本記事は【ザ・ロイヤルファミリー】の原作ネタバレとともに、連続ドラマの全話あらすじを紹介!最終回結末も考察&予想します!
ドラマ【ザ・ロイヤルファミリー】が2025年秋クールの日曜劇場で放送。主演は妻夫木聡。共演には佐藤浩市、目黒蓮、松本若菜、沢村一樹、黒木瞳、小泉孝太郎、など豪華俳優が集結。競馬の世界を舞台に、人間と競走馬の20年にわたる壮大なストーリーが描かれます。
【ザ・ロイヤルファミリー】の原作
| タイトル | 「ザ・ロイヤルファミリー」 |
| 著者 | 早見和真 |
| 出版社 | 新潮社 |
| 単行本発売日 | 2019/10/30 |
| 文庫の発売日 | 2022/11/28 |
| 受賞歴 | 第33回山本周五郎賞、2019年度JRA賞馬事文化賞 |
原作は早見和真の同名小説。早見さんの作品の映像化は「連続ドラマW イノセント・デイズ」「95」「笑うマトリョーシカ」など多数です。早見さんが親交のあった妻夫木聡さんに直接オファーしたそうです!
㊗️TVドラマ化決定!
『ザ・ロイヤルファミリー』(早見和真/新潮文庫)がTBS系日曜劇場でTVドラマになります!
主演は妻夫木聡さん。演出は塚原あゆ子さん。2025年10月スタートです!原作と併せて是非🐎https://t.co/8taeLe8OI0 pic.twitter.com/HuafVTclPk
— 新潮文庫 (@shinchobunko) August 9, 2025
【ザ・ロイヤルファミリー】原作ネタバレ
原作あらすじ
「ザ・ロイヤルファミリー」(新潮文庫)のあらすじ です↓
子は、親を超えられるのか。馬主とその家族の20年を描く圧巻のエンターテインメント長編!
お前に一つだけ伝えておく。絶対に俺を裏切るな――。父を亡くし、空虚な心を持て余した税理士の栗須栄治はビギナーズラックで当てた馬券を縁に、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書として働くことに。競馬に熱中し、〈ロイヤル〉の名を冠した馬の勝利を求める山王と共に有馬記念を目指し……。馬主一家の波瀾に満ちた20年間を描く長編。新潮社HPより
山王耕造(佐藤浩市)の結末
山王耕造(佐藤浩市)は夢なかばにして癌で亡くなります。妻とも離婚し、社長業でも秘書に横領されて裏切られたり、違法派遣で業務改善命令を受けて社員が離れていったりと、けっこう不幸です。でも、所有する馬を不倫相手との間にできた子供に一部譲って、有馬記念で勝つという夢を託しました。
耕造は不幸に見える人生ですが、競馬のライバルの椎名氏は耕造が楽しんでいることをリスペクトしていました。また、優太郎と百合子は馬主を継ぐ気はなかったので、婚外子とはいえ夢を託せる子供がいたのも幸せだと思います。
山王家と中条家の関係

栗須栄治(妻夫木聡)の結末
栗須栄治(妻夫木聡)の結末ポイントは2つあります。
- 栗須栄治は元カノの野崎加奈子と結婚します。
- 栗須栄治は中条耕一のマネージャーとなり、有馬記念を目指します。(※中条耕一は亡き山王耕造の婚外子)
栗須は親子二代に渡って、(競馬に関しての)マネージャーを担当するわけですね。
原作ネタバレ・あらすじ
【起】栗須と山王耕造の出会い
主人公は栗須栄治(妻夫木聡)。税理士で、長野にいる父の事務所で働くことが夢でした。しかし父が突然亡くなってしまい、人生の目標を見失ってしまいます。そんなどん底の時、大学時代の友人から叔父が馬主だからと誘ってきて、競馬で賭けてみた栗須。すると、なんと大当たり!!その友人は、叔父さんで馬主の山王耕造(佐藤浩市)と栗須を会わせました。栗須は耕造に父を重ねます。耕造は栗須を自分の会社に誘い、「裏切るなよ」と告げます。栗須は耕造の会社に入社します。その後、栗須は経理部から秘書課に移動し、耕造の専属マネージャーになりました。
【承】ロイヤルホープが栗須と耕造の希望
栗須栄治は元カノの野崎加奈子(松本若菜)に頼まれて、山王耕造をノザキファームに連れて行きます。そこで耕造は海外の血が入った馬を購入。ロイヤルホープと名付けます。このことで、経営危機になったいたノザキファームは救われました。ロイヤルホープは栗須と耕造の希望となっていきます。そのロイヤルホープはデビュー戦で1着に。しかし耕造は癌(がん)を患い、余命わずかになっていきます。そんな中、ロイヤルホープは引退レース「有馬記念」(G1)に挑むものの2着に終わってしまいました。
ちなみに耕造は別の馬「ロイヤルワンダー」でG1「ジャパンカップダート」を制覇しています。しかしクラシック三冠(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)に比べたら格落ちのため、嘲笑する声もありました。また、前橋市にいる元愛人の死去、元愛人との隠し子の存在、愛人との思い出の「雨の有馬記念」、違法な派遣による業務改善命令、改善命令を受けて離れていく多くの社員や取引先、隠し子を知った妻が耕造と離婚、それでも栗須はついていく覚悟を見せる場面など、色々と描かれます。
G1(ジーワン、グレードワン)とは?…競走体系上もっとも重要な競走。JRAが規定する「G1」は、皐月賞・日本ダービー・菊花賞・天皇賞(春・秋)・桜花賞・オークス・秋華賞・NHKマイルカップ・宝塚記念・ジャパンカップ・中山大障害・有馬記念などレースがあります。
【転】耕造の息子(婚外子)が馬主に
物語後半は、栗須栄治が、耕造と愛人中条美紀子との間に生まれた息子・中条耕一のマネージャーになって有馬記念を目指す物語になります。その耕一は「相続馬限定馬主」制度を利用して、3頭の馬主になりました。。つまり、栗須と耕造の夢が、栗須と耕一に引き継がれたのです。いわゆる「継承」です。
三頭の中のロイヤルファミリーが新馬戦で1着に!堂々のデビューです。しかし、その後は不調になります。それでも、加奈子の甘やかす作戦で、調子を取り戻していきます。耕一はワンマンで、栗須やベテラン調教師と意見が衝突しながらも、勝利を優先していきます。負けたら暗いその後が待っている競走馬の明るい未来のために…。
「相続馬限定馬主」とは?…相続人が馬主資格を持っていない場合でも、特定の条件下で競走馬を所有できる制度です。馬主資格を得るには中央競馬の場合、(劇中の当時)2年連続で所得が1800万円以上、総資産が9000万円以上となっています。初期費用や維持費も高額なため条件があるのです。しかし、大学生の耕一には無理。馬主が死亡して相続する場合は、従来の馬主資格は不必要となるんのです。
【結末】ロイヤルファミリーが親子の夢を叶える?
【結末1】
栗須栄治と耕一は、親子二代の夢「有馬記念」を制することができるか?競走馬「ロイヤルファミリー」が親子の夢を叶えるのか?が注目ポイントです。
・加奈子の息子の野崎翔平が乗るロイヤルファミリーは引退レースの「有馬記念」で2着。
・1着はビックホープ。椎名氏がオーナーで、佐木隆二郎が騎乗。
・3着はソーパーフェクト。椎名氏の息子がオーナーで、フランス人のトゥーサンが騎乗。
またしても夢が叶わなかったのですが、耕一は「続けるべきだ」という父の声が聞こえたと言い、ロイヤルファミリーの引退を撤回。その後のロイヤルファミリーの快進撃を誰も想像出来なかった…という感じで物語は終わります。
【結末2】ロイヤルファミリーのその後
【結末2】
ロイヤルファミリーの快進撃を予感させて本編が終わりました。しかし、その後、ロイヤルファミリーは有馬記念を制覇します。ちなみに有馬記念1着のの場面は文章では描かれませんでした。
【考察】山王耕造(佐藤浩市)が有馬記念にこだわった理由とは?
山王耕造(佐藤浩市)が有馬記念にこだわった理由は、ホステスの恋人・中条美紀子と初めて行った競馬が「有馬記念」だから…だと推察できます。
こののとき、雨が降っていました。有馬記念は晴れているイメージでしたが、この時は珍しく雨が降っていたこともあり、思い出に残っているのです。
ドラマ版では第2話にて、山王耕造(佐藤浩市)が有馬記念をなぜ目指すのかについて「何で日本ダービーじゃないんだって?強いだけじゃ選ばれない。ファンに愛されその走りを認められた馬だけが選ばれるんだ。情がある。愛がある。年末のお祭りだよ。1年分の負けた記憶が吹っ飛んじまうんだ。勝ち逃げってやつだ。最高だよ(笑)」と語っていました。
【感想】人生は負けることも多いが…
本作は「継承」の物語です。
中条耕一の母・美紀子は競走馬の実力を見抜く力がありました。美紀子が見立てた馬「ロイヤルハピネス」で耕造は重賞レースを初めて勝ちます。
耕一の父・耕造が見立てた馬は「ロイヤルホープ」。
そして…。
ロイヤルハピネスとロイヤルホープの子供が「ロイヤルファミリー」です。
つまり、耕一は父と母が見立てた馬から誕生した馬「ロイヤルファミリー」で有馬記念を勝ったというわけですね。
まさに耕一が両親の夢を「継承」して叶えたといえます。
とはいえ、原作小説では主人公たちを簡単には勝たせてくれませんでした。本作の文庫本の解説を担当した小説家・今野敏さんは著者の早見さんが高校球児であり、試合は簡単に勝てないと体験していて、勝負の厳しさを知っているから簡単には優勝させなかったのだろうと推察していました。
人生は負けることも多いです。けれど、最終的に栗須と耕一は山王耕造の思いを背負って有馬記念で勝ちました。しかしその勝利シーンは文章で描写されていませんでした。
原作のラストは、主人公たちが決意を新たにするところで幕が閉じました。人生は簡単ではないけれど、諦めちゃいけない!という著者からのエールで締めくくったと私は受け取りましたよ!
【時系列】栗須栄治の年表まとめ
| 第一部「希望」 | 親の世代の物語&主人公と競馬との出会い |
| 1996年頃(29歳頃) | 山王耕造の競走馬「ロイヤルダンス」が中山金杯で1着。栗須はロイヤルダンスに賭けていた。父を亡くした栗須が山王耕造と出会い、ロイヤルヒューマン入社へ。 |
| 1999年頃(32歳、入社3年) | 入社3年。経理課から秘書課に異動。山王耕造の専属マネージャーに。 |
| 2003年(36歳、入社7年) | 秘書課に異動して4年。栗須と耕造がロイヤルホープと出会う。 |
| 2006年(39歳) | ロイヤルホープが新馬戦(デビュー戦)で1着。 |
| 2007年(40歳) | 加奈子(37歳)にプロポーズしていたが、ロイヤルホープが有馬記念で8着になったため流れる。 |
| 2008年(41歳) | 3月、京都記念(GⅡ)で1着。 |
| 2009年(42歳) | 3月、日経賞(GⅡ)で1着。 |
| 2010年(43歳) | 3月、ロイヤルホープがドバイステイヤーカップ(GⅡ)で1着。 |
| 2010年(43歳) | 加奈子に有馬記念でロイヤルホープが勝ったら結婚してほしい、とプロポーズ。加奈子は自分で決めたいと拒否。 |
| 2010年(43歳) | ロイヤルホープが引退前のラスト3戦に挑むものの、「天皇賞・秋」「ジャパンカップ」「有馬記念」でいずれも2着に。 |
| 第二部「家族」 | 親から子へ、夢を「継承」していく物語 |
| 2011年(44歳) | ・1月、栗須が中条耕一に馬主(相続馬限定馬主)になるよう提案。 ・2月ごろ、耕一が父・耕造と対面し、3年は生きて欲しいと頼む。 ・翌週、耕造がロイヤルホープ(耕造がノザキファームで見立てた馬)とロイヤルハピネス(美紀子が見立てた馬)の子供に「ロイヤルファミリー」と名付ける。 |
| 2013年(46歳) | 山王耕造が死去。ロイヤルファミリーの競走馬への登録に間に合い、耕一が馬主になる。 |
| 2014年(47歳) | ロイヤルファミリーが新馬戦で1着。 |
| 2015年(48歳) | 加奈子からプロポーズして、栗須がOKする。 |
| 2017年(50歳) | 11月、ロイヤルファミリーがジャパンカップ(GⅠ)で1着。 |
| 2017年(50歳) | 11月、ロイヤルファミリー有馬記念(GⅠ)で2着。引退を撤回へ。 |
| 本編終了 | 本編は有馬記念で勝てずに終了。しかし、その後のロイヤルファミリーの快進撃を示唆していて…。 |
| 本編終了後 | ロイヤルファミリーの快進撃 |
| 2018年(51歳) | 4月、大阪杯(GⅠ)で1着。 |
| 2018年(51歳) | 4月、天皇賞・春(GⅠ)で1着。 |
| 2018年(51歳) | 10月、凱旋門賞(GⅠ)で1着。 |
| 2018年(51歳) | 11月、ジャパンカップ(GⅠ)で1着。 |
| 2018年(51歳) | 12月、有馬記念(GⅠ)で1着。 |
なぜ本編の後のロイヤルファミリーのレースと着順が分かる?
答え。文庫本で611ページ目に、ロイヤルファミリーの競走成績が掲載されているから。本編では有馬記念で2着となったロイヤルファミリー。「来年以降の愛馬の輝かしい未来」を誰も想像できなかったと、躍進をほのめかして終わったんですよね。文章で表現する「小説」としては邪道かもしれませんが、その後の成績が分かるのは嬉しいです。
ドラマ【ザ・ロイヤルファミリー】全話あらすじネタバレ
1話【ゲートイン】
第1話の年代は2011年。栗須と山王耕造の出会いが描かれます。
税理士・栗須栄治(妻夫木聡)は、ある事をきっかけに挫折を味わい希望を見いだせずにいた。ある日、ロイヤルヒューマン社の競馬事業撤廃のための実態調査を依頼された栗須は、事業を推し進めるワンマン社長・山王耕造(佐藤浩市)を訪ね北海道へ。競馬とは無縁だった栗須は、耕造の勢いに圧倒されつつも馬や人との絆に心を突き動かされる。さらに北海道で元恋人・加奈子(松本若菜)と再会し、栗須の生活が一変…。波瀾に満ちた挑戦が始まる!
栗須の調査によって、競馬事業に利益が出ていないため、撤廃が濃厚になる。耕造は栗須に「先生、夢あんの?夢はあんのか」と問う。また、所有している馬の行き先も問題になる。栗須は加奈子に電話し、<処分>になることを聞いて、ショックを受ける。
栗須は耕造に「馬の引取先を探します」と提案。。耕造は「あんたに馬の良し悪しがわかるのか? 俺にはわかんねぇ。だから馬の後ろにいる人間を見る。信用できる人間が覚悟をもって言ってくるなら投資する。人を信頼するんだよ。あんたにそれができるのか?」 と問う。
栗須は、できないと答える。「だったら手出しは無用」と耕造。栗須は「私に賭けることはできます」と言い、競馬事業部の全資料を見せて検討するという。なぜそこまで?「ここで終わらせたくないから」という栗須は、膨大な資料を持ち帰る。
後日。ロイヤルヒューマン社の会議室にて。栗須は秘書の金城が5年前から横領していることを指摘。現在抱える馬の育成費用が賄えるほどだ。続いて、耕造が 「俺にも考えがある。会社の副業は競馬事業と飲食事業だが、飲食は場合によっては撤退だ。でも、あぶれた社員を見捨てたりしない。全員、本社に戻す」という。
栗須は手柄を失ったため、所属していた大手税理士事務所を退職。山王耕造と10頭の馬を救い、職を失ったのだった。
後日、栗須は耕造から誘われて新潟の競馬場に行く。すると記者の平良(津田健次郎)が栗須に感謝する。 耕造は面白いから、競馬界にいてもらいたい。だから助けた栗須に感謝した。また、 厩舎の田所もて栗須に「ファイトが走れるのはあなたのおかげだって」と礼を言う。
レースが始まる。 ロイヤルファイトが最後の直線で追い上げている。栗須と耕造が 「行け!!」 と叫んでいる。 写真判定の結果、1着は椎名善弘(沢村一樹) の馬、 2着に耕造のロイヤルファイトとなった。
栗須のスマホに着信があり、レースに来ていた林田純次(尾美としのり)から「ありがとうございました!」 と感謝された。
電話を切り、栗須は話を始める。1年前に父が突然亡くなった。税理士一筋の人だった。栗須に後を継がせるために東京の大学に行かせてくれた。卒業後、修行のため大手の事務所に入ったが、数年前、父に帰ってきて一緒に働かないか?と言われた。なのに、手に入れた立場や評価を捨てることができず「いつか帰る」と先延ばしにした。父は突然倒れて死亡。この1年ずっと後悔していたという。
栗須は「父のお陰で私は今ここにいる」「初めて父の言っていた、人の役に立てました。人から感謝される仕事ができました。」と涙。耕造は「おやじさんに言えよ。でも俺は、おやじが死んで立ち直れないような人間きらいじゃないよ」と受け止める。
耕造は「クリス! 俺んとこ来るか? 行くとこないんだろ? だったら来いよ」と勧誘した。また 馬は自分が勝ったことを理解しているかどうかの話題になる。「真っ先にゴールを切ったら馬だって気持ちがいいに決まっているだろ? 俺はそれを味あわせてやりたいんだよ! 夢は頂点。国内最高法のG1を取って。有馬記念でな」「最難関の夢だよ、乗ってるみるか? そのかわり一つ約束してくれ 絶対、俺を裏切るな 。絶対にだ」
栗須は耕造の元に行くことを承諾した。
2030年。(目黒連によるナレーション)「2011年8月7日。この日のことを後に彼はこう語ってくれました。気づけば走り出していた、走り出さずにはいられなかった。手を伸ばせばきっと真新しい夢に手が届く、そんな気がしていたんです。その時は」
(つづく)
【合成が話題に?】初回の内容は栗須と山王耕造の出会いからタッグを組むまで描かれました。レースシーンがカッコイイし、手に汗握りました。SNSではレースが合成だし、2016年10月の新潟のレースだと特定する人もいます。実際のレースにロイヤルファイトを合成したということですかね。競馬をよく観てる人には不自然な感じに見えるかもしれませんね。でも、普段見てない私からしたら全く問題を感じなかったです(笑)
【原作とドラマの違い】
・【出会い】原作では山王耕造の馬の1着を当てたことがきっかけに出会うのですが、かなり改変してきましたね。ドラマでは税理士としてロイヤルヒューマン社に関わるわけです。
・【息子の立場】息子の優太郎(小泉孝太郎)の立ち位置も大きく変えています。ドラマでは競馬事業は赤字だから畳みたい、不自然なお金の流れもある、と優太郎はにらんでいます。原作では数少ない父の趣味だからと競馬にのめり込むのを理解はしてるが「バカがすること」と言い、好意的ではない様子です。ドラマも原作も競馬に対するスタンスは大きく変えてはいません。
・【横領】横領していた金城は原作でも登場するし、栗須の入社3年目ごろに退職してしまうのですが…。原作では横領したのって経理部の大竹さんだったような…。違うかな?まあ、ともかく原作では横領もあるはあるけど、あまり大きく扱われてない要素。ドラマ化にあたり競馬事業の赤字とともに上手く盛り込んできたなあと思います。
・【競馬事業部】原作ではロイヤルヒューマン社に競馬事業部なんてなくて、競馬は耕造の趣味みたいなもの。時間の制約のあるテレビドラマなので、分かりやすいシナリオにしてるんですかね。
原作とドラマの違いを見比べながら視聴しても面白いと思いました。
2話【逃げ馬】
第2話の年代は2011年。競馬事業部存続をかけて勝利を目指す、ドラマオリジナルストーリー。
競馬事業部専任秘書となった栗須(妻夫木聡)だったが、着任早々「年内に中央競馬で一勝」できなければ事業撤廃という難題を突きつけられる。躍起になる社長・山王耕造(佐藤浩市)の頑固な考えと対立しながらも、栗須はロイヤルファイトとイザーニャを託す調教師を探して奮闘する。難航する調教師探しのさなか元恋人・加奈子(松本若菜)のアドバイスで、調教師・広中博(安藤政信)に賭けることに…。 果たして競馬事業部存続の行方は…?
栗須から資料を受け取った広中は「結果は後ほど」と面会がすぐ終わる。
京子(黒木瞳)に自宅に呼び出された栗須は、 飲食事業部に引き抜きたいと誘われる。栗須が「奥様は競馬はお嫌いなんですか?」 と質問。「大嫌い」と京子。
後日。広中はロイヤルファイトとイザーニャを預かると言ってくれた。喜ぶ栗須。しかし、その後の耕造との顔合わせで、 レース方針について広中が提案をすると…。耕造は「気に入らねーな!」 と怒り立ち去る。
車中にて。栗須は耕造の説得を試みる。林田(尾美としのり)から二頭を買ったときのことを持ち出す栗須。イザーニャという名前は林田の亡くなった息子が名付けた。それを聞いた耕造は息子さんの名付けた馬の血統を絶やさないと約束した。
耕造は「俺は馬のことはわからん。俺は林田を信じて買っただけだ」という。栗須は「広中さんのことも信じてみたら。馬に一番近い人のことを信じるしかない。私は信じたい。だって誰も勝てるって言わなかった。賭けてください。この私に」と涙目で訴える。耕造は広中に2頭を預けることにした。 広中はその代わりに椎名善弘(沢村一樹)の馬を預かるのを断った。
2011年9月、中山競馬場。未勝利の馬が出馬するレース。耕造の馬は意外にもイザーニャの方が出馬する。イザーニャは芝の経験がなく、おてんばで繊細で注目を浴びたい。ファイトはのんきで、ずぶとい。 広中は「ファイトよりイザーニャの方が、勝つ確率が高いと思っています」と宣言して、イザーニャを選択した。
広中はロイヤルファイトとロイヤルイザーニャのレースを入れ替えました。ファイトをダート(砂・土などからできたコース )に回し、ずっとダートを走ってきたイザーニャを未経験だった芝2000メートルの未勝利戦で走らせることに。広中の見立てではイザーニャは2000メートルに強いとのこと。それまでイザーニャは脚のクセを気にして短距離で使っていたのでした。
中山の芝2000mはスタンド前の発走なので、注目されたいイザーニャの性格から外枠は絶好の場。 スタートは直線なのでスプリント経験もあることから1位を取れる。急坂は今までダートで鍛えたパワーが活きる…。などの広中の戦略がありました。
栗須は耕造から入社祝いにもらったロレックスをゲンかつぎとして着用。レースの結果は、イザーニャが1位をキープしたまま逃げ切って勝利した!
居酒屋での祝勝会にて。広中が以前育てたマイティプラットは稼ぎ頭で、芝の2000にめっぽう強い馬だった。イザーニャはその血統だからイメージができたと話す。耕造は 「俺達は有馬記念で勝つ!乾杯!」と上機嫌だ。
その頃、 山王家。 京子が優太郎(小泉孝太郎)に栗須が競馬事業部で頑張ると電話してきたと伝える。優太郎は 「親父は悪運が強い」と言った。
第2話は、イザーニャの勝利によって社長の耕造が関わる「競馬事業部」が存続することになりました。グレードの低いレースとはいえ、勝って良かったですね。ドラマ的には、イザーニャが最後まで逃げ切っていくレースの映像がカッコ良かったですよ。勝つだろうな、負けて廃部になったら話が続かないし…と思いつつ、イザーニャの走りを見てると自然と手に汗握って、気づくと夢中になってテレビの前で応援していました!ナイス勝利!おめでとう!
競馬事業部自体がドラマオリジナルなので、優太郎が「1勝しないと廃部」なんて言う場面も原作にありません。ドラマは盛り上げる形に変更していますね。
3話【庭先取引】
第3話の年代は2012年。栗須と耕造がロイヤルホープと出会うまでのストーリーです。
加奈子(松本若菜)は先が見えない牧場の経営に頭を抱えていた。それは、父・剛史(木場勝己)がセリ市を介さず馬主と直接取引する「庭先取引」にこだわるも、ある理由から、毎回馬主を怒らせ決裂してしまうからだった。
一方、栗須(妻夫木聡)は耕造(佐藤浩市)の娘・百合子(関水渚)のバースデーパーティーに参加。そこで京子(黒木瞳)から山王家と馬との関わりを聞かされる。ロイヤルヒューマン社の競馬事業部は、未勝利戦を制したイザーニャに救われたが、その後イザーニャとファイトが揃ってケガに見舞われてしまった。有馬記念勝利という夢を勝ち取るため耕造と栗須は新たな競争馬探しを始めることに。そして、優れた競走馬を数多く生産している北陵ファームのセリに賭けるが、ライバルの椎名(沢村一樹)もまた同じ馬を狙っていて・・・。
栗須と耕造は有馬記念勝利という夢を勝ち取るため新たな競争馬を探し始め、野崎加奈子(松本若菜)が父・剛史(木場勝己)と一緒に経営している生産牧場・ノザキファームとの「庭先取引」へ。しかし剛史は頑なに「勝つ気はあるのか」と尋ねる。耕造も頑なで「早く見せろ」と言う。2人は喧嘩のようになり、この日はいったんお別れ。
夜。近所のスナックに、栗須、加奈子、耕造、広中、百合子(関水渚)が行く。すると、酔った客から「勝てる馬じゃなくて売れる馬を作るしかない」と言われる。栗須は反論するが、<言うだけなら簡単>と言われてしまった。
ホテルの入り口にて。耕造が栗須と加奈子に「お前らが馬をもっと強くするんだ」と声をかけて部屋に戻る。
栗須が車で加奈子を送って行く。車内で、加奈子が話す。栗須と別れて、半年後に結婚した。牧場と東京都の二拠点生活になり、そのうち息子・翔平にとって日高のほうがいいと思った。しかし夫を説得できず、<発展的解消>という離婚に至ったという。ノザキファームに到着。栗須は林田ファームの廃業を伝え、「一緒に考えさせてくれ。牧場のことも馬のことも考えよう。一緒に」と励ます。2人の様子を見ていた翔平は、挨拶もなしに立ち去る。
翌朝。ホテルのロビーにて。栗須が、林田純次(尾美としのり)に預けていたロイヤルハピネスの委託先を経営に苦しむ野崎ファームにすることを提案する。理由は馬を強くするためにも牧場を続けていく時間が必要だから、と。耕造は「跡継ぎ無駄にするのはもったいない。あの親父を助けるわけじゃないぞ。若いやつを助けるんだ」と承諾。
野崎ファームにて。耕造は仔馬になつかれていた。加奈子が「嘘 。あの子が懐いてる。あんなに臆病な子が」と驚く。剛史もその様子を見ていた。
耕造は剛史の思いを聞き出す。剛史は日高のファームが北陵に負けることが悔しく、勝ためにアメリカまで行って種付けした。その自信はあって「1億はその覚悟」だという。耕造は「あんたにとって勝ちって何だ?」と問う。加奈子が父のうしろには同年代の牧場関係者や亡き母の思いが、日高のみんなの夢があると補足。耕造は北陵の馬で勝つのでなく日高の馬で勝って世間を驚かせることを自身の夢に加えた。
剛史は「勝つ気はありますか」と改めて問う。耕造は「死に物狂いだ」と答える。乾杯する一同。
ノザキファームで出会った馬はロイヤルホープと名付けられた。栗須と耕造は、ロイヤルホープと共に有馬記念で勝利を目指すという新たな戦いが始動した。(つづく)
第3話は、庭先取引(生産者と馬主の間で行われる直接取引)でロイヤルホープを買い付けるまでのストーリーでした。1話・2話と競馬場でのレースが描かれて、毎回、熱い展開だったのですが、今回はヒューマンドラマに完全に寄せていましたね。1話まるまるロイヤルホープとの出会いに費やしたということは、このロイヤルホープという馬の重要性も伝わります。前フリです。原作でもこのロイヤルホープとロイヤルファミリーという馬がとても重要なんです。
競走馬の生産牧場の経営面での苦しみ。それでも夢を見たいという熱い思い。『下町ロケット』では「いい年したおっさんが 夢見て何が悪い。 町工場が夢見て何が悪いんだ!」という名言を思い出してしまう、熱い展開が本作でも描かれました。日高みんなの夢をのせて、勝ちたいという剛史。耕造はその夢に乗っかりました。剛史も耕造もいい年したおっさんですが、夢を追いかけてカッコイイですよ。青春してますね。
セリで落とした北陵の馬で勝っても意味はない…というのも印象的。日高の馬で勝って驚かせたい…と耕造。先日、サッカー男子日本代表がブラジルとの親善試合で歴史上で初勝利。テレビ観戦してましたが私も興奮しました。本番ではないし、相手はベストメンバーじゃないです。わかってます。とはいえ、何事も歴史を作る時は興奮します。驚きます。山王耕造のやりたいこともそういうことかな?と思いました。
4話【メイクデビュー】
第4話の年代は2013年、2014年。ロイヤルホープがデビュー戦で勝利するまでのストーリー。
栗須(妻夫木聡)は調教師の広中(安藤政信)に呼ばれ、日高地方の育成牧場を訪ねる。耕造(佐藤浩市)が1億円で買ったロイヤルホープは競走馬になる訓練を受けるため育成牧場に移ったが、警戒心が極端に強く、手練れのスタッフもお手上げでジョッキーも見つからないという。
そんな中、栗須と広中はある人物に希望を託す。岩手競馬所属の金髪のジョッキー・佐木隆二郎(高杉真宙)だ。しかし、地方競馬のジョッキーの隆二郎が中央競馬の騎手免許を取得するのは困難な上、彼はかつてある問題も起こしていた。
隆二郎の腕を信じる栗須は、記者の平良(津田健次郎)の協力を得ながら粘り強く交渉する。
その頃、ロイヤルヒューマン社にもあるスキャンダルが発覚し、優太郎(小泉孝太郎)が対応に当たるが…。
隆二郎は暴行事件を起こして、中央競馬を諦めた。
事件の相手はジョッキーの松井。トラブルの原因は松井に地方の厩舎出身であることをバカにされたから。
松井の父は有名ジョッキーだったので、隆二郎をかばう人はいなかった。
椎名(沢村一樹)は来年デビューする「ヴァルシャーレ」の騎手に松井を指名する。
栗須は隆二郎に、日高の生産牧場の「ロイヤルホープ」が北陵ファームの馬と違って見向きもされてなかったことを話す。そして、そんな日高のホープが有馬で勝つことの意義を訴える。隆二郎はホープと自分の境遇を重ねたのか、ホープに乗ること、つまり中央に戻ることを決めた。
ロイヤルヒューマン社にも2つのスキャンダルが発覚。
- 1つは、二重派遣に関する告発の記事。
- 2つ目は、山王耕造に関する記事。
優太郎(小泉孝太郎)が金で二重派遣の件を握りつぶす。耕造は人員整理せずに解決し、「人こそ財産だ」と優太郎に伝える。おもしろくない優太郎は耕造の記事の件を放置。
栗須は決裁が必要なため、耕造をタクシーで追う。すると、耕造は病院に入って行き、部屋は中条美紀子(中嶋朋子)となっていた。栗須は謎の男(目黒蓮)とすれ違う。
2014年5月。隆二郎が試験に合格。ロイヤルホープとの相性も良い。美浦トレーニングセンターに隆二郎の両親もやってきたが、「ここに来たことは言わないでほしい」と栗須に頼み、ごま摺り団子を渡す。隆二郎は親が来てたことを知らずに、その団子を美味しそうに食べた。
2014年6月。デビュー戦。東京競馬場。1番人気は椎名が所有する「ヴァルシャーレ」だ。騎乗するのは松井。
ホープは出遅れたが、追い上げて、1着となった。
祝勝会にて。隆二郎は耕造にホープにずっと乗りたいと申し出る。
しばらくして「山王耕造に隠し子が発覚! 」という記事がでた。その隠し子が中条耕一(目黒蓮)で…。
このドラマ、やっぱり競馬シーンが良いです。3話はレースがなかったので、久しぶりに感じました。待ってましたという感じ。ロイヤルホープの1着、この場面は、最高に熱くなりましたよ。
中央競馬の学校を一度やめた隆二郎。すたれている日高の競走馬・ロイヤルホープ。決してエリートではない人と馬が人馬一体となって勝利するのは爽快でした。どうしても判官贔屓(ほうがんびいき)(弱い者や敗者に同情して応援すること)になってしまうというか、どん底からのサクセスストーリーの方が心打たれますね。実際、2世ジョッキーの松井に勝つ展開を見ててスカッとしましたし。
また、4話では目黒連さんの役名が判明したことも話題に。原作を読んだ人は予想できた役でしたね。放送開始時に隠さざるを得ない事情も理解できます。隠し子だから隠してた、ってことですね。ダジャレ(笑) 耕一は原作の後半での重要人物なのでドラマでも出番が物凄く増えていくはず。楽しみです。
5話【日本ダービー】
第5話の年代は2015年。ロイヤルホープが2015年の日本ダービーに出走するというストーリー。
耕造(佐藤浩市)に隠し子が発覚! 栗須(妻夫木聡)から説明を求められた耕造は、相手の女性は元ホステスの中条美紀子(中嶋朋子)で、今は前橋の病院で療養中だと明かす。栗須は耕造に連れられて美紀子を見舞い、美紀子から大学生の息子・耕一(目黒蓮)の存在を聞く。事情を知った栗須が代わりに美紀子の援助を買って出たことで、耕造と栗須の信頼関係はより強固に。そして、息子の耕一もまた競走馬の世界に魅せられていた。
一方、内心穏やかではない耕造の妻・京子(黒木瞳)がある行動を起こす。そんな中、デビュー戦で勝利したロイヤルホープと騎手の隆二郎(高杉真宙)は勢いに乗り、チームロイヤルは日本ダービーへの出走を決める・・・。
栗須は美紀子がロイヤルハピネスを選んだことを知り愕然とする。
耕造の妻・京子(黒木瞳)がある行動を起こす。美紀子の病室を訪れたのだ。美紀子は「私が勝手に産んだんです。二度とかかわりにならない」というが…。京子は「私 馬が嫌いなんです。だから私が見に行ったレースで山王が勝ったことないんです」という。美紀子も山王と行ったレースで勝てなかったというが…。
京子は美紀子が見に行ったレースは勝っていたことを知っていた。
ロイヤルホープがG1に出場。1番人気となったホープは期待を裏切り 16着となった。
勝ったのはヴァルシャーレだ。その日の夜、耕造は椎名(沢村一樹)を食事に誘った。
耕造は椎名の本音を引き出す。椎名は「理由のわからない血統のロイヤルホープを憎んでいないのは嘘です。ヴァルシャーレはデビュー戦という晴れ舞台で負けているんです。その時もう二度とロイヤルホープには負けない。そう決めております」と本音を言った。
ホープの日本ダービーの出場が決まる。それぞれが耕造への感謝を述べる。平良(津田健次郎)は大物調教師と揉めたとき干されかけていたが、耕造が仲裁してくれた恩がある。広中(安藤政信)は「俺も社長が悪く言われるのは腹が立つ」と味方だ。佐木(高杉真宙)も「俺も社長がいなければ中央にいない」と感謝している。
【日本ダービー】当日。耕造は美紀子と電話をして馬券を買った。
京子が競馬場にやってきて、弁護士が作った財産分与に関する取り決めの書類を耕造に渡す。「隠し子に残せると思わないでくださいよ」と京子。
レースが始まる。栗須と加奈子(松本若菜)が手を繋ぎ、レースを見守る。
ホープとヴァルシャーレがほぼ同時にフィニッシュ。写真判定の結果、鼻差でヴァルシャーレが勝った。
美紀子は馬連で買っていた。耕造は「負けることを見越してたのかよ」とつぶやく。
美紀子が亡くなる。生前、美紀子は耕造と耕一を会わせてほしいと栗須に頼んでいた。
葬儀にて。栗須が耕造を連れてきて、耕一と会わせた。耕造は「1年前まで何も知らなかった。悪かった。今後のことはこの男がすべて取り計らう。困ったことがあったら何でも相談してくれ」と耕一に伝える。
栗須は耕造からの香典を耕一に渡す。袋は分厚い。大金のようだ。耕一は香典を耕造に返し、「今後一切 僕に関わらないでください。二度と会うことはありません」と告げた。(つづく)
耕一(目黒蓮)と耕造の関係が決裂したところで5話の幕が閉じました。さすがに葬儀の場であんな風にお金を渡すのは失礼に感じます。耕造は不器用な男で、愛情の示し方が分からないのかもしれませんが……。
日本ダービーのレースは手に汗握りました。ホープは惜しくも2着でしたが、相変わらずレースシーンはカッコイイです。競馬にうとい私でも惹かれます。現実の年末の有馬記念に向けてドラマも盛り上がっていきたいところですね。
6話【有馬記念】
第6話の年代は2015年~2018年。ロイヤルホープが2018年の有馬記念を最後に引退するまでを描くストーリー。
いつもあと一歩で勝利に届かないロイヤルホープだが、応援するファンは確実に増えていた。しかし、栗須(妻夫木聡)は耕造(佐藤浩市)に2017年の有馬記念終了後、来年の有馬記念を最後に自身もロイヤルホープも引退すると告げられ驚きを隠せなかった。それは事前の家族会議でも伝えられ、次期社長へは優太郎(小泉孝太郎)と突然命じたため、優太郎も戸惑いを隠せないでいた。
さらに、耕造があることを告白したことで、栗須は急遽、耕造の隠し子・耕一(目黒蓮)に会いに行くことに・・・。有馬記念レース当日、雨の中スタートがきられる!
耕造が告白した「あること」とは?……耕造が癌を患っているということ。また、耕造は競馬事業に関しては新会社で今いる馬の管理だけを一人でまかなうと言い、栗須については会社に残してやってほしいと優太郎に頼み込んだ。
耕造から癌であることを告白された栗須は、耕造の隠し子・耕一(目黒蓮)に会いに行く。しかし、耕一は頑なに耕造と会う事を拒んだ。
元気そうに振る舞う耕造だが、病は確実に体をむしばんでいく。栗須は中山競馬場の朝日が昇る中で親子を会わせることを計画するなど奔走。しかし耕造の体調が悪化したこともあり、耕造と耕一の対面はかなわなかった。そこで、栗須だけで朝日を見つめる。
ロイヤルホープはドバイゴールドカップで優勝したのをきっかけに復調し、G1は勝てないが、ジャパンカップでも2位に入るなど好成績で有馬記念への出走を決める。
有馬記念レースの当日。容体が悪化した耕造は病院からホープのラストランを見守った。雨の中、スタートがきられる。観客席には耕一も駆けつけていた。これまで感情を表に出さなかった耕一だが、レースの終盤では感情を露わにして「行けー!」と声を張り上げる。栗須、耕造、耕一の「行けー!」が重なる演出もあった。
飛び出したロイヤルホープだが、ヴァルシャーレとイマジンドラゴンに抜かれる。しかしホープが再び追いつき3頭同時にゴールす。判定の結果、1着はイマジンドラゴン、2着にロイヤルホープとなった。
落胆する栗須に耕造から電話がかかってくる。耕造は「ここ最近俺が死ぬ前提で話してないか? 勝手に殺すんじゃないよ。負けたまま死ねるかよ。ホープの嫁さんも探さなきゃなんねえんだ」という。耕造の元気そうな言葉を聞いた栗須は安堵する。
ホープのラストランに心を動かされた耕一は「まずは一度栗須さんにお会いしたいです」と栗須にメールする。
いやあ、ロイヤルホープのラストラン、みんなの「行けー!!」に泣かされましたよ。なんといっても、あの冷たかった耕一も、「行けー!」と叫んでいたのがとても心が熱くなるものがありました。今日最終回か?って思うほどでしたけど、2着じゃ終われないですね。連ドラとしても後半になっていきますが、ホープの子供に期待!という展開です。ここから【継承】(血の継承、魂の継承)という壮大なドラマになっていくと思うので、ますます楽しみです。
7話【口取り式】
放送日:2025年11月23日 日曜 21:00 -21:54 TBS系
耕造(佐藤浩市)は耕一(目黒蓮)から関係を拒絶されたまま、もどかしい日々を過ごす。そして栗須(妻夫木聡)は二人の関係を何とかしようと思案していた。引退したロイヤルホープは血統を残すため、加奈子(松本若菜)の野崎ファームへ向かうことに。そんな折、耕一から連絡があり、伝えたいことがあるので耕造に会わせて欲しいと頼まれる栗須。しかし耕造と対面させると、すぐに口論になってしまい、耕一の言いたいことは言えずじまい。耕一の本心を聞けず悩んだ栗須は、加奈子に相談すると、耕一は耕造に反対しているのではなく心配しているのではないかと言われる…。
栗須が再び対面の機会を作りある提案をするも、耕一は受け入れなかった。なんとかしたい栗須は、耕一を外へ呼び出し本心を聞きだそうとする。するとようやく耕一の口が開く!その内容は、調教師の広中(安藤政信)も目を見張るほど意外なものだった!さらに耕一からの思いがけない提案に、栗須と耕造は言葉を失う…。
栗須が再び対面の機会を作り提案したことは、馬の相続のことだった。 耕造は「もう謝罪はしない。 援助もせん。 ただ、俺の馬を継いでくれないか?」という。だが、 耕一は断った。ロイヤルの所有馬に相続したいと思う馬はいないからだった。
栗須は、耕一を外へ呼び出し「社長に伝えたかったことがあるんですよね」と本心を聞きだそうとする。耕一は「僕が興味あるのはホープの子供だけなんです」と明かした。
耕一はロイヤルホープの相手がワルシャワ2016なら反対すると言う。血統を調べた結果、ホープとハピネスの子供なら相続したいという。話を聞いた耕造は「お前 わかって言ってんのか?」と問う。何のことか分からない耕一。 栗須は、「ロイヤルハピネスはお母様が選んだ馬です」と説明した。
しかし相続の対象は競走馬に登録した馬だけで、 今から種付けしても 競走馬に登録できるのは約2年で、相続まで3年は待つことになる。それを知った耕一は「だったら 長生きしてください。 あと3年生きてください。 僕にホープとハピネスの子供を譲るまで 競走馬になれるまで 絶対生きてください」と頼んだ。耕造は承諾。
2020年。ロイヤルホープとハピネスの子供が誕生。耕造が「ロイヤルファミリー」と名付けた。
2021年。 加奈子の息子・翔平もジョッキーとしてデビュー。平凡なデビューだった。佐木隆二郎(高杉真宙)と百合子の子供が誕生した。
椎名(沢村一樹)が見舞いにやってきて、自分の子供も馬を始めたいといっていると相談する。耕造は「大丈夫だよ。子は育つ。 やらしてやりゃいい」と背中を押す。椎名は 「社長に一つご相談が」と封筒を差し出して…。
加奈子は栗須に翔平のことを相談する。「私のほうなんだよ。早く成長しなきゃいけないのは」という加奈子。栗須は「俺も手伝う。一緒に頑張ろう」と励ます。
ロイヤルファミリーが競走馬登録に申請。耕造は耕一に「まだ譲ったわけじゃないんだ。俺の代理として 、デビュー戦で必ず勝たせろ」と伝えた。
広中の厩舎にて。耕一は広中に「短距離はダメです。目標はホープで取れなかった有馬をファミリーでとることですよね。だから短距離はダメです」と意見した。
耕造が北海道にやってきて栗須と話す。耕造は「最近 よく夢を見る。有馬をとる夢だよ。 全然諦めついちゃいねえんだ。もしお前の夢枕に俺がたったとしても迷惑がるんじゃねえぞ」とくぎを刺す。栗須は涙をこらえて「承知しました」。耕造は「俺は馬主としては凡庸だったが、お前をこの道に引きずり込んだことは手柄だったな」と告げた。
2022年6月。メイクデビュー東京。耕造は病室にいて、危篤だ。レースが始まると、ファミリーは出遅れた。 しかしレース終盤、内からファミリーが追い上げて、1着!
病室で家族とともにレースを見守った耕造が涙目だ。一方、競馬場では、「口取り式」(勝った馬と騎手、馬主などが一緒にウイナーズサークルで行う記念撮影のこと)が行われようとしていた。
加奈子が耕一にファミリーの方に行けと言う。だが、耕一は拒否している。栗須が電話をしていたが、深々と礼をした。
耕一は「栗須さん、僕の代わりに出てもらえませんか?」と頼むが…。栗須は「ファミリーのそばに立つのは耕一さんです。今このときから耕一さんが ファミリーの馬主です。 デビュー戦、おめでとうございます。 まいりましょう」と告げた。電話で耕造の死去を聞いたことが示唆された。
馬主となった耕一がファミリーと写真撮影を行った。
山王耕造がロイヤルファミリーの1着を見届けてから亡くなったのですね。そして訃報を電話で聞いている栗須の背中のカットがもう、なんて言うか、背中で演技ってできるんだというか、涙が背中から伝わってくるものがありました。もちろん亡くなるのは悲しいことだけれど、ハピネスとホープの子のデビュー戦までよくぞ生きました、山王社長。感涙でした。
次回からは馬主になった中条耕一がメインとなっていくので新章にして最終章に入っていきますね。楽しみです。
8話【相続馬限定馬主】
放送日:2025年11月30日 日曜 21:00 -21:54 TBS系
亡くなった耕造(佐藤浩市)から相続馬限定馬主としてロイヤルファミリーを引き継いだ耕一(目黒蓮)は、栗須(妻夫木聡)に連れられ、北陵ファームのセリ市を見学に行く。そこで、自分が見初めた新馬を椎名(沢村一樹)の息子である展之(中川大志)が競り落としたことをきっかけに2人は親しくなり、耕一は同年代ながら競馬の古い慣習を打ち破ろうとしている展之の考えに惹かれていく。一方、デビュー戦を飾ったロイヤルファミリーだったが、その後の調子は今一つだ。流れを変えようと耕一は大胆な提案をするが、広中(安藤政信)の反対にあう。耕一とチームロイヤルの輪が次第に乱れていく様子に、栗須はこれまでにない難しさを感じていた。そんな中、展之から「若手馬主の会」に招待された耕一は、チームロイヤルとは違う若い馬主たちの先進的な考えに傾倒していくが・・・。
詳しくは、放送後に更新します。
【ザ・ロイヤルファミリー】最終回結末の予想、考察
【ザ・ロイヤルファミリー】には原作があります。
なので原作の結末を参考にしながら、ドラマの結末を放送前に予想してみましょう。
結末は妻夫木聡が有馬記念で勝利?
原作のラストでは有馬記念で2着。栗須と山王耕造&中条耕一が追い求めていた「有馬記念」で勝つことができませんでした。しかし、ロイヤルファミリーを引退させないことを決めて、次の有馬記念を目指します。というか、目指すところで終了しました。
ドラマでも映画でも「そこ描かないんで終わるんだ?」というのもあります。漫画でも、「スラムダンク」はラストがあっさり終わったというか、クライマックスが別にあったというか…。
ということで、小説版の終わり方もありなのですが…。
ドラマでは映像的に、、ロイヤルファミリーが有馬記念で勝って、みんなで歓喜してる、熱気あるシーンを見せて欲しいし、見たいです。
なので、ドラマ版の最終回結末は「その後の有馬記念」を描くと予想。つまり栗須(妻夫木聡)が有馬記念で勝つ場面を描くことを期待します。
はたして一体どんな結末に?
【ザ・ロイヤルファミリー】の登場人物
原作の登場人物
- 栗須栄治(くりす・えいじ):主人公…税理士。父と一緒に働くことを目標にしていたが、その目標を失って人生に迷う。そんな時、山王耕造と出会う。耕造の会社に入社したのち、やがて耕造のマネージャーとなり、競馬の面でサポート。「ロイヤル」を冠した馬で有馬記念を目指す。
- 大竹雄一郎(おおたけ・ゆういちろう)…栄治の大学時代の友人。妻子がいる。
- 野崎加奈子(のざき・かなこ)ロイヤルホープの生産牧場 …栄治の元恋人。実家は北海道にある馬の生産牧場「ノザキファーム」。のちに栄治と結婚に至る。
- 山王耕造(さんのう・こうぞう):ロイヤルホープの馬主…雄一郎の叔父。人材派遣会社ロイヤルヒューマンの社長。有名な馬主(うまぬし)。所有している馬の名前には山王の王から取った「ロイヤル」の冠をつけている。どの馬が勝つかは分からないから、馬に賭けるのでなく人に賭けると公言し、馬を購入している。群馬県前橋市に愛人と隠し子がいる。「ロイヤル」の馬で有馬記念で勝つのが夢。
- 金城史朗(かねしろ・しろう)…株式会社ロイヤルヒューマンの秘書課トップ。栗須栄治が入社して3年目ごろに退職している。
- 竹田(たけだ)…株式会社ロイヤルヒューマンの秘書。
- 山田(やまだ)…山王耕造の自宅で長年働く老年の男性。
- 山王百合子(さんのう・ゆりこ)…耕造の娘。20代なかば。のちに隆二郎と結婚する。
- 山王京子(さんのう・きょうこ)…耕造の妻。雄一郎の父親の妹。のちに耕造と離婚。
- 山王優太郎(さんのう・ゆうたろう)…耕造の息子。百合子の兄。株式会社ロイヤルヒューマンの東京支社長で、のちに社長となる。競馬については「バカが手を出すもの」と思っている。
- 林田(はやしだ)…北海道日高地方にある林田ファームを運営。病気で亡くなった息子がつけていたイザーニャという馬を山王耕造に預けることに。3千万の破格で母子の馬を購入してくれたことから、経済的に苦しい中小牧場である林田ファームは向こう数年間、救われることに。
- 広中博(ひろなか・ひろし)「ロイヤル」の調教師…30代の調教師。滋賀県栗東(りっとう)のトレーニングセンターで厩舎を開業。耕造が馬主のロイヤルイザーニャが所属。
- 椎名善弘(しいな・よしひろ)ダービー馬の馬主…39歳ながら人材派遣業界の最大手「株式会社ユアーズ」の創業経営者。アキノリリーという愛馬でダービーの栄光に輝く。
- 大竹善雄(おおたけ・よしお)…税理士。ロイヤルヒューマン社の経理。雄一郎の父親。耕造の義兄(妻の兄)。
- 西平克也(にしひら・かつや)…静岡の自動車部品会社「カツノ」会長。ノザキファームの馬を引き取っている。豪腕オーナーとして知られる。
- 佐木隆二郎(さき・りゅうじろう):ロイヤルホープの騎手…26歳と若手ながらトップクラスのジョッキー。金髪で、型にとらわれない。ロイヤルホープのデビュー戦で騎手を務めて、1着となる。その後もロイヤルホープに乗り続け、有馬記念を目指す。。
- 野崎翔平(のざき・しょうへい):ロイヤルファミリーの騎手…加奈子の息子。初登場時は小学6年生。将来はジョッキーになりたいという夢を持つ。のちにロイヤルファミリーという馬に乗って、有馬記念を目指す。
- 君和田(きみわだ)…年齢は50歳ぐらい。翔平が小中学校時代に通う乗馬クラブのインストラクター。
- 安野克也(あんの・かつや)…ベテランのジョッキー。椎名善弘が馬主のヴァルシャーレに騎乗し、G1の「皐月賞」で勝利。のちにレインボーキャンプに乗り、有馬記念へ。
- 高遠美奈子(たかとお・みなこ)…女優。隆二郎の恋人?!
- 平良恒明(たいら・つねあき)…発行部数2位のスポーツ紙「東日スポーツ」のエース競馬記者。第二部では栄転して大阪本社のデスクになっている。
- 竹田仁美(たけだ・ひとみ)…ロイヤルヒューマンの秘書。車内で事務仕事をこなす。出産のため休むことに。
- 大沢恵一(おおさわ・けいいち)…調教師。ヴァルシャーレを鍛える。
- 武藤(むとう)…週刊グースの記者。
- 中条美紀子(なかじょう・みきこ)…享年53。山王耕造の愛人。銀座のホステスだった。前橋市で暮らしていて、息子がいる。
- 相磯(あいそ)…椎名善弘のマネージャー。
- 中条雅子(なかじょう・まさこ)…美紀子の母。耕一の祖母。美紀子が他界して3年後に病気で死去。
- 中条耕一(なかじょう・こういち):ロイヤルファミリーの馬主…美紀子と山王耕造の息子(婚外子)。雅子の孫。明和大学「競馬研究会」所属。のちに3頭の馬主となり、栗須がマネージャーを務める。栗須とともに父・耕造の遺志を継いで、ロイヤルファミリーという馬で有馬記念を目指す。
- 唐沢(からさわ)…中条雅子の友人。亡き雅子から手紙を託され、栗須に渡す。
- 大隅(おおすみ)…山王耕造がお世話になっている弁護士。
- 美恵子(みえこ)…栗須栄治の義姉(兄の妻)。
- 池田薫子(いけだ・かおるこ)…大学生。中条耕一の恋人。
- 田代健太郎(たしろ・けんたろう)…若手有望株の筆頭とされる騎手。ライアンヒルズやオセローに騎乗。
- スミス … イギリス人の騎手。イマジンドラゴンに騎乗。
- 花菜(かな)…佐木隆二郎と山王百合子の娘。山王耕造の初孫。
- 浅倉知治(あさくら・ともはる)…調教師。栗東の厩舎に、ロイヤルリブランが所属。
- 西浜和宏(にしはま・かずひろ)…大ベテランのジョッキー。皐月賞でリブランに騎乗する。
- 椎名展之(しいな・のぶゆき)耕一のライバルの馬主 … 椎名善弘の息子。馬主となり、耕造の息子・中条耕一のライバルとなる。
- 香織(かおり)…野崎加奈子の友人。五反田で税理士事務所を営む。
- 大平雅弘(おおひら・まさひろ)…ベテランジョッキー。ロイヤルリブランの引退レースに騎乗。
- 三好健(みよし・たけし)…ジョッキー。ラフパインに騎乗。
- 耕太郎(こうたろう)…佐木隆二郎と山王百合子の息子。山王耕造の孫。花菜の弟。
- ガブリエル・トゥーサン …フランスの若手有望株のジョッキー。凱旋門賞で日本の馬のソーパーフェクトに騎乗。有馬記念でもソーパーフェクトに乗る。
☆太字は注目の登場人物。
ドラマの登場人物
- 栗須栄治(くりす えいじ)演 - 妻夫木聡
- 野崎加奈子(のざき かなこ)演 - 松本若菜
- 広中博(ひろなか ひろし)演 - 安藤政信
- 佐木隆二郎(さき りゅうじろう)演 - 高杉真宙
- 平良恒明(たいら つねあき)演 - 津田健次郎
- 相磯正臣(あいそ まさおみ)演 - 吉沢悠
- 野崎剛史(のざき たけし)演 - 木場勝己
- 林田純次(はやしだ じゅんじ)演 - 尾美としのり
- 山王百合子(さんのう ゆりこ)演 - 関水渚
- 安川すみれ(やすかわ すみれ)演 - 長内映里香
- 遠山大地(とおやま だいち)演 - 秋山寛貴(ハナコ)
- 野崎翔平(のざき しょうへい)演 - 三浦綺羅(少年期)→市原匠悟(青年期)
- 椎名善弘(しいな よしひろ)演 - 沢村一樹
- 山王京子(さんのう きょうこ)演 - 黒木瞳
- 山王優太郎(さんのう ゆうたろう)演 - 小泉孝太郎
- 山王耕造(さんのう こうぞう)演 - 佐藤浩市
☆原作では苗字だけだったり氏名が分からない人物にも名前がつけられています。

