中村蒼)が止めに入るものの、駿河屋の怒りは収まらなかった。
意次と源内
田沼屋敷にて。、田沼意次(渡辺謙)とその息子・意知(宮沢氷魚)は、あん餅雑煮を食べながら平賀源内(安田顕)と面会している。
源内は「お年玉」と称して『細見嗚呼御江戸』を手渡す。パラパラとめくっていた意知は、蔦重の名前に目を留めて、父に伝える。意次は「ありがた山の寒ガラスの!」と気づき、「吉原も人を呼べるようになるのか?」と源内に尋ねる。
源内は「そりゃもう、どっさ、どっさと」と太鼓判を押す。
田沼、賢丸養子大作戦
その頃、田沼屋敷に白河松平家から書状が届く。 内容は田安家の賢丸(寺田心)を養子に欲しいというもの。白川松平家は、徳川吉宗に近い血筋の婿をもらってとにかく家の格を上げたいたのだ。一度断られた話だが、反対していた田安宗武が亡くなったことで再び依頼をしてきたのだ。
大きな見返りが期待した田沼意次は、策を練り、10代将軍・徳川家治(眞島秀和)の元を訪れ、賢丸が宴を一喝した件を褒め称えながら、「私にはそれがもう哀れで… あの英明なる若様は今後何のお役にもつけず、部屋住みとして朽ち果てるのみ。 あの類まれなる才を発揮する機会は未来永劫を訪れぬかと」と進言する。
これを受けて家治から田安家に養子の話が打診される。 賢丸は、病弱な兄の治察に万が一のことがあったら田安家を継ぐ者がいなくなるとして難色を示す。しかし、家治から直々に 「万が一の時は賢丸を呼び戻していい」 という言質を取り、賢丸は安心して養子の話を承諾した。
それを知った松平武元(石坂浩二)は激怒するが、意次は将軍が私に言いくるめられたと言うのですか?それを伝えてもいいですか?と皮肉で対応。松平武元は何も言えなくなる。こうして養子縁組が決定した。
蔦重が新たな本作りへ
蔦重が吉原細見の改を行った後も、客足は伸びなかった。 読むだけで満足してしまうのだ。
蔦重が場末の河岸見世の様子を見に行くと、”梅毒”の症状に苦しむ女郎がたくさんいた。二文字屋の女将・きく(かたせ梨乃)は見世を畳むと言い出す。
蔦重は、亡き恩人の朝顔(愛希れいか)のためにも「なんとかする」と見世の再建を引き受ける。
一計を案じた蔦重は、花の井(小芝風花)に協力を頼む。
花の井は長谷川平蔵(中村隼人)を松葉屋に呼び、女郎の絵姿を集めた「入銀本(集めた額で女郎の掲載順が決まる)」を作る話が持ち上がっていて、「わっちは何としても本の頭(かしら)を飾りとうす」と訴える。
平蔵は花の井のために50両を用意した。
蔦重はその50両をきくに渡す。
その後も蔦重はでっちあげた入銀本の話を吉原の女郎たちに触れ回り、競争心を煽り、女郎たちから資金を集めた。
蔦重は新たな本作りに駆け回って、大金が集まった。そして女郎屋の店主たちに入銀本を作ることの許可をもらう。店主たちは一銭も出さないのでOKした。
しかし駿河屋(高橋克実)だけは、そんな蔦重が許せず激怒!蔦重を階段の下に蹴り落とそうとするが…。バランスを崩した駿河屋が階段から転げ落ちてしまう。
堪忍袋の緒が切れた駿河屋は、蔦重を家から追い出した…。
それでも本作りをあきらめない蔦重。その動機は何としても入銀本で吉原に客を呼びたいという思いからだ。それは養父・駿河屋の機嫌を取ることよりも重要なことだった。
入銀本は贈答用なので本屋で販売されない。それを逆手にとることにした蔦重。魅力的な本ができれば、それを手に入れるため吉原の馴染みになりたい男達が押し寄せるはず、と考えた。
本屋でなくその店に行かないともらえないもの…。現代で言えば、映画館に客を呼び込むための入場者特典の冊子(例:ONE PIECE の「巻四十億“RED”」)、マクドナルド・ハッピーセットのおまけ、みたいなものでしょうか。
北尾重政とともに入銀本『一目千本』を完成させる
蔦重は、絵師・北尾重政(橋本淳)を訪ねて、入銀をした120人の女郎を描いてほしいと依頼。重政なら「120人の描き分け」ができると考えたからだ。
重政は「似たような絵が続くだけだとあんまし面白くねえんじゃないかなあ?」と気が進まない様子。そこで、蔦重が「一人一人を花に見立てて描いてはどうか」と提案。
重政もこれに乗ってきた。「ツーンとしてる女郎は、わさびの花とか」「夜冴えないのは昼顔」「無口なのはクチナシな」「文ばかり書くカキツバタ!」とアイデアが沸く…。
さっそく本作りが始まる。蔦重が女郎の見立てを考え、重政が絵を描いていく。彫り師や摺り師らの作業を経て摺り上がったものを、唐丸や二文字屋の女郎たちと共に徹夜で本の形に綴じた。
蔦重は本作りが「楽しい」と、その喜びに目覚めた。
そして、入銀本『一目千本』が完成。
蔦重は駿河屋に持って行く。主人は拒否するが、「気が向いたらでいいんで見てくだせえ」と置いていった。
蔦重は入銀してもらった女郎たちにも配り、女郎屋の主人たちにも「新しい客付けに使ってください」と言って渡した。
さらに「吉原のなじみ客になったらもらえる本、欲しかったら吉原 行け」 というキャッチフレーズで、湯屋(ジェームス小野田)や髪結床、茶屋、居酒屋など男たちがいそう場所に見本を配り回る。現代でいうサンプルプロモーションだ。
駿河屋が笑う
駿河屋を訪れた扇屋右衛門(山路和弘)が 「片手間に本を作るくらいいじゃないか」と駿河屋に尋ねる。
扇屋は駿河屋が養子の中で蔦重だけ手放さなかったのは、店を継がせるつもりだったからだと気がつく。
扇屋右衛門が「目端がきいて、知恵が回って、度胸もある。何よりてめえ(自分)が何とかしなきゃって、あの心根 …。誰だっ手放したかねえよな。で、どうすんだい? このまま重三が戻ってこなかったら。…らしくねえと思うんだよな。可愛さ余って憎さ100倍なんて、お前さん、まるで人みてえなこと言ってるよ。忘八(ぼうはち)のくせに! 忘八なら忘八らしく 1つずつ損得ずくで頼むわ。 店には置いておいた方がいいと思うぜ、これ(=入銀本『一目千本』)おもしれえから」と言って、去る。
駿河屋は本を開く。花に見立てられた女郎たちの絵があった。
ツンとすました亀菊はわさび。
男が腹上死する常盤木はトリカブト。
中でも駿河屋は「噂を吹聴して回る志津山を(東野絢香)をクズ(葛)」に見立てた絵に、思わず吹き出してしまう。
吉原が客で賑わう
半月後、吉原が人で溢れかえった。蔦重は涙ぐみ、歓喜。
すると、駿河屋が「わめいてんじゃねえよ、べらぼうが!」と怒りつつ、義兄・次郎兵衛の店が回っていないので戻ってこいという。
そして駿河屋は「志津山のクズ、最高だった。吉原のためにせいぜい気張ってくれ」と蔦重を応援する。
後日、『一目千本』を作るきっかけとなった長谷川平蔵から花の井に文が届いた。「親の遺産を食いつぶしたのでもう会いに行けない」と書かれていという。蔦重は50両を返さなきゃ、というが…。花の井は本当のこと知ったら彼は喜ぶだろう、「50両で河岸を救った男なんて粋の極みじゃないかい」という。
3話ラスト:田安徳川家当主が死去
その頃、鱗形屋は『一目千本』の「書肆 蔦屋重三郎」という文字を冷たい目で見つめていた。
ラスト、田安賢丸(寺田心)の兄で田安徳川家2代当主の田安治察(たやすはるさと、たやすはるあき)(入江甚儀)が苦しみながら亡くなった。
(つづく)
【べらぼう】3話の考察&感想
田安治察(入江甚儀)は暗殺された?
3話も主人公・蔦重が大活躍。吉原に客が戻ってきました。養父に大反対されても、勘当されても、それでも吉原の復興の方が大事だと目的を見失わす、取り組み、ついに目的を達成。いやあ、すごいメンタルです。高橋克実さんの今回の親父さん役は怖くて、私なら諦めてしまうなあ…と見てました。すごいですね、
蔦重という人物は。そして頭もいいんですよ。最初の50両って、まだ企画段階なのに、長谷川様からお金を出させたってことですしね。もちろん小芝風花演じる花の井の色仕掛け(?)な魅力もありましたけどね 笑。そして女郎たちのプライドをくすぐるのも上手いですよ、蔦重!
さて、3話で気になったのはラストの、のちの松平定信=田安賢丸(寺田心)の兄・田安治察(入江甚儀)が死亡した場面。田安治察(入江甚儀)は暗殺された?
暗殺ならば、一橋家の暗躍で暗殺されたのでしょうか。あるいは田沼意次の差金で暗殺されたのでしょうか。
劇中では胸をかきみしったような死に方でしたよね。毒殺?
一橋家の陰謀はなかった説
治察が死んだあと、田安家が定信の養子縁組解消を将軍家に依願していたとき、清水家と一橋家の家老が連名で定信の養子縁組解消を将軍家に依願していたことが根拠。
また、後継者がいなくなり明け屋敷となった田安家にはのちに、徳川家斉の弟・一橋斉匡が入り明け屋敷ではなくなりました。これが一橋家の陰謀説の根拠のひとつになっていますが、斉匡を当主に迎えて田安家を復活させることを願い出たのは、当の定信でした。そのため一橋家の陰謀ではないといえます。
意次の陰謀説
1774年(安永3年)、賢丸(のちの老中・松平定信)は第10代将軍・徳川家治の命令で、白河藩の藩主「松平定邦」の養子へ出されてしまいます。その半年後に跡継ぎの田安治察が死去。田安家の家臣が松平定信を戻してもらうよう幕府に願い出るものの、幕府は許可しませんでした。
実はこのとき、田安家の申し出を却下したのが田沼意次(渡辺謙)。しかも、松平定信を白河藩に養子に出すよう将軍の徳川家治に進言したのも田沼意次。
ここはやはり、田沼意次が老中として江戸幕府の権力を独り占めしたい思惑があり、聡明な松平定信が次期江戸幕府将軍になる可能性を早めに消して、自分の勢力を確実なものにしようとした、と考えらています。
ただし、田安治察は病弱だったとも言われていて、暗殺する必要があったのかは疑問。でも徳川御三卿の一つの「田安徳川家」の当主が約14年間も不在となってしまい、意次としてはやりやすくなったのかも?とも勘ぐってしまいますね。
【べらぼう】3話の出演者&スタッフ
【出演】横浜流星,安田顕,小芝風花,宮沢氷魚,中村隼人,生田斗真,片岡愛之助,高橋克実,石坂浩二,渡辺謙,原田泰造,眞島秀和,花總まり,小野花梨,寺田心,中村蒼,正名僕蔵,
【語り】綾瀬はるか
【作】森下佳子
【音楽】ジョン・グラム